キャバクラで接客するにあたって、キャバ嬢は色々な仕事をこなします。
会話をしながらもおしぼりを渡す、お客さんのグラスについた水滴を拭く、灰皿を換える、お酒を作るなどの気遣いをしなければなりません。
このような小さな仕事とそれに伴う動作をどのようにするかを考えておくと、より好感度をアップすることができます。
これみよがしに気配りをしてないか
気配りをレベルアップさせるためには、相手に悟られないように実践するのがポイントです。
例えば、お客さんの飲んでいる水割りが3分の1程度まで減り、新たに水割りを作るタイミングになったとします。
しかし、お客さんはグラスを握って話を続け、夢中になるあまりグラスの残りに気が向かず、しかもグラスをずっと握っている。
こんな時、どうするでしょうか。
そのままではお客さんは薄い水割りを飲んでしまうことになり、不満が生まれるかもしれません。
かといって話を中断するのもなんだか気が引けるものです。
このようなとき、自分は気配りをしていることをお客さんに知ってほしいという気持ちがあるキャバ嬢は、お客さんのグラスを奪うようにして水割りを作ろうとします。
すると、お客さんも話を中断して、とりあえずは「ありがとう」というものです。
しかし、内心あまり心地よいものではなく、これでは気配りとは言えません。
キャバ嬢が気配りをするのは当たり前のことで、それを見てもらいたい、知ってもらいたい、ほめられたいと思うのは間違いです。
目に見える形でサービスをするのではなく、さりげないサービスができるキャバ嬢こそ一流です。
キャバクラとは関係のない皆さんの周りにも、合コンや飲み会の際に、ここぞとばかりにお酌をしたり、食べ物を取り分けたりし、自分では人気取りのつもりがひんしゅくを買っている人を見た事があると思います。
私も以前会社勤めをしていたとき、懇親会の席で事務の女性が上司連中にそのような対応をし、おべっか使いと陰口をたたかれていましたたが、このような当てつけのサービスが好感を抱かれることは少ないものです。
さりげない上品な気配りを
この場合の正解は、お客さんが夢中で話すのに耳を傾けつつ機会をうかがい、お客さんがグラスから手を離したスキに素早く水割りをつくり、何事もなかったように元に戻すことです。
お客さんが「ありがとう」といえないくらいに自然に素早く作るのです。
その場で「ありがとう」が出ないくらいにできれば上出来です。
その場ではありがとうと言われませんが、このようなさりげない気配りを何度も繰り返してくうちにお客さんの中には「ありがたみ」が積み重なっていき、いつしか大きな感謝を抱くようになり、「この子は僕のことをよく見ている」と思うようになり、もはやそのような気配りができない他のキャバ嬢では満足できなくなることでしょう。
あなたがオンリーワンになるのです。
実際に、私の知る売れっ子キャバ嬢は会話が非常にうまいわけでも、ルックスが飛び抜けて良いわけでもないのに、このようなさりげない気配りが良くできたため、売れっ子になることができました。
そのキャバ嬢の接客を受けたお客さんたちは、「非常に気持ちよく飲むことができる」と口をそろえて言います。
これは、キャバクラ以外のパーティなどの席でも使えるテクニックです。
キャバクラ業界で生きていく女性にはしばしばパーティに出席する機会も出てくるものですから、このような気配りは覚えておいた方が良いでしょう。
例えば、飲み物がなくなった状態で手持ち無沙汰になっている人がいたら、「なにかお飲み物をお持ちしましょうか?」とさりげなく気配りをすれば、会話のきっかけを得ることもできるでしょう。
先ほど紹介した気配りの達人のキャバ嬢は、パーティでも一流の気配りを見せていました。
目を付けた人のグラスの中身に見当を付けておき、なくなりそうになった絶好のタイミングになるとバーカウンターで作って持っていくことで、関係を作ったのです。
絶好のタイミングを見つけることは、一見とても難しそうなことです。
しかし、気配りをしたい人だけに注目していれば、それほど難しいことではありません。
気配りをする際には、相手に足りないものは何かということ、そして相手が今欲しいものは何かに注目しておき、気づけばすぐに実行するのが良いでしょう。
気配りの練習をしよう
とはいっても、これまで気配りをしてこなかった人にポイントだけを提示して「気配りをしましょう」といっても無理な話です。
オススメは、日常生活のなかで気配りの練習をしておくことです。
そうすると、自然と人に気を配る習慣が身につき、お客さんに対しても気配りができるようになるはずです。
以下に、日常でできる気配りの例を書いておくので、是非練習してみてください。
- 自分を含む数人でエレベーターを待っているシチュエーション。
エレベーターが来て扉が開いたら、自分がまず入ります。
他人を優先するのが気配りと思われがちですが、それは気配りではありません。
「お先に失礼します」といって自分が一番に乗り、片手で開くボタンを押し、もう片手では扉を押さえて後の人が乗りやすいように気配りをするのです。
さらに「何階ですか?」と聞いて、そのボタンも押してあげると完璧です。
- 人と一緒に歩いている時、段差がある場所で相手が話に夢中になっているようなシチュエーション。
この時、危なそうならば「段差があるよ」と注意してあげます。
普段からこれをしていると、酔っぱらって足元が危ないお客さんに対して同じ気配りをしてあげることができます。
ふらついているような場合には、腰のあたりに手を置いてサポートしてあげると良いでしょう。
- 誰かから何かしてもらったときに、「すみません」と言っていませんか?
言われる側としては「すみません」と言われると壁を感じてしまうこともあります。
そこは「ありがとう」といって壁を取り払うのが気配りです。
「ありがとう」という言葉は相手の好意を受け入れる言葉だからです。
- レストランでおしぼりがまとめて出された場合には、皆の前にさっと振り分けてあげましょう。
割り箸から遠い位置の人に渡してあげるのも素敵な気配りです。
- 相手と別れるとき、相手の姿が見えなくなるまで見送りましょう。
相手がふと振り返った時に見送ってくれていれば、「あの人は私を大切にしてくれている」と思い、非常にいい気分になります。
このようなことを日常的に習慣づけていきます。
自分で適切と思う場所があれば、これ見よがしにならないようにさりげない気配りをしていくのも良いことです。
最初は難しいでしょうから、気配りポイントを見つけるために相手を観察する習慣をつけ、気づいたことをさっと実行できるようにしましょう。
先回りをして気配りできるのが一流ですが、これは余裕ができてからで構いません。
先回りの気配りとは、相手がさらに気づかない気配りです。
例えばどのような気配りかと言えば、お客さんが話している内に興奮してきて身振り手振りが大きくなった時、グラスを倒してしまわないようにサッと遠ざけるような気配りです。
この気配りをすることによって、お客さんがグラスを倒して気まずい思いをすることを防ぐことができます。
難しそうだと思うことでしょうが、練習を積み重ねていくうちに気配りのレベルが上がっていき、先回りの気配りもできるようになります。
観察から気づきへ、気づいたら実行へ、その繰り返しをして気配りの達人を目指しましょう。