キャバクラのシステムのひとつに、同伴というものがあります。
これは、キャバクラへの出勤前にお客さんと食事をし、それから一緒に入店するというものです。
同伴をすればポイントを稼ぐことができ、そして一緒に入店して指名を受け、指名でもポイントを得られるのですから、非常に効率のよい手段といえます。
お客さんを同伴に誘うためには、どうすればよいのでしょうか。
また、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。
同伴はみんなにメリットがある
キャバ嬢の仕事のメインは、やはりお店での接客です。
しかし、お店の外でも仕事に生かせる機会はたくさんあります。
例えば、お客さんのことを大切していることのアピールとしては、定期的にメールをするということが挙げられます。
より直接的なものとしては、同伴やアフターがあります。
メールはじわじわと効いてくる遅効性の働きかけであるのに対し、同伴とアフターはより早く大きな効果が期待できます。
同伴はキャバ嬢にとってメリットがあるだけではありません。
お店やお客さんにもメリットがあるのです。
ですから、キャバ嬢として活躍していくためには、同伴をうまく活用しなければなりません。
同伴によるお店へのメリット
お店が営業するに当たって、頭を悩ませるのは開店時にお客さんがあまり入らないということです。
19時くらいから開店しているお店も多いものですが、その時間はまだ残業しているお客さんもいますし、同僚と居酒屋で食事をとりながら一杯やっているお客さんも多いものです。
1件目からキャバクラに行くということはあまりなく、そのためキャバクラ店は開店時の客入りに頭を痛めるのです。
しかし、開店しているということはキャバ嬢も出勤しているということであり、その間にも時給は発生しています。
お客さんがいなければ、売り上げはゼロで人件費が発生しているのですから、赤字になってしまうわけです。
また、行動経済学などでも言われることですが、人間というのは人が集まるところに集まってくるものです。
本当はそれほど魅力がない商品でも、たくさんの人が買っていれば流されて買ってしまう人が多いのです。
それと同じことで、開店直後のキャバクラであったとしても、人が入っていればお客さんの入りはよくなるものです。
つまり、「客が客を呼ぶ」という現象です。
開店直後からお客さんがたくさん入ってくる日というのは、不思議とラストまで忙しいことが多いのです。
逆に、開店直後から暇な日というのは、一日中暇なことが多いものです。
そのため、ほとんどのお店では同伴を奨励しています。
キャバ嬢がお客さんを連れて出勤してくれば、開店直後からお客さんを呼び込むことができます。
赤字の時間を減らすことができ、客が客を呼ぶ効果も期待できます。
キャバクラ店は、同伴したキャバ嬢に同伴ポイントをつけたり、同伴バックとして1回につき数千円の報酬を出すようにしていますが、それも開店直後の来店が非常に大きな効果を持っているからなのです。
キャバ嬢としては、お客さんを連れてくるだけで同伴ポイントがついたり、同伴バックをもらったりできるわけですから、これを活用しないわけにはいきませんね。
同伴によるお客さんへのメリット
では、お客さんにとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。
それは、同伴中はお気に入りのキャバ嬢を独り占めできるということです。
お客さんは、キャバクラ店で高いお金を支払っても、指名するキャバ嬢が人気であればあるほど話せる時間は短くなります。
人気キャバ嬢であればあるほど、同伴の価値は上がるといってよいでしょう。
また、同伴は私服であるため、お店とは違ってプライベートに近い姿のキャバ嬢と接することができるのもメリットです。
このほか、お店ではボーイや他のキャバ嬢の目があるのに対し、同伴では完全に1対1ですから、口説くのにも好都合であるといえます。
キャバ嬢は、同伴をすることで収入をあげることができ、お店は売り上げをあげることができ、お客さんは満足を得ることができるのですから、同伴は誰にとってもよいことなのです。
お客さんが同伴を渋るわけ
しかし、同伴はお客さんにとってもよいものであるはずなのですが、実際には同伴を渋るお客さんも多いものです。
それはなぜなのでしょうか。
その理由は、大きく分けて、時間的な理由と経済的な理由によるものです。
時間的な理由
時間的な理由で同伴を渋るお客さんは多いものです。
同伴をするとしても、お店の目的は開店直後にお客さんを得ることなのですから、やはり入店時間が決められています。
入店時間はお店によってもさまざまであり、開店時間に入店しなければならない場合、開店時間から1時間後までに入店しなければならない場合などさまざまです。
同伴をするということは、キャバ嬢と待ち合わせをし、キャバクラに行く前に一緒にご飯を食べたりするということです。
そのため、決められた時間までに食事などをしてから入店することを考えると、最低でも入店時間の1時間前くらいには待ち合わせをしなければなりません。
また、お客さんはせっかく同伴するのですから、1時間では短いと感じ、せめて1時間半くらいは話したいと思うことでしょう。
すると、入店時間の1時間半前までには待ち合わせをすることになります。
となると、例えば、8時までに入店しなければならないと決められている場合、1時間半の時間を確保するためには6時半までには待ち合わせをしなければならないということになります。
この時間までに仕事を終わらせて待ち合わせができる人でなければ、同伴は難しいということなのです。
働き方が見直されている昨今、残業時間に気を使う企業が増えています。
しかし、一部の大企業を除けば、まだまだサラリーマンにとって残業は当たり前です。
6時半までに仕事を片付けて待ち合わせに行くのは無理という人も多いことでしょう。
そのようなお客さんに同伴を頼めば、お客さんは仕事とキャバ嬢のどちらかを取らなければならなくなってしまい、負担に感じてしまいます。
経済的な理由
経済的な理由には、男の見栄っ張りなところが影響しています。
せっかくお気に入りのキャバ嬢と同伴するのですから、安っぽいところに連れて行って格好の悪いところを見せるわけにはいかないと考える人が多いのです。
そのため、少々の無理をしてもいいお店に連れて行きたいと思い、実際に無理をしてしまいます。
キャバ嬢に何が食べたいかを聞いたとき、「お寿司が食べたい!」といえば、断れずに高いお寿司屋さんに連れて行こうと思うことでしょう。
経費を使える立場のお客さんならば、それほど負担にならないかもしれません。
しかし、少ないお小遣いから、1人1万円くらいするお寿司屋さんに行けば、それはかなりの負担をかけてしまいます。
その後はキャバクラに行き、セット料金も支払わなければならないのですから、かなりキツいといえます。
このため、お客さんは同伴を頼まれてもしり込みしてしまうのです。
1回くらいならば同伴もよいかもしれません。
しかし、そのような同伴が何度も続けば、キャバ嬢を口説いてエッチをしたいと考えているお客さんならば、ヘルスかソープに行ったほうがいいと考えても不思議ではありません。
同伴のテクニック
このように、お客さんが渋ることも多い同伴ですが、どのようにすれば同伴を受け入れてもらえるのでしょうか。
ここで大切なのは、同伴もれっきとした仕事だということです。
お店の外であるため、のんびりとした気分になってしまうキャバ嬢は多いものですが、同伴も仕事です。
ですから、プロに徹して同伴しなければなりません。
同伴の際、「せっかくお客さんがおごってくれるのだから、いいものが食べたい」と考える気持ちもあるでしょう。
しかし、プロである以上、そのような個人的な欲望は抑えるべきです。
プロに徹するならば、目的は高い食事をおごってもらうのではなく、ポイントを稼ぐことだと意識せねばなりません。
このことを踏まえて、キャバ嬢側から安いお店を指定することや、同伴を活用するテクニックを知っておく必要があります。
キャバ嬢側から安いお店を指定する
初めての同伴の場合には、安いお店を指定するというのは特に大切なことです。
初めての同伴から高いお店に行きたいと言ったばかりに、お客さんから「お金のかかる子だな」と思われてしまえば、もう二度と同伴してくれなくなります。
その後、そのお客さんから継続的に得られるかもしれなかった同伴ポイントがなくなってしまうのです。
もちろん、何を食べたいかを聞かれたとき、お客さんにお店選びを任せてしまうキャバ嬢は多いものです。
しかし、そうしてしまうと男の見栄が出てきますから、無理をしてもいいところに連れて行こうと思ってしまうのです。
しかし、そうするとお客さんの負担になってしまい、結局は離れていってしまいます。
同伴で高いものを食べても、安いものを食べても、もらえる同伴ポイントは同じです。
それならば、安いものを食べて、浮いたお金でキャバクラで延長してもらったほうが、ポイントは大きくなります。
ですから、あらかじめ雑誌などで安くて雰囲気のいいお店を探しておき、お客さんに何が食べたいかを聞かれたときに、
このまえ雑誌みてたら、すごくおしゃれなお店見つけたの!二人でも○円くらいだし、行ってみたいな。
などといってあげるのです。
もし事前の知識がなかったとしても、「おいしいラーメンが食べたいな」「おいしいお好み焼きが食べたい!」「おしゃれなパスタ屋さんがいいな」などと提案することもできます。
金額的な目安は、二人合わせても2000~5000円くらいで食べられるお店にすることです。
こういう提案をしたときに、お客さんが「もっといいお店にいこうよ」などといってくることもあるでしょう。
そのときにも、高いお店でお金を使わせるのが目的ではないのですから、
私、高いお店の味ってよくわからなくって。庶民的な味のほうが落ち着いて食べられるの。
といいましょう。
そうすれば、お客さんも抵抗なく受け入れてくれるはずです。
そればかりではなく、「お金のかからない子だ」という好印象も与えることができます。
不景気な昨今、世間の男性は「金のかかる女」よりも「金のかからない女」に好印象を抱くものなのです。
お金のかからない同伴を続けていれば、いずれお客さんが経済的に余裕のあるとき、
たまには寿司でも食べに行こう。今回は俺が行きたいんだから、付き合ってくれるよね?
などといってくれるものです。
その時には甘えるのもよいでしょう。
このような同伴ならば、お客さんに負担をかけることはありませんから、何度も同伴してもらえることでしょう。
つまり、同伴ポイントを何度も獲得できるということです。
また、高いお金を使わなかった分、延長やボトルを入れる頻度も高くなるかもしれません。
ちなみに、安い食事で済ませることは、まったく違うところでメリットも生みます。
それは、そのお客さんがエッチ目当てであった場合、安い食事にしておくことで「これではエッチできなくても文句いえないな」と思ってくれるということです。
男からすれば、高いお店に連れて行けばかなり大きな自信になりますし、キャバ嬢としても毎回高いお店に連れて行ってもらっているうちに、どこか申し訳なくなってくるものです。
そして、「たまにはエッチくらい仕方ないか」と思うことになりかねないのです。
しかし、安いお店を指定していれば、そうなることも少ないものです。
むしろ、キャバ嬢としては珍しい、庶民的なものを好む純朴なあなたに不思議な魅力を感じ、エッチ目的ではなく通ってくれるお客さんになってくれるかもしれないのです。
経費の場合はどうなる?
ただし、食事代を経費で落としてしまうお客さんの場合には、お客さんにお店を選ばせてかまいません。
お客さんが接待するとき、普通はラーメン屋とかパスタ屋で接待することはないため、安いお店を指定することはできないからです。
経費で落とすならば、それなりのお店で食事する必要があります。
気をつけたいのは、お客さんのなかにはキャバクラでの支払いは経費で行い、同伴での支払いは自腹で行っていることもあるということです。
逆に、同伴の時には経費で支払い、キャバクラでは自腹で支払っているというお客さんもいます。
これを取り間違えてしまえばお客さんに負担をかけてしまうことになりますから、注意しなければなりません。
なぜならば、キャバクラの支払いを経費で落とす場合には接待交際費という科目になり、会社の規模によって年間の枠が決められており、それを超えると税金が加算されるシステムになっています。
しかし、食事代は普通「会議費」という科目になることが多く、会議費には税法上の枠がありません。
しかしながら、食事代でも金額が高い場合には接待交際費になります。
目安は5000円を超えるものであり、それ以上は接待交際費、それ以下は会議費と考えればよいでしょう。
このようなことは頭の片隅に入れておき、お客さんが同伴の食事代を経費で落とすのかどうかを推測した上で、同伴するようにしましょう。
同伴を活用するテクニック
同伴を活用するテクニックを大教えしましょう。
それは、喫茶店を活用した方法です。
喫茶店ならば、入店30分前に待ち合わせ、ちょっとコーヒーを飲んで一緒に入店することもできます。
お客さんは、キャバクラに来てお酒にお金を払っているというよりは、キャバ嬢と過ごす時間にお金を払っているといえます。
そのため、たとえ30分であっても、少しでも長く一緒にすごしたいと思っているものです。
喫茶店ならば、二人合わせて1000円くらいのものですし、それによってキャバ嬢といられる時間が長くなるならば儲けものです。
お店の近くの喫茶店で、安くておいしいコーヒーを出してくれるお店を探しておきましょう。
そして、
今日早めにお店にこれないからな?ちょっと用事があって早めに行くんだけど、少し時間も空くしよかったら30分くらいお茶したいなと思って。
と誘ってみましょう。
食事とは違いますから、お客さんは30分でも満足するものですし、少しのあいた時間でも会いたいなどといわれれば、お客さんは非常に親近感を覚えるものなのです。
同伴の注意点
最後に、同伴の注意点を紹介しておきましょう。
せっかくの同伴が無駄になったり、危険に巻き込まれないようにするためには、注意しておくべきことがあります。
お店に来る約束をする
お客さんの中にはずるい人もおり、食事だけしてお店に来ないという人もいます。
これは、キャバクラに通い始めたばかりで仕組みを知らず、単に食事をするだけという勘違いもありますし、せこいお客さんが「急用ができた」などといって同伴入店しないこともあります。
このようなことになれば、キャバ嬢としては同伴を強制することもできないものです。
しかし、同伴入店してもらえなければ、同伴ポイントをもらうこともできません。
そのため、「食事だけかと思ってた!」などといわれないようにしなければなりません。
同伴を暗黙の了解とみなして「今度食事に行かない?」と誘えば、「食事だけかとを思っていた」といわれるかもしれません。
ですから、同伴であるとわからせるような誘い方をする必要があります。
お店から徒歩10分の場所まで
せっかく同伴をしても、入店時間に遅刻をしては台無しです。
お店によって、遅刻に対するペナルティが設けられているからです。
遠いお店で食事をしていると、交通事情などによって遅刻する可能性もあります。
ですから、徒歩10分圏内の近場で食事するようにしましょう。
お客さんの車に乗らない
うそみたいな話ですが、キャバクラ初心者の中には、同伴のことをホテルへ行くだと思っている人もいます。
ですから、お客さんの車に乗ってしまえば、そのままホテルにつれていかれる可能性があります。
そのため、「車で迎えに行くよ」などといわれても、「絶対に遅刻できないから、近場のお店に歩いていこうよ」などと言うようにしましょう。
プロ意識を持つ
これは、繰り返し述べていることで、同伴も仕事のうちと意識するということです。
同伴のときは私服ですし、周りに店長やスタッフもいないものですから、気が緩んでしまうことも多いでしょう。
しかし、相手はお客さんなのですから、キャバ嬢としての意識を持たなければなりません。
同伴のときから、もう仕事は始まっているのです。
小さな気配りを忘れず、会話にも気をつけましょう。
同伴だからこそお客さんに聞ける話もあるでしょうから、心がけ次第でお客さんを深く理解する場にすることもできるのです。
お客さんが「同伴は楽しい」と思わなければ、次回の同伴を渋られるようになります。
また、「お店ではいい子なのに、実際にはこんな子だったのか」という失望を招かないためにも、お店と同じようにプロの接客をしてください。
お客さんを嫉妬させない
キャバクラの仕組みがわかっているお客さんであっても、やはり他のお客さんに嫉妬するものです。
特に、同伴の時にはお客さんとキャバ嬢が1対1になるのですから、そのときは満足感に浸っています。
そこで、他のお客さんの影を匂わせるのはNGです。
例えば、パスタ屋などの安いお店に行きたいというのはいいのですが、せっかくそのような配慮をしても、
このお店はよく来るの?
と聞かれたときに
うん、この前も他のお客さんと来たよ。
などといえば、最悪の空気になるでしょう。
また、同伴の最中や入店時には、他のお客さんと顔を合わせないように注意しなければなりません。
飲みすぎない
同伴で食事をするときに、お酒を飲むことも多いと思います。
お客さんは、同伴のときに飲んで、キャバクラで1~2時間くらい飲んで、あとは家に帰るだけです。
しかし、キャバ嬢はその後5~6時間は仕事をしなければならないのです。
おいしいワインなどを勧められることもあるでしょうが、酔わない程度に飲まなければなりません。
そこも、プロの意識があるかないかで大きく変わってくるでしょう。
プロならば、その後に何人ものお客さんに接客しなければならないのですから、同伴で酔ってしまえばプロ失格です。