お客さんの言葉に隠れた一般化された考えを見抜く
2019.01.08
キャバ嬢の仕事としてお客さんと会話をしていくとき、お客さんからうまく会話を引き出す、お客さんの話を深く理解してする、お客さんの話を盛り上げていくなどが必要となります。
どうすればそれができるかということで悩みを抱くキャバ嬢は多いものですが、その時には人が会話をするときに出やすいクセを利用していくというテクニックがあります。
人の会話の際のクセにはいくつかのものがありますが、その中の一つに、お客さんの会話のなかで一般化されているものを探すというテクニックがあります。
一般化されているものを探す
例えば、キャバクラの会話では以下のような一般化が良く見られます。
例1:「○○ちゃんには一度断られているからもう誘えない」
例2:「部下が話を聞かない。部下はもっと話を聞くべきだ」
例3:「キャバ嬢たちはみんな、客を金づるとしか思っていない」
例1では限定するという一般化が行われており、例2では制限するという一般化が行われており、例3では可能性を無視して多くの対象を一つの解釈でひっくるめて考えるという一般化をしています。
このようにして現れたクセを質問していくと、お客さんが無意識のうちに行っている限定や制限や無視が明らかになり、話が広がっていきます。
あなたも、普段の自分の思考や会話を振り返ってみましょう。
色々な体験をするうちに、無意識のうちに限定や制限や無視をするようになっていることが分かると思います。
このような無意識のうちの一般化はある意味で信念となっているため、お客さんの一般化に対して質問を投げかけると、会話に拡がりと深みが出てきます。
では、上記の例文のような一般化に対してどのような質問が可能であるかを見てみましょう。
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例1の場合
お客さんが会話の中で「~できない」「~できる」「~しない」「~する」といった発言をした場合には、「何で~できないの?」「何で~しないの?」といった質問をしてみます。
例1の場合ならば、以下のように進めていきます。
○○ちゃんには一度デートに断られているからね。もう誘えないよ。
この後の返答として、二つのパターンが考えられます。
A:それは、また断られて傷つきたくないと思っているし、そうなったら悪い印象を与えるからそれも嫌だって思ってるんだ。
Aの返答は、お客さんが判断したことを返答としています。
傷つきたくない、悪い印象を与えたくないという感情が優先されており、お客さんが何を重視しているのかを知ることができます。
つまり、お客さんは自分を守りたい思いが強いため、自分を守りながら相手の女性との関係をどうしたいかということが会話の方向になってきます。
例えば、
そう言うくらいだから、やっぱり相手をもう一度誘ってみたい気持ちはあるんだよね?傷つきたくない以外になにか理由はないの?
そのことについて考えてみたんだけど、自分が傷つきたくないだけじゃなくて、○○ちゃんを傷つけたくない気持ちもあるんだよね。
僕は結婚してるからさ、どうせ一時はうまくいっても、後々うまくいかなくなると思うんだ。
というように、お客さんの心の深い部分に触れることができます。
もしその質問によってお客さんの悩みがすっきりすれば、感謝さえされることでしょう。
次にBの返答ですが、この場合には例2と同じ「制限」に当たりますから、以下を参照してください。
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例2の場合
お客さんの会話の中で「~すべきではない」「~すべきだ」「~しなくてはならない」といった制限がみられた場合には、「もし~しないと(~したら)どうなるの?」と質問してみましょう。
例1のBならば、
であり、例2の場合ならば、
もし、部下がもっと話を聞くようになるとどうなるの?
と展開していきます。
キャバクラはお客さんが自由に愚痴を言える場所でもあるため、例2のような会話は日常茶飯事です。
「部下はもっと仕事を頑張るべきだ」「上司はもっと部下の意見も聞くべきだ」「会社はもっと福利厚生を充実させるべきだ」などなど。
このような発言が見られた際にこの質問をしてみると、良い展開を生むことがあります。
例えば、例2の場合にはこのような展開です。
部下が話を聞かない。
部下はもっと話を聞くべきだ。
もし、部下がもっと話を聞くようになるとどうなるの?
そりゃ、仕事がうまくいくようになる。
その部下はね、苦労人なんだよ。
母子家庭で育って、母親にラクをさせたいからって頑張ってるんだ。
でもなかなか結果が出ないんだな。
母親への気持ちもあるし、早く一人前になれるように厳しく指導していたんだ。
そしたらそいつ、反発するようになって俺の話を全然聞かなくなったんだ。
年齢的にも俺の息子と同じくらいだし、父親くらいの気持ちでしつけてたんだけどな・・・
つまり、このお客さんは部下が話を聞かないことに腹を立てて愚痴を言いたかったのではなく、自分の気持ちを分かってもらえず反発されていることを悲しんでいたのです。
このように、愚痴の背景には悲しい気持ちが潜んでいることは多いものですから、このタイプの愚痴がこぼされたときにはこの質問をしてみましょう。
お客さんのより深い気持ちを知ることができるかもしれません。
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例3の場合
お客さんの会話のなかで「いつも」「みんな」「絶対に」「ぜんぶ」などといった言葉が出てきた場合には、「いつもって本当にいつも?」「本当に皆がみんなそうなの?」といった質問をしてみます。
例3ならば、
キャバ嬢たちはみんな、客を金づるとしか思っていない。
今まで出会ったキャバ嬢がみんなそうだったの?例外が何人かいませんか?
と質問してみるのです。
例3のタイプは可能性の無視という一般化ですから、無視された可能性を探っていくのです。
すると、多くの例のなかの印象の強かった一部の例によって一般化が多いことに気づくと思います。
例えば、「女は皆わがままだ」という人がいますが、その人が人生の中で出会ってきた女性の全てがわがままだったということはあり得ません。
母親がわがままであったり、彼女の数人がわがままであったりといった経験から、一般化が行われているのです。
つまり、身近にわがままな女性が多かったからこそ一般化が行われているという事です。
この場合、お客さんはそうに違いないと思い込んでいることが多いため、やんわりと質問するのが好ましいです。
お客さんによっては、質問の前に「ちょっとうかがってもいいですか?」とつけた方が良いでしょう。
例3のようなフレーズも、キャバクラでは比較的よく聞かれるものです。
大抵のキャバ嬢は「そんなこと言うなら、キャバクラに来なければいいのに。嫌な人だな」とスルーしていることでしょう。
しかし、お客さんの中にはスルーされたくないと考える人もいますから、そのような時には質問してみましょう。
あるキャバクラでは、この会話に質問するとよくある答えが返ってきました。
キャバ嬢たちはみんな、客を金づるとしか思っていない。
今まで出会ったキャバ嬢がみんなそうだったんですか?
もちろん、一人の例外もなくっていう話ではないよ。
最近まであるキャバ嬢と付き合ってたんだ。
俺は真剣だったのに、簡単に別れてしまった。
付き合ってからも店に来てくれってよく言われて、付き合ってるんだから店で会わなくてもいいだろうって言ったら、それなら別れるって。
やっぱり、俺は金づるでしかなかったんだ。
このお客さんは、そのような騙された体験からキャバ嬢の一般化を行ってしまったようです。
再び騙されないように、自分に言い聞かせるように言っていたのかもしれません。
例1~例3の言葉以外にも、一般化は多いものです。
偏見や差別はいけないと言いますが、人は偏見と差別に満ちた生き物なのです。
そこに注目して話を聞いていくと、お客さんへ質問する機会が見えてくることでしょう。
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