稼ぐキャバ嬢と稼げないキャバ嬢、マインドから見る二人の違いとは?

メディアに登場する華やかなキャバ嬢たちは、毎月何百万円というお金を稼いでいます。

また、そのような華やかさがないキャバ嬢も大勢おり、彼女たちはそれほど多くを稼げていません。

この差はどこからくるものなのでしょうか?

それぞれにインタビューをし、どこで差があるのかを探ってみました。

キャバクラでも見られる格差

昨今ではキャバ嬢になりたいと考える女性がとても多くなりましたが、そう思う大きな理由として、「キャバ嬢は稼げる」ということがあるでしょう。

しかし、当然のことながらキャバ嬢になりさえすればたくさん稼げるわけではありません。

キャバ嬢全員が毎月何百万円も稼いでいるわけではなく、キャバ嬢の世界にも格差があります。

歌舞伎町や六本木の高級店のトップクラスのキャバ嬢は、手取り200万円以上を稼ぐのが普通です。

逆に、そのような大型繁華街からは離れた沿線キャバクラ、とくに大衆キャバクラでは、時給2000円くらいで働いているキャバ嬢も大勢います

もちろん、時給2000円とはいえ、普通の派遣社員よりも高い時給なのですから、やはりキャバ嬢が稼げる職業であることは間違いないのでしょう。

 

ここでは、大きく稼ぐ売れっ子キャバ嬢と、それほど稼いでいない底辺キャバ嬢ではどのような違いがあるかを見ていきましょう。

売れっ子キャバ嬢は歌舞伎町の高級キャバクラAに勤める売れっ子キャバ嬢H、負け組キャバ嬢は沿線の大衆キャバクラBの中堅キャバ嬢Eを取り上げます。

Hはコンスタントに月収200万円以上を稼ぎますが、Eは時給2000円で働いています。

売れっ子キャバ嬢の稼ぎ方

まず売れっ子キャバ嬢から見ていきます。

Hが働くキャバクラAは歌舞伎町にある高級店であり、セット料金(60分)は20時~8000円、22時~1万円の料金設定となっています。

VIPルームは一律1万5000円、消費税は別で25%のサービス料も請求されます。

ここで働くHはキャバ嬢歴5年の23歳であり、月収は平均して250万円です。

勤務日数は月に15日程度であり、給与システムはバック率50%の売上バック制です。

Hは典型的な売れっ子キャバ嬢です。

 

キャバクラAでは半月に1回の給与支払いとなっていますが(歌舞伎町の高級キャバクラは半月払いが一般的)、そんな彼女の給与明細を見てみると、総支給額は155万円、差し引き支給額は125万円となっています。半月で125万円ですから、月収にすると250万円となります。

注目すべきは、彼女の半月の給与明細の勤務日数が8日間、勤務時間が41時間となっていることです。

彼女はバック率50%の売上バック制で働いていますが、これこそ半月で8日間、一日あたり5時間だけの働きで月収250万円稼ぐことを可能としています。

歌舞伎町で売上バック制が定着したのは、2000年に入ってからのことです。

この給与システムの登場によって、キャバ嬢の給与水準は大幅に向上することとなりました。

歌舞伎町では彼女のように売上バック制を選択することで、少ない勤務日数と勤務時間でたくさんの売り上げを上げ、その売り上げの半分を給料でもらうというスタイルが理想的とされるようになったのです。

指名客を増やし、スライド時給を上げることで稼ぐキャバ嬢は中堅と言っていいでしょう。

トップクラスのキャバ嬢になると、太いお客さんをつかんで高いボトルをたくさん入れてもらい、たくさんのお金を使ってもらいます。

そのようなお客さんを何組もキープすることで、短時間でたくさんの売り上げを確保し、さくっと稼いでしまうのです。

このような理想が歌舞伎町のキャバ嬢にはあります。

見方を変えれば、歌舞伎町にはそのような太い客が多いことから可能となっているともいえますが、また別の意見としては、歌舞伎町にホストクラブが多いことから、その影響であるとも言われています。

ホストクラブでは個人の売り上げの50%が給料になるのが基本的なスタイルです。

売れっ子になればなるほど出勤時間が遅く、自分の指名客がお店にたくさん来た時点で出勤するのがカリスマホストの美学でもあるのです。

このようなホストの影響をキャバ嬢たちも受けているとする意見もあるのです。

私はこのHがどのような営業スタイルでたくさん稼いでいるのか気になり、インタビューをしました。

すると、色々なことが見えてきました。

 

 

キャバ嬢Hの私生活

私、キャバ嬢になってもう5年ですけど、この5年間でお金の心配をしたことはないです。

半月ごとに現金でお給料がもらえるんですけど、もらったお金はそのままバッグに放り込んで、欲しいものがあればそのお金で買って、気にせず使ってるうちに減っていって、でもそのうちまたお給料日が来て・・・って感じです。

キャバ嬢になったのは高校卒業してすぐです。

高校時代はギャルサーの代表をしてました。ほかにやることもなくて。

パラパラの練習とか、イベントしたり。

日曜日の昼間にクラブを借りてイベントするんですけど、イベントを打つのって結構お金がかかるんです。

チケットを売って利益が出ることもあったんですけど、大変で。
利益が出るときは一人5万円くらいでるんですけど、利益がでることはあまりないので普通にアルバイトしてました。

時給1000円で。今じゃ月に何百万円も稼いでますけど、その時は想像もできなかったですよ。

 

だって、キャバやるってことさえ想像つきませんでしたし、どちらかというと水商売に偏見がありましたから。

高校を卒業するころ、自分は何がしたいのかわからなくて。

なりたいものがあれば努力のしようもありますけど、それがなかったですからね。

だから普通に就職してOLやってました。初任給は15万円で、高卒だしそんなもんかなって思いましたけど、やっぱり少ないです。

 

それで、友達に誘われてキャバでバイト始めたんですね。

その時は地方のキャバクラでした。

そしたら、最初の月にいきなり40万円もらえてびっくりしましたよ。

 

だって、OLの3倍近いですからね。

それならもうOL辞めてキャバだけやったほうがいいやって思って。

夢があってOLやってたなら続けてましたけど、そうでもないですから。

 

だから歌舞伎町に移って、キャバ専業になったんです。

そしたら半月で50万円稼げて。

最初は感動もありましたけど、札束をポンって渡されてちょっとびっくりもありました。

「こんなに簡単に稼げて大丈夫?」って。

でもすぐになれましたけどね(笑

 

貧乏な一般女性から一気に高給取りになったH

金銭感覚がおかしくなるのでは?と思い、金銭感覚についても尋ねてみました。

1ヶ月に使うお金・・・どれくらいですかね。まず、家賃は12万円のところに住んでます。

意外と安くないですか?

稼いでる子は高級マンションに住んでる子もいますけど、私そういうこだわりないんですよね。

歌舞伎町に近い所には住みたくないんですよ。

新宿とか渋谷とか住む気しません。住む場所は繁華街から離れたいですね。

そういうとこは働くときだけで十分です。

 

月の食費は30万円くらいですね。外食ばっかりですから。お寿司とか焼肉とかよくいきますね。

あとは洋服。10~20万円くらいかな。お店で着るドレスも買います。

で、1~2回着たら友達にあげます。気になった服はすぐ買うんですけど、そしたら洋服がたくさんありすぎて管理が面倒になるからあげちゃいます。

片付け苦手なんですよ(笑)

 

エステにも5万円くらい使いますね。美顔エステとか。ネイルも手と足で5万円くらい。美容院は2万円くらい。まつ毛エクステも2万円ですね。

エステとかネイルに使うお金はキャバ嬢としては普通レベルですね。

化粧品代も月2万円くらいだし、これも普通ですね。

 

お金をたくさん稼ぐとホストにハマる子って多いんですけど、私は全然そんなのないです。

興味ないですから。アフターでお客さんと行くこともありますけど、本当は全然行きたくないです。

ホストって嫌いなんですよ。

結局お金でしょ?まぁ人のこと言えないですけどね(笑)

 

ん~あとは車ですね。

維持費とかガソリン代、駐車場代で20万円くらいかな。

 

残りは貯金です。月に20万円くらいかな。
・・・ってなると毎月200万円以上使ってることになりますよね?

計算合わないですね。でも何に使ってるかあんまり覚えてないです(笑)

今の貯金額ですか?

多分5年間で6000万円くらい稼いだけど、なんだかんだ使って300万円くらいしか貯金してないかな。

 

最近大きな買い物したんですよ。外車買ったんです。アルファロメオのジュリエッタ。車が趣味なんですよ。

毎年乗り換えてます。それでお金使ってるっていうのはありますね。

貯金にはあんまり興味ないし。

6000万円も稼いだのにとか、もっと貯金してればとか、そんなことは考えないですよ。

だって、貯金たくさんしたらこの仕事する意味なくなりますから。

いつでもお金をたくさん稼げて、お金のことを心配しなくていいのがキャバ嬢のいいところじゃないですか。

 

あと、お給料以外でお客さんからのプレゼントも多くて、お金に直したら結構な額になりますよ。

これも合わせたら多分1億円くらいになりますね。

ヴィトンが好きって言ってたらヴィトンのバッグは20個以上もらったし、そのほかにもブランド物のバッグをたくさんもらいました。

高いバッグだと100万円以上するやつ。安いのは10万円台ですけど。あとは時計ですね。

 

カルティエの300万円くらいの時計は2本、ロレックスなんか何本もらったかなって感じです。

60万円台の時計はたくさんもらいますね。

あと、アクセサリーはもう覚えてないくらいもらいました。高いのだと200万円くらいのネックレスとかです。

そんなにつけられないけど、売ったりはしないですね。そうやってお金に変えちゃう子もいるみたいですけど、そこまでお金に困ってないですから。

 

こんなにプレゼントもらってるっていうとびっくりされますけど、歌舞伎町でキャバやってたら普通だと思いますよ。

300万円のカルティエもらったからって何するわけでもなく、同伴するくらいだから気楽ですしね。
誕生日にプレゼントもらったから誕生日に同伴みたいな。

誕生日はたくさんのお客さんが来てくれますけど、その中で一人だけ選んで同伴するんですから、お客さんも大満足みたいです。

誕生日は30人くらい来てくれて、シャンパンタワーで100万円近く使ってくれるお客さんもいます。
だから誕生日は1日で500万円以上は稼ぎますね。

そうしようと思ってやってるわけじゃないんですけど、そうなるんです!(笑)

 

友達営業がポイント?

5年間で6000万円というとんでもない(?)額を稼ぎ出し、プレゼントも合わせるを億を稼いだH。

やはり売れっ子キャバ嬢の稼ぎはすごいと感心してしまいました。

では、Hはどのような営業スタイルでこのような稼ぎを手にしたのでしょうか。

意外に思われるかもしれないですけど、私は営業しないんです。

お店に来てほしいって言わないんですね。言わなくてもお客さんが来てくれますから。

お店に出るのは月・水・金の22時からって決めてますから、お客さんたちはその時に合わせてお店に来てくれます。

アフターも基本的に行かないです。

行っても1年間で10回くらいかな。歌舞伎町は六本木と違ってアフターや営業はあんまりやらない子が多い気がします。

 

確かに新人の頃は営業しましたし、プレゼントもおねだりしましたけど、今は営業しなくても来てくれるし、買ってって言わなくても買ってくれます。

こういうとツンデレなスタイルなのかと勘違いされることもありますけど、全然ツンデレじゃないですよ。

“ツン”の部分がないですから。

いわゆる友達営業やってるんですよ。友達みたいな感覚でお客さんと接する営業スタイルです。

 

コツは色恋にもっていかないことですね。色恋営業はお客さんがすぐに切れちゃうんです。

長続きしないと意味ないですから。ストーカーなんかになられたら危ないし。

私もキャバ始めたばっかりのころは色恋やったことあるけど、ホント疲れましたよ。

色恋営業してたらダメになると思って友達営業にしたんです。

友達営業には義理指名がセットですから。友達なんだから指名してっていう(笑)

 

あとは、お金持ってるお客さんはお店をはしごしますから、他のお店の子と情報交換することはしてますね。

例えばお金持ちのお客さんがお店に来たら、そのお客さんに指名してもらってる他店の子に『いま○○さんが来てるよ。電話してみなよ』っていうんです。

こうするとほとんど来てもらえますから、かなり営業効率いいですよ。

お客さん情報の交換はとっても大切ですね。

 

Hは営業をせずに500万円を売り上げます。

当サイトではあらゆる記事で営業の大切さを強調してきたため、かなり真逆の反応と思われます。

これは、彼女が友達のように接することが結果的に友達営業になっているという側面があるのでしょう。

また、彼女レベルの超売れっ子キャバ嬢になると、お客さんの方がキャバ嬢に会いに来るというのは事実です。

テーブルのほとんどが売れっ子キャバ嬢のお客さんで埋まり、それぞれの席に5分ずつ着くということもあります。

色恋営業ならば5分の接客は他のお客さんへの嫉妬やキャバ嬢への不満が生まれて長続きしませんが、友達営業だからこそこれが成立しています。

また、彼女は何もせずにそこまで上り詰めているかのように語りますが、よく聞いていると彼女なりの哲学が垣間見えます。

お客さんとの会話ですか?う~ん、そこも友達っぽく。計算して話してるようじゃ不自然でしょ。

それじゃだめです。

何をしゃべったかいちいち記憶しないような話ばかりしてますよ。だって、友達と会話するときってそうじゃないですか?

友達営業なんだから本当に友達にならなきゃ。

だったら、会話は覚えてないのが普通だと思うんです。

どんな職業のお客さんとでも、どんな年齢のお客さんとでも、同級生の男友達のように話すことができるのがHのすごいところなのかもしれません。

 

彼女に「250万稼ぐキャバ嬢になれた理由とは?」と聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

う~ん、よくわからないけどキャバ嬢に向いてたんだと思いますよ。

新人の頃は疲れたと思うこともあったけど、嫌になることはなかったし。

もう5年になりますけど、遅刻も無断欠勤も一回もないんです。高校生の頃は学校なんて遅刻もズル休みも当たり前だったのに。

一緒にキャバ始めた友達はみんなとっくに辞めて普通に働いてますから、続かないのが普通なんでしょうね。

 

稼ぎが良いだけじゃダメなんですよ。お客さんと揉めて辞める子も多いし。

でも、私は続いてキツイとも思わないから、それだけで他の子たちにかなりの差をつけてるんだなって思います。

キャバ嬢やってるリスクはそんなに感じてません。

お客さんがストーカーになった話は聞きますし、昼間に街でお客さんから声かけられてびっくりすることもあります。

でも、私は友達営業だから多分ストーカーは大丈夫だと思うし、声かけられてびっくりするくらいですよ。

それで月に何百万円も稼げるんですから、それくらいのリスクなんでもないですね。

 

だから特にリスクは感じてません。悪いことして稼いでるわけでもありませんし。

お金はなかったら生きていけないですけど、たくさんもいらないかなと思います。

私は自分がお金持ちと思ってないです。もっとお金持ちのお客さん、たくさん見てますから。

一晩で100万円使うお客さんとか、300万円の時計をポンって買ってくれるわけじゃないですか。

そんなの見てたら、私は大したことないですよ。

 

底辺キャバ嬢の稼ぎ方

ここまで、売れっ子キャバ嬢Hの稼ぎ方を見てきました。

では、これに対して底辺キャバ嬢はどのような稼ぎ方をしているのでしょうか。

ここで取り上げるキャバ嬢Eは現在24歳でキャバ嬢歴はまだ1年。

月の勤務日数は20日前後で給与体系はポイントスライド時給制であり、月収は25万円程度です。

彼女が勤務するキャバクラBはJR沿線の大衆店です。

セット料金(60分)は19時~2000円、21時~5000円、22時~6000円となっており、これに消費税と10%のサービス料がかかります。

VIPルームは設けられていません。

彼女のことを「底辺キャバ嬢」と表現していますが、何を以て「底辺」とするのかと言えば、それは単純に月収です。

売れっ子キャバ嬢Hは250万円の月収を得ているのに対し、底辺キャバ嬢Eはその10分の1に当たる25万円程度の月収となっています。

同じキャバ嬢でも、時に10倍もの収入格差が生まれることがあるのです。

キャバ嬢Eの給与システムはポイントスライド時給制です。

給料は週払いであり、彼女の給与明細を見せてもらったところ、一番時給が良い時で3200円、一番低かったときは2400円となっています。

ポイントは本指名と延長指名で加算され、彼女の勤めるキャバクラBでは時給は2400~5000円の幅を200円刻みでスライドしていきます。

しかし、どれだけポイントを稼いでも最高時給が5000円を越えることはありません。

中流店や大衆店のポイントスライド時給制では、時給はポイントに対して青天井ではなく、上限が設けられているケースも多いのです。

このほか、彼女のお店では同伴に対してポイントは付与されず、単に1000円の同伴バックが支給されるだけです。

また、給与明細では基本時給の項目に「2000円」と記載されていますが、これは19時の開店から21時までの時給です。

キャバクラBでは19時からの2時間はセット料金も大変安く設定されており、またお客さんも少ないことから、全てのキャバ嬢が一律で時給2000円となっているのです。

このようなシステムを設けているため、彼女のお店のナンバーワンは時給5000円を稼ぐものの、月収が100万円を超えることはできません。

このシステムに対して、Eはこんな不満を述べていました。

うちは開店2時間は2000円ですからね。これは納得いかないです。

 

だって、大衆店はセット料金が安い時間帯を狙って遊びに来るお客さんも多いですから、『この時間帯はお客さんが少ないから』っていう理由は納得いきませんね。

でも、働きやすいお店ですからね。時給より働きやすさを重視して働いてますから、なんとなく仕方ないのかなあとも思ってます。

キャバクラBのように、時間帯によって固定時給を変えているお店は、東京都内の沿線キャバクラや地方都市のキャバクラではしばしば見られるシステムであり、Eのお店が特別待遇を悪くしているというわけではありません。

Eは働きやすさを強調していましたが、このお店にもノルマやインセンティブはしっかりと設けられています。

このお店のノルマとは、毎週金曜日を「指名曜日」として設定し、この日には本指名を2本取らなければならないというものです。

もしこの日に2本の本指名を取れなかったキャバ嬢や、金曜日に欠勤したキャバ嬢は、翌日の土曜日に埋め合わせることがノルマとなります。

もし金曜日・土曜日と続けて達成できなかった場合には2000円の罰金が科せられます。

その一方で、1日に5本以上の本指名を取り、3本以上の延長を取った場合には、1万円のボーナスが支給されます。

このほか、同伴週間も設けられており、同伴週間にはそれぞれのキャバ嬢が同伴回数を争います。

その結果、同伴回数が1位のキャバ嬢には5500円、2位のキャバ嬢には3500円、3位のキャバ嬢には2500円のインセンティブがあります。

しかし、同伴週間に1回も同伴できなかったキャバ嬢は2000円の罰金が科せられます。

 

ただし、入店3ヶ月までのキャバ嬢は罰金が免除されます。

このシステムに関してEに聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。

お店は色々工夫してるつもりかもしれないけど、賞金とかノルマとか、あとは同伴週間とか、よくわからないよ。

 

他の子たちもよくわかってないと思います。
スタッフからは『できるだけ一日二人お客さんを呼んでください』とか『できれば二日に一回は同伴してください』とか言うけど。

っていうか、ずっと言ってくる。

 

だから、システムどうこうっていうよりはそうやって言われたことをこなすのに必死です。

 

時給はスライド制ですから上がったり下がったりしますけど、それよりも目の前の2本を取ることばっかり考えなきゃいけなくて、時給のことを考える余裕はないです。

それに、時給って毎週変わるし、自分の時給がいくらかも全然把握してないですよ。

 

ノルマが無かったり、毎日お客さん呼べっていわれなければキャバクラは楽な仕事だと思うけど、キャバ嬢はお客さんを呼ぶのが仕事ですからね・・・

このように、お店からノルマや罰金をチラつかされ、時給も把握できずに目の前のことで精一杯になった結果、Eの時給は2000~3200円、月収にして約25万円となっています。

彼女はこのことをどう思っているのでしょうか。

確かに、六本木とか歌舞伎町の高級キャバで売れてる子とか、キャバクラ雑誌でもてはやされる子に比べたら、私の給料なんてめちゃくちゃ安いですよね。

 

でも、いくら安いって言っても最低時給は2000円もらってますから。

私、もう一軒のお店でも働いてますけど、そこでもキャバクラと同じようにお酒の相手して、時給600円ですよ?

バックもないし、時給は上がりません。それに比べると全然マシですよ。まあ、そのお店では私は見習いですしね。

 

私、歌手になりたくて東京に出てきたんですよ。

そのお店にはステージがあって、時給600円で働く代わりにステージに立たせてもらえるんです。

だから、キャバクラの2000円はありがたいですよ。

そのお店は本格的なバンドもステージに立って、それを聞きながらお酒を飲むお店です。

私は1日20分を4ステージこなすんですけど、ステージの合間にお客さんの接客をするんです。

お店側はステージを見に来てくれたお客さんに接客することでコネとか作りなさいって言ってますね。

 

なんでも、音楽関係とかマスコミ関係のお客さんが多いとかで。正直、それが半分嘘だってなんとなく気づいてますよ。

コネが作れるっていうことをエサにして、安い時給でステージにも立たせて、こんな都合のいい存在ないですよ。

最低時給なんか全然考慮してないし。いくら何でも600円って。

でも、バックで演奏してくれるバンドマンの人達は確かに一流だし、好きな歌をステージで歌えるし、我慢するべきなのかなとも思ってます。

だって、歌いたくても歌えない子もたくさんいるわけですし。

 

あと、これでも地方にいたときよりずっといいですね。

地元のキャバクラは時給1200円だったし、音楽関係の仕事も全くなかったし、普通にアルバイトしても時給700~800円ですし。

だから時給2000円もらえるっていうのは良いことなんです。
このお店にしても、最初面接受けたときに保証期間の時給は2800円っていわれてびっくりしましたからね。

『やっぱ東京は違うな』みたいな(笑)

だから頑張ろうと思えたんです。保証期間はノルマもないし、時給も下がらないし。だから一回も同伴しなかったんですよ。

2800円で満足しちゃって。

 

それだけに、ポイント制になったらすぐに時給は下がりましたけど。

なんか、ふとしたときに私はキャバクラに向いてないのかなって思います。

 

頑張ってポイントを稼いだって3200円以上になったことないし、あと1ポイントで時給3400円に上がるってこともあったけど、それもお店の人から『あと1ポイントで時給が上がるから、明日も出勤して、同伴して延長してもらいましょう』って言われてはじめて気づいたし。

でも、その日は出勤日じゃなかったから、『別にいいや』ってなって行かなかったんです。
出勤して時給上がってれば1週間で1万円くらい増えたんだけど、でも、めんどくさくて『いいや』ってなっちゃった。

お客さんにもなんていえばいいかわからないですよ。
ああいうときって『あと1ポイントで時給上がるから同伴して』って言えばいいんですかね?

なんか、ポイント稼ぐことに貪欲になれないんですよね。

 

めんどくさいが先に来ちゃって。今の時給で満足しちゃうし。

たくさん稼いでる子って、やっぱり貪欲じゃないですか。

たくさん稼ぐって意欲がすごくて。

でも、私にはそんなのないから、向いてないのかなぁって思います。

それでも、やっぱりキャバクラは稼げる仕事だと思います。

友達の話きいてるとすごく思いますね。だって、派遣OLやってる子とか、時給1200円くらいですもん。

資格とか持ってればもっと上がるでしょうけど、それもそれで大変じゃないですか。

キャバは若いっていうだけで誰でも稼げますから。

仕事内容もお酒の相手するだけだし。

それで時給2000円もらえるんですから、やっぱりいいですよ。

とはいえ、100万円も200万円も稼ぐ売れっ子キャバ嬢もいるのは事実。
そんなキャバ嬢のことをどう思うか聞いてみました。

 

うらやましいとかってあんまりないですね。負け惜しみじゃないですよ。

 

だって、同じキャバ嬢でもそんなに稼ぐ子ってなんだか人種が違いますもん。

 

だから正直、そういう子たちのことって全然わからない。

 

私は今の時給でも満足してますし。東京のキャバクラって、女の子にとってはホントに一番楽に稼げる仕事なんですよ。

 

底辺って言われればそれまでだし、底辺の私が言っても全然説得力ないし負け惜しみに聞こえるかもしれませんけど。

 

でも、私は自分のこと底辺とは思ってませんし。

 

逆に、月に何百万円も稼いでる方が異常ですよ。

 

何百万円もらえるってなれば欲しいですから、全くうらやましくないって言ったらウソになりますけど、だからってそれが勝ちなのかなって。

 

それに私、自分のこと時給2000~3200円のキャバ嬢っていうよりは時給600円の歌手だと思ってますからね。

 

自分のアイデンティティがキャバ嬢より圧倒的に歌手の方にありますから、だからそんなにうらやましくないんだと思います。

 

もし『毎月200万円やるからキャバ嬢一本で行け』って言われたら、キャバ嬢辞めますもん。

 

歌を歌うのが夢で、ずっと歌を歌っていきたいから。
ホントに何百万円も稼げるなら歌で稼ぎたいですよ。

マインドの違いを感じでいただけましたか?

稼げないEは、終始、自分以外の、店や環境や境遇などを言い訳にし、「他に責任がある、私に責任はない」と遠回しに言っています。

これは、イソップ寓話「すっぱい葡萄」(すっぱいぶどう)と同じです。

あらすじ
キツネが、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つける。食べようとして跳び上がるが、ぶどうはみな高い所にあり、届かない。

何度跳んでも届かず、キツネは怒りと悔しさで、「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去る。

解説

キツネが、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つける。食べようとして跳び上がるが、ぶどうはみな高い所にあり、届かない。
何度跳んでも届かず、キツネは怒りと悔しさで、「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去る。

このように、キャバ嬢Hとキャバ嬢Eの違いを見てみると、意識的にかなりの違いがあることが分かると思います。

また素質の面でもかなりの違いがあります。

売れっ子キャバ嬢のHは自分がキャバ嬢に向いているといい、自分のありのままに振る舞って毎月何百万円も稼いでいるのに対し、底辺キャバ嬢のEは自分がキャバ嬢に向いていないといい、それほど

ひたむきにもなれず、キャバクラ以外に自分の存在意義を見出そうとしています。

 

マインドの面から考えて、Hが稼げるキャバ嬢でEが稼げないキャバ嬢であるのは、なんだか納得がいってしまう差があるのです。

キャバ嬢になりたいと思っている人、またはキャバ嬢になったもののそんなにうまくいかないと思っている人は、まずキャバ嬢としての姿勢を変えてみましょう。

自分はキャバ嬢に向いていると思うようにするのです。

しかし、何の根拠もなくそう思えばそれは自信ではなくただのうぬぼれになってしまいますから、当サイトで紹介したような技術を学んでください。

そうすれば、天性の売れっ子であるHと肩を並べられる日が来るかもしれません。

有能さは習得できるのです。

 

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