新人キャバ嬢が苦労するのは、接客の時にどんな話をすればよいかわからないことです。
フリーの客についた際の会話が難しいという人もいますが、この場合にはまだお互いに何も知らないため、ある程度パターンの中での会話をしていくことになります。
そのため、いくつかのパターンを学べば対処可能です。
毎日ネタ集めをしよう
フリー客との会話は、ある程度のパターンの中で会話をすれば良いのですが、指名客との会話に苦労する新人キャバ嬢は多いようです。
フリー客との会話のようにパターンのはまった会話ではなく、その客に合わせた会話をしなければならないからです。
また、フリー客は良い印象や楽しいイメージを与えて指名をとればよいのに対し、指名客は飽きさせずに長くつなぎとめていく必要があり、これも難しいことです。
指名客と自由に言葉のキャッチボールを交わしていくにあたって、必要となるのは豊富なネタです。
こちらがどのような客に対してもそれなりのネタを提供することができれば、客は飽きることなく楽しむことができるからです。
実際、会話が上手い売れっ子キャバ嬢は会話のネタをたくさん持っています。
もちろん、そのために絶えずネタをストックしているもので、あるNO.1キャバ嬢は自分がキャバ嬢になった時から毎日ひとつネタをストックすることをノルマとし、休むことなく続けているそうです。
ネタといっても難しく考えず、どんなことでも良いでしょう。
昨日・今日・先週などの様々な時間軸で「こんな楽しいことがあったんだよ」とか、「今日はこんな失敗しちゃったよ」というものでいいのです。
短いネタでもいいので、ストックを増やしておきましょう。
お勧めの方法は、日記を付けることです。
特に何もない時でも日記を書くようにするのです。
最初は面倒くさいでしょうが、そのうち自然とその日あったことの中からネタになる出来事を抽出する思考回路が出来上がり、簡単になってきます。
そうして1日1個、ネタをストックしていってください。
このようにしていれば、仮に毎日来店する客から指名を受けるようになっても、毎日違う話をして楽しませられるようになります。
客に飽きられないためには毎回楽しい話題を提供することが大切なのです。
客のどこを褒める?
客は、キャバクラに癒しを求めています。
癒すための簡単で効果的な方法は、相手を褒めてあげることです。
そうすることによって、普段は会社や家庭で肩身が狭い思いをしている客も、承認欲求を満たされて癒されます。
また、子ども時代は色々褒められていた客も、エリート出ない限りは社会に出てから褒められることはめったにないものです。
そのため、客はとうの昔に褒められる快感を忘れており、褒められることになれていないため、褒められると嬉しくなります。
客を褒めて嬉しい気分にさせること、これはキャバ嬢の接客の基本です。
客は褒められるとテンションが上がり、楽しい時間を過ごすことができます。
気分が良くなって延長もしてくれるかもしれません。
売れっ子キャバ嬢は皆ほめ上手です。
初めての客を接客する際には、まずは客のいいところを最低三つ見つけてほめてみましょう。
このときに新人キャバ嬢が間違いやすいのは、容姿を褒めることです。
自分は良かれと思って褒めたとしても、相手はそこにコンプレックスを感じているかもしれないからです。
「背が高いですね」というのは一般的にほめ言葉ですが、平均身長くらいが良かったと考えている男性もいます。
もし容姿を褒めるときには、パーツを褒めるようにしてください。
「凛々しい目をしていますね」「唇がきれいですね」「指が綺麗ですね」などといった感じです。
このほかに褒めたいのは、性格や考え方です。
これを褒められて嫌だと感じる人はほとんどいません。
性格は優しい、明るいなどが褒める対象になります。
「○○さんって優しいですよね。一緒にいるとホッとします」といえば、悪い気はしないでしょう。
お酒が入ると持論を展開していく人は、大抵自分の考え方に誇りを持っているものなので、これも褒めると喜ばれます。
「すごい、○○さんって自分に厳しいんですね。私も見習いたいです」という感じです。
聞き上手になる
聞き上手になることも接客の基本です。
客が話している時に、途中で話をさえぎって発言するキャバ嬢がいますが、これは最悪です。
客はせっかくいい気分で話していたのに、さえぎられてはいい気はしません。
また、客が長々と話している時に「つまり○○ってこと?」などと結果を言い当ててしまうと、人によっては馬鹿にされたと感じてしまいます。
客は、普段話したくても誰も聞いてくれない話、胸の中でもやもやしていることなどと話すことによって、ストレスを発散しています。
途中で遮られてはフラストレーションがたまってしまいます。
つまらない話、前に何度も聞いた話、長い話、つまらない話、知っている話などをする客もいますが、それでも熱心に聞かなければなりません。
最後まで吐き出させることによって、客は癒されるのです。
特に新人キャバ嬢は人の話を聞くことになれていないことが多いです。
しかし、聞き上手になるのは基本であり、聞き上手でないキャバ嬢は絶対に人気が出ることはありません。
売れっ子は皆聞き上手です。
客は話を聞いてもらって癒されたいのだということを肝に銘じておきましょう。
ちなみに、この時に自分では聞き上手になっていたとしても、それなりの反応を示さなければ客は聞いているのかどうかわからなくなってしまうことがあります。
そのため、しっかりと客の目を見ながら、適度にあいづちを打ちながら聞くようにしましょう。
こうすることで、上の空で聞いていると思われることがないため、客は白けることなく話すことができます。
新人にとってはこれは難しいことかもしれません。
キャバクラではマルチタスクが基本であり、客のうなづきながらしっかり聞き役に回るだけではなく、それをしながら客のグラスが空けばお酒を作り、灰皿が汚れれば交換しなければならないからです。
客の話を聞くこととこれらの雑務のバランスが不適切になってしまうと、話をしっかり聞いてもらえてないと思われることがあります。
そうならないためには、お酒を作ったり灰皿を換えたりしながらも「へぇ、それでどうなったの?」とか「すごーい!」などとあいづちを打ちながら聞くことが大切です。
そうすれば、客は違和感を抱くことなく話続けることができます。
自分の意見を伝えるときにはどうする?
上記の通り聞き上手になることは基本ですが、あまりにも基本に忠実になりすぎた結果、終始聞いてばかりいたのでは客は楽しめません。
時にはキャバ嬢の意見を言うなどして、キャッチボールをする必要があるからです。
しかし、意見を言うと言ってもストレートに反論したのでは気分を害してしまいます。
そこで、営業の世界で使われるいくつかの手法が役立ちます。
それは、YES・BUT法と例話法というものです。
YES・BUT法
これは、営業職の人ならば誰でも知っている基本的な手法です。
まずは相手の話を聞き、YESで認めるところから始めます。
そして、それを踏まえたうえでBUT(しかし)と、相手の意見にやんわりと反論して行きます。
ますは相手のいう事を認めることによって、相手は自分が理解されていると感じて敵対心や反感を取り除き、共感を持ちます。
それが出来上がってからならば、反論しても「自分のことを理解してくれた上で言っている」という認識を持っているため、嫌な気分がしないのです。
もしYES・BUT法を使わずにいきなり反論してしまうと、いわゆる「頭ごなしに否定する」状態となってしまい、相手は反感を抱いて言い合いになりがちです。
しかし、客はキャバクラに言い合いをしに来ているわけではありません。
言い合いになれば客離れは必至ですから、意見を伝える場合にはYES・BUT法を使うようにしましょう。
【例文】
聞いてくれよ。
今日上司に~~~って怒られたんだけどさ、どう思う?
俺は一生懸命にやってるのに、そんな言い方されたらやる気なくなるよ。
本当?それは大変だったね。そんな言い方されたら私もヘコんじゃうと思う(YES)。
でもね(BUT)、ほかのお客さんからも聞くんだけど、そういう上司って多いみたい。
案外どこの会社でもそういう上司はいるものなのかなって思うよ。
納得いかない上司の話はある程度聞き流してさ、やる気無くさずに実力で見返してあげたらいいんじゃない?
例話法
意見を伝える際、あまりにもストレートに伝えすぎると、相手は「なんであなたにそんなこと言われなきゃいけないの?」と反感を買う可能性があります。
それを防ぐためには、影響力ある第三者の例を出して言うと説得力が出ますし、キャバ嬢本人が言っているわけではないためキャバ嬢と言い合いをする気を起こさせません。
これも意見を伝える際には有効な手段です。
【例文】
聞いてくれよ。
今日上司に~~~って怒られたんだけどさ、どう思う?
俺は一生懸命にやってるのに、そんな言い方されたらやる気なくなるよ。
そうなんだ。
それは頭にくるよね。
私もキャバやってるとお客さんから変な怒られ方することあるからわかるよ。
でもね、NO.1の○○さんから聞いたんだけど、そう言う時は聞き流すのが一番みたい。
理不尽な怒られ方なのに、考えたって仕方ないからね。
お酒飲んで忘れて、明日からまた頑張って実力で見返せばいいと思うよ!
ほら、もう一杯どう?
YES・BUT法と例話法をマスターして会話をすれば、違和感なく自分の意見を伝えることができ、客とのキャッチボールをスムーズに進めていくことができます。
最低限、この二つは基本の接客術として身に付けるようにしましょう。