フリー客をとりこにしてしまう、禁断の第一印象テクニック

キャバクラでは、フリーのお客さんに接客する機会も多いものです。

フリーのお客さんが指名客になってくれるかどうかは、短い接客時間でいかに好印象を与えるかにかかっています。

そのためにも、第一印象をどれだけよいものにするかが、重要です。

本稿では、売れるキャバ嬢はどのようにして、いい出会いを演出しているかをお教えします。

出会いの印象はとても大事

営業ならば新規の取引先に接近して商品を売り込むこと、キャバクラならば新しいお客さんから指名を受けること、このことはどれほど優秀な営業マンやキャバ嬢であっても、なかなか難しい問題です。

営業の場合を考えてみれば、相手先の担当者は、すでにある取引先との関係がよければよいほど、新規の(未知の)取引先との接触は避けたいと考えるものです。

接近してくれば無視もできないため、煩わしいコンタクトと思われることもあります。

これを打開するための有効な方法は、最初の出会いで「いい出会い」を演出することです。

そうすれば、相手はこちらに興味を持ってくれるため、とりあえず煩わしいと思われることは避けられます。

ただちに売り込みにつながるというわけではないのですが、今後に期待が持てます。

したがって、営業マンにとって最初のアプローチは、最重要の関門とも言えるでしょう。

最初にいい出会いを演出するということは、いわば出会いの成功法則なのですが、売れるキャバ嬢たちはこれを駆使しています。

キャバクラの商品といえばキャバ嬢そのものであり、お酒やおつまみや雰囲気といったものは、商品であるキャバ嬢を引き立てるものにすぎません。

キャバクラは、お客さんへの短い接客時間のうちに、商品を最高に演出して売っているともいえます。

キャバクラにハマっているお客さんの観点からすると、現在指名しているお気に入りのキャバ嬢というのは、最初に見出した時には何かビビッと来るものがあるものです。

この感触が強ければ強いほど、お客さんはそのキャバ嬢にのめりこんでいくことになります。

つまり、最初のアプローチの段階でビビッとくるものを感じさせられたならば、キャバ嬢はかなり大きな成功をおさめたということができます。

お客さんは、そのキャバ嬢に興味や関心を抱き、それと同時に好意も抱いています。

好意を抱いたならば、相手からも好意を持ってもらいたいと思うのが人情です。

だからこそ、また会いたいと思い、そのキャバクラに通うようになるのです。

キャバ嬢の演出テクニックによって、お客さんはそのキャバクラ店のリピーターになる動機づけを、ごく短時間のうちに行っているのです。

これは、心理学的に見ても、第一印象を効果的にする原理を利用しているといえます。

第一印象とは、誰もがルックスやスタイルや服装といった外見的なイメージを思い浮かべるものですが、それだけではありません。

実際、どれほど美人のキャバ嬢が席に着いたからと言って、お客さんはそれだけで満足するわけではないのです。

もしそうならば、キャバ嬢の人気ランキングは美人ランキングにもなるはずですが、美人キャバ嬢の人気が伸び悩むケースなどいくらでもあります。

あくまでも、コミュニケーションをうまくこなすことができなければ、人気者になることはできません。

では、お客さんに対して第一印象をよりよくする要素には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

 

外見的要素

まず、多くの人がイメージする通り、外見的要素が挙げられます。

見た瞬間に目に飛び込んでくるものであり、これは非常に大切です。

その人の顔立ち、髪型、体型、服装といった容姿全般のことであり、人は自分で思っている以上に、これらの要素に感情を動かされるのです。

これは誰でも経験があることでしょう。

キャバ嬢の皆さんも、ホリが深い顔の男性は嫌だ、太っている男性は嫌だ、スーツ姿の男性が好きだ、筋肉質の男性が好きだなど、容姿に関する好みを持っているものです。

人というのは、自分のことは棚に上げて、他人の品定め(欠点探し?)をするのが得意なものなのです。

このことを証明する、フランスのある社会実験があります。

容姿が人の行動にどのような影響を与えるのかという実験です。

実験は、以下の手順で行われます。

  1. 人どおりの多い場所で、歩いている人がいきなり苦しそうに倒れる
  2. 周囲の人はその人を助けるかどうかを観察する
  3. 倒れる人は同一人物であり、初めにホームレス風の服装で倒れ、次にビジネスマン風の服装で倒れる

まず、ホームレス風の身なりをした男性がせき込みながら倒れます。

しかし、誰も助ける様子はありません。

男性はつらそうに「助けて」とつぶやくのですが、いつまでたっても周囲の人は素通りするばかりでした。

次に、ビジネスマン風の身なりをした男性がせき込みながら倒れます。

すると、倒れるのとほぼ同時に周囲の人が駆け寄ってきて、その人を助けようとしました。

実験の結果、ホームレスに扮していた時は10回中2回だけしか助けてもらえず、ビジネスマンに扮していた時は10回中10回助けてもらえたのです。

このように、人は服装で相手の価値を判断し、助けたり助けなかったりするのです。

このことからも、外見的な要素がいかに大切であるかがよくわかります。

 

 

性格的要素

次に、性格的要素も第一印象を構成する大切な要素です。

態度や言語表現から、人は相手が性格的に好ましいかどうかを見ているのです。

とても美人のキャバ嬢であり、しかもお客さんにとって非常に好みの容姿であったとしても、そのキャバ嬢の身のこなしや言葉や表情が、お客さんにとって好ましいと感じられるものでなければ、隣に座っていくら接客をしても、お客さんはどこか楽しめないと感じてしまいます。

このように、性格的な好ましさという要素は非常に重要なものです。

キャバ嬢である限り、外見的要素にはそれなりに気を使うのが普通です。

したがって、ルックスやスタイルが飛びぬけていない限り、そこで差をつけるのは難しいというケースも多いでしょう。

しかし、外見的要素においては他のキャバ嬢とそれほど変わらなかったり、それほどお客さんの好みではなかったとしても、性格的に好ましいと思われれば、第一印象は劇的に良いものとなります。

では、会話で(言葉で)性格的に好ましいと感じさせるためには、どのようにするのが効果的なのでしょうか。

以下の会話を見ていきましょう(フリーで入ってきたお客さんに初めて接客するときの例)。

今日は寒かったでしょ?風邪とか大丈夫?

別に大丈夫だよ。ずっと会社の中で仕事してたし。

いいなあ。ずっと会社の中にいたの。若いのに、もしかしてお偉いさん?

違うよ、平社員。

会社ではパソコンとか使ってるの?なんだか難しそう。

一見すると平凡な会話ですが、この中に売れるキャバ嬢なりの法則があります。

まず、何気ない形で、イエスかノーでは答えられない質問をたくさんしているということです。

次に、お客さんの答えに対し、すべてよいイメージで受け止めて会話しているということです。

この繰り返しが、よい印象を生みます。

キャバクラに来るお客さんの中には、無口なお客さんもいます。

キャバ嬢が質問しても黙っているのです。

そんなお客さんは非常にまれなもので、たいていのお客さんはキャバ嬢の質問に答えてくれるものです。

そのため、お客さんのほうからたくさんしゃべってくれる場合はともかく、上記のような形で会話をリードしてあげれば、お客さんの興味ある話に行きつく可能性が高くなります。

質問に答えるにしても、ある程度掘り下げたもの、つまり言葉の量が多くなるものにすることで、共通の話題として好ましいものとなる確率を上げていくのです。

人は、無意識のうちに、自分の気になっていることや、人に聞いてもらいたいこと、自分の興味のあることについては、ついつい饒舌になるものです。

フリーの接客時間は短いのですから、その話題にいかに早く行き着いてたくさんキャッチボールをするかが重要です。

そうすれば、お客さんは自分が関心を持っている事柄について、緊張することなく、心地よい状態で会話することができます。

そして、心地よい状態で会話をすると、お客さんは安心して会話を楽しむことができます。

はじめはいろいろな質問をしてお客さんの緊張を解き、お客さんが饒舌になればあとは聞き上手に徹するばかりです。

お客さんは、なにも自発的に心地よい状態になったのではありません。

キャバ嬢の会話のテクニックによって、心地よい状態にさせられているのです。

心地よい状態に誘ってくれた相手を悪く思うことはないものですから、お客さんに対して性格的好ましさを演出することになるのです。

初対面での会話に悩んでいるキャバ嬢は、性格的好ましさを演出することを考えて、質問を工夫することはとても効果のあることだといえます。

 

 

社会的位置づけ

第一印象を良くするための最後の要素は、社会的な位置づけ(あるいは社会的評価)です。

人間というのは、初対面の相手に対して何の知識や情報を持たなかったとしても、先入観を持つことが多いものです。

外見的要素から「チャラいのかな」とイメージしてみたり、言葉のアクセントから「九州の人かな」と思ったりするというのはよくあることです。

それに加えて、社会的な位置づけも第一印象にかかわります。

例えば、

私、昼は学生をしているの。○○大学の○○学部だよ。

私、昼は○○銀行に勤めているの。

といったことですが、このように言われるだけで、その人のイメージがにわかに変化する、または特定の方向に方向付けされることが多いのです。

ここで一つ、具体例を見てみましょう。

一昔前は、結婚相手を探すときは「お見合い」がごく普通に行われていました。

お見合いには仲人がいるのがつきものです。

最初は、お互いにお見合い写真を見たり、経歴などを読んだりして相手をイメージするのですが、その時に紹介する仲人の口がうまいかどうかによって、相手のイメージは大きく変わることがあります。

お見合い写真を見ただけでは、「まじめそうな顔だな。経歴は銀行マンか。気難しい人なのかな」と思っていたとしても、仲人が「学生時代は○○大学のラグビー部の主将で・・・」などと口添えすると、たちまち「へー、ラガーマンなの。案外情熱的な人なのかも」と変わることがあります。

真面目で気難しい人から、情熱的で魅力的な人へとイメージが変わっているのです。

初対面の相手が外見的要素からイメージする事柄でさえも、あらかじめ先入観を植え付けておけば、相手にかなり違う受け止め方をされることもあります。

パソコンの出会い系サイトでも、出会った相手とすぐに会うのではなく、たくさんコミュニケーションをしてから会えばうまくいきやすいことなどがよい例です。

売れるキャバ嬢は、お客さんに聞かれたときに備え、自分の経歴を創作していることが少なくありません。

そして、創作が見抜かれないように、創作した経歴のストーリーの主人公に自分を同化させます。

これによって、キャバ嬢の創作上のものではありますが、社会的位置づけによって第一印象を良いものにすることができるのです。

創作したストーリーは、徹底的に自分のものとしなければなりません。

お客さんごとにストーリーが違っていれば、いつかどこかでつじつまが合わなくなります。

そうならないためには、小説を書くような気分で経歴を創作し、お店のスタッフや同僚のキャバ嬢に対しても、その経歴の人物としてふるまうことが大切です。

そうすれば、お客さんに疑われる可能性は、極めて低くなります。

これによって、自分のイメージを高く売ることができるのです。

まとめ

お客さんとよい人間関係を築くために、出会いの瞬間はとても重要なものです。

その出会いを利用して、将来にわたる有益な人間関係に発展させるためには、その時のアプローチ次第なのです。

第一印象を良くするも、悪くするも、キャバ嬢次第です。

外見的要素、性格的要素、社会的位置づけ、この三つの要素を知り、アプローチに役立てるようにしましょう。

 

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