キャバクラには、ポイント制があります。
ポイントが高ければ高いほど時給は高くなります。
月収にして考えた場合、ポイントが少ないキャバ嬢と多いキャバ嬢では大きな差が出ますが、それはポイント制によるものなのです。
ポイント制を深いところまで考えておけば、営業戦略を練る際の参考にもなります。
本稿では、ポイント制と営業戦略を考えます。
キャバクラのポイント制
どのようなところで働くにせよ、それは給料をもらうことを目的として働きます。
お店や業界などで給与体系は違うものですが、キャバクラの給与体系は、多くのお店がポイント制を採用しています。
ポイント制とは、キャバ嬢の実績に応じてポイントを付与し、稼いだポイントに応じて時給がスライドするという制度です。
当然のことながら、ポイントが高ければ高いほど時給は高くなります。
すでに知っている人も多いと思いますが、キャバクラの料金システムは時間制であり、セット料金というものが基本となっています。
もし追加料金が発生しない場合にはセット料金だけを支払えばよく、明朗会計がキャバクラの売りでもあります。
また、入店時間によってセット料金が変わるお店もよくあります。
これは、お客さんが集まりにくい早い時間帯にはセット料金を安くして客集めをし、遅い時間帯にはそれなりにお客さんが集まるため、高めのセット料金を設定しているのです。
お店としては、セット料金だけで遊ぶお客さんも大切ですが、それよりも追加料金が発生する遊び方をしてくれるお客さんのほうが売り上げに貢献してくれるため、よいお客さんということができます。
キャバ嬢たちは、追加料金が発生するような営業が評価されることとなります。
指名を受けたり、延長してもらったり、ボトルやドリンクを入れてもらったりすると、キャバ嬢たちにはポイントが加算されていきます。
ポイント制とは
では、実際にポイントによってどれくらいキャバ嬢の収入が変わるかを見てみましょう。
これは、ある人気キャバクラ店が採用している、実物のポイント表です。
このお店では、1クールを10日間(1日~10日、11日~20日、21日~末日)とし、10日間で稼いだポイントに応じて次のクールの時給が変わるというシステムをとっています。
- 150ポイント以上・・・時給11000円
- 140~149ポイント・・・時給10000円
- 130~139ポイント・・・時給9500円
- 120~129ポイント・・・時給9000円
- 110~119ポイント・・・時給8500円
- 100~109ポイント・・・時給8000円
- 90~99ポイント・・・時給7000円
- 80~89ポイント・・・時給6500円
- 70~79ポイント・・・時給6000円
- 60~69ポイント・・・時給5500円
- 50~59ポイント・・・時給5000円
- 40~49ポイント・・・時給4500円
- 30~39ポイント・・・時給4000円
- 20~29ポイント・・・時給3500円
- 10~19ポイント・・・時給3000円
- 9ポイント・・・時給2900円
- 8ポイント・・・時給2800円
- 7ポイント・・・時給2700円
- 6ポイント・・・時給2600円
- 0~5ポイント・・・時給2500円
※200ポイント以上の場合は、10ポイントごとに時給が1000円アップ
ポイントは、同伴で2ポイント、本指名で1ポイント、場内指名で0.5ポイント、本指名ハーフで0.5ポイント、場内指名ハーフで0.25ポイントとなっています。
本指名でボトルが入った場合には、ポイント付与されるというシステムです。
これに対して場内指名は、お店にフリーで入って、接客してくれたキャバ嬢の中から気に入ったキャバ嬢を指名することですが、ポイントは本指名の半分として扱われることが多いようです。
これは、本指名は安定的に受ける指名であるのに対し、場内指名はお試し的な意味合いもあるためです。
ハーフというのは、セット時間が残り時間半分になったときに指名を受けることです。
ポイントの締めがどのように決められているかはお店によってかなりばらばらです。
例にとったお店は10日単位ですが、月単位、半月(2週間)単位、1週間単位などがあります。
これはお店の経営戦略であるため、途中で変更されることもあります。
また、お店の経営戦略であると同時に、キャバ嬢にもとても大切なものとなります。
なぜならば、クールの単位によって、キャバ嬢の営業戦略も変わってくることです。
キャバ嬢にとっては、収入と順位というものは無視できないものです。
理想はもちろん、毎クールで高いレベルのポイントを稼ぎ、高い順位をキープし、高い収入を安定して得ることです。
では、どのような営業戦略で営業を行えば、この理想を実現できるのでしょうか。
理想の営業戦略
では、理想の営業戦略とはどのようなものでしょうか。
キャバクラに興味を持って本稿を読んでいる女性にはピンとこないかもしませんが、当サイトは現役キャバ嬢の読者も多いため、彼女たちへ向けて書いていきます。
キャバ嬢になってから、ある程度の努力を払いながら、ある程度の期間勤務をすると、固定客もある程度増えていることでしょう。
しかし、固定客はそれなりにいるのに、毎クールのポイントが安定しないという場合があります。
クールの単位が短いほど、この傾向が強くなります。
これは、固定客を活かしきれていないからこそ安定しないのであって、理想の形に近づけるためには、固定客数に基づいて営業計画を練る必要があります。
固定客が少ない場合
もしあなたがそれほど売れていないキャバ嬢ならば、固定客が少ないことでしょう。
固定客が少なければ、営業計画を練るのも簡単だと思われがちですが、そんなことはありません。
少ない固定客が、月末や月初めに集中して来店し、それ以外の時期には来てくれないとなれば、キャバ嬢のポイント獲得時期はかなり偏ってしまうことになります。
お客さんにも生活サイクルがありますから、これはある程度仕方のないことです。
月末は忙しくてとても遊べない、ふところが温かい給料日後にしか遊べないなど、いろいろな事情を抱えているのです。
そんなことをすれば、お客さんは離れていきますから、もっと不安定になってしまいます。
したがって、まだ固定客が少ない場合には、クールの単位はある程度無視してかまいません。
それよりも、あなた自身の生活を安定させ、焦りによる無理な営業をしないようにすることが大切です。
家賃や電話代や光熱費といった、生活のために最低限必要な支払いというものの多くは、月単位で請求されるものです。
そのため、生活を安定させることを考えるならば、月単位で収入計画を立てましょう。
例えば、上の例のような10日クールのお店であれば、第1クールと第2クールはポイントが少なく、収入も少ないかもしれません。
しかし、第3クールではポイントを大きく稼ぎ、それなりの収入を得るのです。
そして月平均で見たときに、問題なく生活できるレベルの収入が得られていればよいのです。
当たり前のことですが、これがなかなか難しいことです。
キャバクラはストレスが大きい仕事でもありますから、大きな収入があったときに、買い物などでストレスを発散するキャバ嬢が多いのです。
しかし、あくまでも月単位で生活することを覚えておきましょう。
不安定な生活は焦りを生み、無理な営業へとつながり、固定客を増やすための障害となります。
実際、不安定な生活からくる無理な営業で消えていくキャバ嬢は非常に多いのです。
まずは焦らないことです。
焦らず、地道ですが勤勉に働いていれば、その先もっと大きな収入が得られる可能性は高まります。
それまで、しばらくの辛抱です。
どんな仕事でも勤勉さは役立つものであり、美徳です。
美徳の実践はつらさを伴うものですが、投げ出さないようにしなければなりません。
人生は習慣の織物ですから、そのうち美徳の実践という意識はなくなり、勤勉であることが普通になります。
指名客が30~40人というのが、専業キャバ嬢としてやっていくための最低ラインですから、それに達しない時期は我慢を重ね、徐々に指名客を増やしていく努力に専念しましょう。
今、あなたのお店でナンバーワンとして活躍しているキャバ嬢も、最初は指名客0人からスタートしているのです。
固定客が増えた場合
固定客がある程度増えた場合には、生活は安定していると思います。
そこで、次は上位にランクインするための営業計画を立てていく必要があります。
もちろん、一瞬だけ上位ランクになったというだけでは意味がありませんから、継続してよい順位につき、状況に応じてランクを上げていくという計画を立てなければなりません。
そこで、まず必要となるのは、自分の顧客全員を分析することです。
顧客分析がしっかりしていれば、どんなにルックスがよいキャバ嬢や接客がうまいキャバ嬢でも、いつの間にかお客さんが減っていくということにもなりかねません。
では、顧客分析の方法を見ていきましょう。
お客さんの管理は、もらった名刺を名刺ホルダーで管理していくのはもちろんのことですが、できればパソコンなどで管理するのが望ましいでしょう。
パソコンを使えない人は、顧客カードを作ります。
顧客分析の項目は、細かく分析しようとすればいくらでも出てくるものですが、最低でも以下の五つの項目は最低限チェックしておかなければなりません。
- お客さんの来店サイクル(どのくらいの間隔で来店するか)
- 何曜日に来店するか(決まった曜日があるか、土日にも来るか)
- 来店した際はどれくらい遊ぶか(時間と予算)
- 何時くらいに来店するか
- 支払いは経費か自腹か
これらの情報は非常に基本的であり、重要な項目です。
きちんと把握しているのとしていないのとでは、大きな差が生じます。
お客さんを離れさせないためには、きちんと把握しておかねばなりません。
指名客と長く付き合っていくためには無理な営業をしないことが大切であり、この五つの情報を知っておけば、それを防ぐことができます。
例えば、既婚のお客さんならば、休みの日に遊びに出られないということも多いものです。
そのようなお客さんに対して、土日に「今日お客さんが少なくて困ってるの」などといっても、困らせるだけでしょう。
どうしても来てほしいといえば、1回くらいは来てくれるかもしれませんが、確実に精神的負担となるため、いずれお客さんは離れていきます。
営業しないキャバ嬢は伸びませんが、その営業はお客さんの許容量を超えるものであってはいけません。
あくまでも、お客さんが経済的・時間的に余裕がある場合に限り、ちょっと自分のためにお金や時間を使ってくれるように営業していくことが大切なのです。
具体的には、以下のようなことが大切です。
- ほかのキャバクラにも通っているお客さんに営業をかけて、自分をメインにしてもらう
- 風俗に通っているお金を、自分に使ってもらう
- ギャンブルに使っているお金を、自分に使ってもらう
- 同僚や友人とキャバクラに行く際には、自分のお店を使ってもらう
このようなことであれば、お客さんは無理のない範囲で応じることができます。
だからこそ、お客さんを知る必要があるのです。
顧客分析の情報収集のためには、必ずメモを取る必要があります。
専用の手帳を作っておきましょう。
お店が忙しければ、あっちの席からこっちの席へと動かなければならず、そのようなメモを取っている暇はないと思われるかもしれません。
しかし、売れるキャバ嬢は必ずといっていいほどメモしています。
売れるキャバ嬢なのですから、あなたの何倍もめまぐるしく動いていることでしょうが、その中でメモをし、お客さんとの会話内容まで記録しているのです。
あなたにも、できないはずはありません。
メモは、サッととれるように簡単な書き方を自分で決めておくことが大切です。
例えば、メモ帳に走り書きで
「メ山田、9:30②、カ・リ、友②」
と書けば、
「メガネをかけた山田さんが、9:30に来て2セット遊んで帰った。支払い方法はカード払いで領収書をもらった。友人と2人で来た」
ということがわかるのです。
このメモならば、慣れれば10秒くらいで書けるようになります。
他人が見れば何のことかわかりませんが、自分がわかれば大丈夫です。
お客さんを見送った後に、エントランスでサッと書くこともできるでしょう。
その際、もし可能ならば会話の内容もメモしておきたいものです。
盛り上がった話題をメモして記憶しておけば、お客さんの好みがわかりますから、次回の会話の参考になります。
もしエントランスで書けない場合には、トイレに行くふりをして書くのもよいでしょう。
本当に忙しくてそれすら難しいという場合には、仕事が終わってから、思い出しながら書くほかありません。
そして、それが営業に活きてきます。
まさに、毎日のメモを積み重ねた手帳は、キャバ嬢にとって最高の財産といえます。
お客さんの多くは、キャバ嬢を口説き、エッチができれば最高だと考えているものです。
しかし、それも元をただせば、女の子にとって重要な一人になりたいという気持ちの表れでもあります。
つまり、自己重要感を満たされたいと思っているのです。
いろいろなメモを取って、お客さんの状況を把握した接客ができれば、お客さんは「俺はこんなにも大事にされているのか」と思い、自己重要感が満たされます。
そのためにも、メモを取り、記憶し、次回の来店の会話で利用していきましょう。
これは、お客さんにとってエッチと同じくらいの喜びになることもあります。
人気キャバ嬢は、エッチなどまったくせずにたくさんの固定客をとっています。
その裏には、地道にメモを取る努力を欠かさなかったからなのです。