お客さんと強い信頼関係で結ばれるための技術

キャバ嬢の仕事は、お客さんを癒してあげることです。

お客さんを癒すためには色々なテクニックがありますが、そのあらゆる方法を行っていく中でも会話を盛り上げることは必要不可欠です。

お客さんのなかには「話がしたい」と思って通っている人も多く、何を話してもいいのだと思わせるためにも、会話をじわじわと盛り上げていかなければなりません。

会話を広げ掘り下げる

会話を盛り上げるためには、うまく質問をすることが大切です。

お客さんと初対面のときなどはこちらから質問することなく、とにかくお客さんの話を引き出し耳を傾けることが大切です。

そうすることによって、お客さんのことを理解していることや興味津々であることを伝え、緊張をほぐして安心感を与えることができるからです。

こうなると、お客さんはもっと色々な話をしたいと思うようになるものですから、そこではじめて質問をしていくのです。

質問する際には、その会話を横に広げていくのか、深く掘り下げていくのかという二つの方向性を意識して質問するのがポイントです。

質問は、質問する言葉の裏で、色々なメッセージを含んでいます。

例えば、

  • 情報収集
  • 興味本位
  • 非難・尋問・攻撃
  • 気づきを促す
  • 純粋な関心の表れ

などです。

キャバクラでお客さんに質問をするときには、直接的な質問をするのは好ましくありません。

「お仕事は何をされているんですか?」「出身地はどこですか?」などとあからさまに情報収集を行うことは、時として質問者の単なる興味からの質問だと捉えられ、不快感を与えてしまうことがあるのです。

また、お客さんが仕事に誇りを持っている場合ならばよいのですが、そうでない場合には空気が悪くなるでしょう。

仕事によっては質問側が返答に詰まることもあります。

例えば、

お仕事は何をされているんですか?

ただのサラリーマンだよ。

となったとき、どうするでしょうか。

「すごーい!」とも言えませんし、「へぇ~」といえば、あなたが特に何とも思っていなかったとしても、「サラリーマンなんて面白みのない男」という意図しないメッセージが伝わってしまうこともあり得ます。

このように書くと、質問することはとても難しいと感じてしまうことでしょう。

しかし、質問をする際には上記のメッセージのうち「気づきを促す」「純粋な関心の表れ」の二つの質問をすればよいのです。

質問をしていく状態になるまで、お客さんの話に耳を傾けて分かってきたことも多いでしょう。

ここからは、それまでの会話を広げていった方がいいのか、掘り下げていった方がいいのかを探っていきます。

探るためには、以下のような質問が適切です。

 

 

「それからどうなったの?」

場内指名秘テクニック

お客さんが何らかの体験について話している場合には、「それから?」と続きを促して話が広がるようにします。

ここから話が盛り上がっていくというところで、キャバ嬢があいづちをうつだけではお客さんは「この話おもしろくないかな?」と思ってしまうことがあるため、そうなりそうだと思えば「それから?どうなったの?」と質問してください。

例えば、植物が好きなお客さんが、

庭でガーデニングをしてるんだけど、できれば種とか球根から育てるんだ。

育つ過程を写真で撮影したりね。

と話したとき、「うん」「はい」「ええ」とあいづちをうつだけではせっかく盛り上がるところなのに白けてしまいます。

そこは、

へぇ~、写真を撮るんですね!撮った写真はどうするんですか?

などと質問し、お客さんの行動に興味を示していることを伝えます。

そうすると、お客さんはその質問に応えるべく次の展開を始めます。

Twitterに載せてるよ。

Twitterですか?(それで、それで?)

うん。身近にガーデニング好きの人がほとんどいないから、Twitterでガーデニング好きとつながってるんだよ。

『いいね!』はつきますか?

このように、お客さんが写真を撮影していることに関して、掘り下げていくことができます。

会話が展開していく中で、お客さんが特に楽しんでいることや大切にしていることなどが見つかれば、そこを深く掘り下げていくのです。

もし重要なキーワードが出てこない場合には、「ところで・・・」と話の展開を変えることによって、話を広げ直していきます。

 

「ところで」

もし重要なキーワードが出てこなければ、「ところで」と話しを広げ直しましょう。

例えば上記の会話において、

撮った写真はどうするんですか?

と聞いた時、

別に、たまに見返すくらいかな。

と言われれば、お客さんの写真を撮るという行為を深めていくことはできません。

そこで、話の広げ方を「撮った写真をどうするか」ではなく、別の方向へ広げていきます。

「ところで、写真を撮るのが元々お好きなんですか?」

「ところで、私も少し興味があるんですけど、花を買う時はどこで買うんですか?」

「ところで、ガーデニングをどこで学ばれたのですか?」

このように、「ところで」を使って新たな視点での質問をすることによって、それまでの話題の周辺に話を広げていき、新たに掘り下げるポイントを探していきます。

広げていく質問は、お客さんの話題に興味津々という姿勢で、「それから?もっと詳しく聞きたい!」という純粋な関心でなければなりません。

続きを楽しむ気持ちがあれば、お客さんも喜んで話してくれます。

会話を盛り上げることの本質は、話を広げてツボが見つかったら掘り下げていくことです。

少し行き詰まりを感じたらまた広げて掘り下げる。

この繰り返しで盛り上げていくことができます。

しかし、掘り下げるポイントが見つかった時には、一つだけ注意することがあります。

それは、「掘り下げる」という行為を受けたとき、人は尋問や避難や情報収集をされていると感じ取ってしまうことがあるという事です。

そこで、掘り下げるときにはどのような質問をするかということはきちんと学んでおいた方が良いでしょう。

 

 

会話を掘り下げるテクニック

掘り下げるときはどのような質問をすべきなのでしょうか。

掘り下げるポイントを的確にとらえて質問をしていく具体例を、以下の会話の例で見てみましょう。

 

会話例1:

この前ゴルフコンペに招待されたんだけど、俳優の○○も来ててね。

彼と同じ組で回ったんだけど、ゴルフがめちゃくちゃうまくてびっくりしたよ。

それで、それで?

他にもお笑い芸人の□□とか、△△も夫婦で来てたりね。

有名人がたくさん参加してたよ。

すごいですね。

そんなに有名人ばかりのコンペに行けるなんて。

うん、☆☆カントリーって知ってる?

老舗のゴルフ場なんだけどさ・・・

 

会話例2:

この前ゴルフコンペに招待されたんだけど、俳優の○○も来ててね。

彼と同じ組で回ったんだけど、ゴルフがめちゃくちゃうまくてびっくりしたよ。

それで、それで?

彼だけじゃなくてほんとに上手い人が多くてね。

ハンディがシングルの人ばっかりだったよ。

レベルが高いコンペだったんですね。

そうそう。だけどね、俺3位になったんだよ。

テンションあがったね。

上記の二つの会話はどちらもゴルフに関する会話ですが、それぞれ掘り下げるポイントが違います。

会話例1では有名人がたくさん参加していることが重要であるため、そこを掘り下げていくことで会話を促すことができます。

会話例2の場合は、「ハンディがシングル」でレベルの高いコンペであったことが重要であるため、その点を掘り下げていくようにします。

会話を広げた結果広げるべきポイントが見つかっていくことが分かると思います。

ここまでできるようになったら、次はより深く掘り下げていくことを目指しましょう。

深く掘り下げていくためには、お客さんの会話の重要と思われるポイントに対して、思考のレベルを合わせて掘り下げていくのがコツです。

通常、人の思考のレベルは6つの階層に別れていると言われます。

その6つとは以下の通りです。

環境→場所・人・時間などについての思考

ex.「私は○○商事で働いている」

 

行動→自分が考えること、すること

ex.「今月の新規顧客が先月より10%増えるように、見込み客への営業を強化する」

 

能力→自分が持っているスキル、資格、資質

ex.「私は営業相手に強くプッシュし、契約に結び付けるトークスキルがある」

 

価値観→自分の行動の根底にあるもの(なぜその行動をするのか)、大切にしている指針や信念

ex.「私は取引先に誠実であるようにしている。お互いが利益を享受できるように努めている」

 

アイデンティティ→自分の存在の定義、自分の使命

ex.「私は○○商事の営業マンである」

 

個人を超えた部分→会社、家族、地域社会、国、地球

ex.「私は○○商事が末永く繁栄するために力を尽くす」

上記の6つの段階に照らし合わせたとき、お客さんはどの思考レベルで話しているかがわかると思います。

お客さんの思考に合わせて話をすると、お客さんは自分が理解されていると感じて大きな満足感が得られます。

また、より強い信頼関係を築けるようにもなることでしょう。

会話例1の場合は、環境の話です。たくさんの有名人が来ていたこと、コンペ会場のことなどを話しているからです。

そこで、このような会話を掘り下げるためには、環境についての話題のなかで質問をしていくと、お客さんの話したいことで盛り上がることができます。

会話例2の場合は、能力に関する話です。

ハンディがシングルであること、上手い人が多かったこと、3位になったことなどが話題の中心です。

この会話を掘り下げるためには、能力についての話題のなかで質問をしていくことによって、お客さんの話したいことで盛り上がることができます。

慣れてきたら、思考レベルの中でも最も複雑で深い個人を超えた部分で会話が展開していくように意識しましょう。

そうすると、環境や能力といった表面的な部分から一歩踏み込んだところで盛り上がることができます。

 

 

高いレベルで結びつくこと

高いレベルの思考レベルで考えることが信頼関係を結ぶにあたって非常に効果的です。

高い思考レベルということに関して、宗教の例を見てみるとよくわかりますが、海外の人々は日本人に比べて非常に宗教心が強く、宗教によっては非常に信仰心が強いものです。

そして、信仰する宗教が違えば結婚をすることなどはたちまち難しくなります。

例えばインドにはイスラム教とヒンドゥー教が混在していますが、イスラム教徒とヒンドゥー教徒が結婚することはまれです。

個人を超えた部分での思考レベルが違うのですから、当然と言えば当然のことです。

しかし、信仰する宗教が同じであれば、人種や国籍が違う男女が結婚することは少なくありませんし、外人でも家族のように迎え入れることができます。

黒人解放運動家でイスラム教徒のマルコムXにしても、初めて聖地巡礼をした時に右も左もわからなかったのですが、現地のイスラム教徒たちが家族のように接してくれたといいます。

このような話は枚挙にいとまがありません。これらは全て、個人を超えた部分での思考レベルが同じだからです。

同じ宗教を信じているということは、信念・価値観・個人を超えた部分で共通ということになります。

そこが同じであれば、環境や行動を作り上げることも簡単です。

これは、刑務所に収監された凶悪犯が宗教に出会うことによって、その宗教で求められるものへと環境・行動・価値感などを変えていくことからも分かります。

もちろんこれは宗教に限ったことではなく、個人を超えた「会社」という部分で思考レベルが同じ人同士は、普段はお互いを嫌っていても、一旦会社が危機に陥ったり千載一遇のチャンスが訪れたりしたときには、手を取り合っていくことができます。

つまり、これをキャバクラに応用すれば、環境や行動や能力といった表面的な部分での理解を示すだけではなく、もっと深い部分で理解を示すことができるのです。

具体的には、以下のような実践が考えられます。

ある時、権威的なタイプのお客さんにあるキャバ嬢が接しました。

そのお客さんは、

最近の新入社員っていうのは、集団行動を知らない奴が多すぎるな。

単に売上だけを上げればいいって個人プレーに走る奴ばっかりだ。

あくまでも組織であることを認識させて、より高い所を目指して行かなきゃいけないのに、今の若者は・・・

と、批判をえんえんとしていました。

しかし、耳を傾けている内に、

俺は会社を愛しているんだ。

だから、俺も会社がもっとよくなるように社内の和を大切にするし、チームプレーを意識している。

というように、会社への愛を語りだしたのです。

そこで、キャバ嬢が

○○さんは会社を愛しているんですね。

会社への愛情があるからこそ、周りにも目が届くんですね。

と要約したところ、お客さんは

そうそう。

自分だけが成績を上げられればいいっていうものではないんだ。

もっと大局を見なければ。

それが会社への愛だよ。

君は若いのにそれが分かるのか。

大したもんだ。

君みたいな社員ばっかりだったらいいのにな。

とべた褒めされたのです。

もちろん、それ以降このお客さんはそのキャバ嬢を指名するようになりました。

掘り下げながらお客さんの思考レベルを観察し、可能ならば高いレベルでの会話をしていきましょう。

 

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