最近、キャバクラに変化が起きています。
どのような変化かと言えば、まず挙げられるのは見た目の変化です。
以前は「小悪魔Ageha」に登場するようなアゲ嬢系のキャバ嬢が減り、黒髪の清楚系やショートヘアのキャバ嬢が増えたという事です。
もちろん、今でもアゲ嬢系のキャバ嬢はいますが、以前に比べれば割合は確実に減少しています。
そして、若い綺麗なキャバ嬢ばかりを集めたキャバクラの人気が落ちているというのも変化として挙げられるでしょう。
外見がそれほど重視されなくなってきている
これは、キャバクラに対するニーズが一時期は外見偏重になりつつあったものが、次第に原点に回帰してきたことの表れでしょう。
原点というのは、キャバクラは単にきれいな女性を愛でる場所ではなく、それ以上に女性から気遣ってもらいたい、女性に優しくしてもらいたいというニーズです。
このニーズは昔も今も変わらないものです。
また、心に寂しさを感じることが多くなっている昨今、若くてきれいな女の子と話がしたいとだけ考える人よりも、気遣いができるキャバ嬢に悩みを話したり、優しくしてもらったり、愚痴を聞いてもらったりしたいと考えるお客さんは増えているのです。
キャバクラの主要顧客はサラリーマンですが、今の時代サラリーマンの感じる世知辛さは大きくなっているでしょう。
精神的に苦しさを感じていたり、肉体的に辛さを感じたりしていても、会社では心配の言葉すら誰一人としてかけてくれないということは多いことでしょう。
また、家庭を持っているお客さんも多いものですが、そのようなお客さんの中には家庭でも気遣って貰えず、ひどい場合になると邪険に扱われているという事さえあるのです。
しかし、プロのキャバ嬢はそのようなお客さんの心身の状態をうまく汲み取ってお客さんを気遣い、優しい声をかけることができます。
これこそがキャバ嬢の基本であり、若いことや綺麗であることは付加価値に過ぎません。
もちろん、ルックスやスタイルにおいて一定の基準を満たす必要はあります。
しかし、それは二の次の条件であり、多くのお客さんにとってはアゲ嬢系でも清楚系でも気遣いができて癒してくれるキャバ嬢ならばあまり問題ないことなのです。
若さがあまり重要ではない一つの証拠として、2009年に開店したあるキャバクラではアラフォーの女性を集めたキャバクラでしたが、20代の若いキャバ嬢にはない気遣いや礼儀を身に着けていることから繁盛しています。
その昔、キャバクラが流行り始めたころ、従来からあったスナックのママたちはキャバクラの料金設定を見ると「こんな高いお店が流行るはずがない」と言っていました。
スナックとキャバクラの大きな違いは女の子の数です。
スナックでは数人のお客さんに対して一人の女の子がつくのですが、キャバクラは一人のお客さんに一人のキャバ嬢がつきます。
それだけにスナックの料金は割安となり、キャバクラは高くなります。
それでも、お客さんがそれを求めていたためにスナックのお客さんたちはキャバクラに流れました。
もちろん、キャバクラの店舗数が少ない田舎の飲み屋街では今もスナックが繁盛していますし、スナックの方が気楽でいいからとスナックを好むお客さんもいるため、今でも繁盛しているスナックはあります。
しかし、上述の通り今の時代は心に渇きを覚える男性が多くなってきており、ニーズに応えるにはスナックは不十分であるため、多くのスナックはすたれています。
サービスの質が変わっている
サービスの質も変わっているでしょう。いや、変えざるを得ない状況になっているというべきかもしれません。
昨今の不景気で、キャバクラの経営者の多くが「お客さんが来ない」と嘆いています。
しかし、これは一種の現実逃避です。
お客さんが来ないことを不況のせいにしてしまえば解決策を考えることもできないからです。
現実を見てみましょう。
不景気だからと言って、お客さんは飲みに来るお金さえないのでしょうか?
いえ、そこまで貧窮していないお客さんがほとんどです。
実際に、不景気とはいっても夜の街はにぎわっています。
失業者が続出して国民の多くが明日のご飯にも困るほどの大恐慌ならば夜の街はゴーストタウンと化してしまうことでしょうが、そこまで酷い不景気ではないのです。
その気になって対処すればお店をお客さんで埋めることはできますし、実際に不景気な時代にもお店を満席にしているキャバクラはあります。
なぜ不景気になるとお客さんがきにくくなるかと言えば、それはお金の価値が相対的に重くなり、支払う価値も重く見られるようになるからです。
キャバクラでは決して安くなはないお金を支払いますが、果たしてそれだけの価値があるかどうかを厳しく見るようになるのです。
しかし、お客さんの眼が厳しくなったとしても、それを満足させられるように仕事のレベルを上げればいいだけです。
そうすれば、お客さんは離れていきません。
好景気の時代も不景気の時代も、キャバ嬢の本質は変わりません。
気遣いこそが本質です。
その本質は変わらない状態において、求められるサービスの質が変わってきており、それを満たすための方法も変わってきているのです。
なぜメールで人気が出るのか
上記のように、お客さんがお店に求めるサービスの質には変化が出てきているのですが、その中でメールの重要性が増してきています。
実際に、売れているキャバ嬢と売れていないキャバ嬢の一番の差はメールの頻度なのです。
もっとも重要なのは“頻度”であり、メールの内容はそれに付随するものです。
メールが下手で内容が薄くなってしまうキャバ嬢でも、やりとりの回数が十分であれば満足するお客さんは多いのです。
これは、内容が重要ではないという事ではありません。
メールの内容は良いに越したことはないのですが、実際に売れているキャバ嬢を見てみると、優しいメールを送っているキャバ嬢も、一見そっけないメールを送っているキャバ嬢も、どちらも人気があるのです。
キャバ嬢の仕事の本質である“気遣い”ができていれば、内容は二次的な要素になるという事です。
なぜならば、気遣いがなければ頻繁にメールをするはずはなく、お客さんはメールが来ることを気遣いと感じるからです。
メールをするためには自分の時間を割いてメールを送らなければならないわけですし、お客さんからのメールに返信があるのは気にかけていることの表れです。
だからこそ、メールの頻度が最重要なのです。
そのうえで興味深いメール、癒されるメール、面白いメールなどを送ることができれば、人気が出るのは間違いなしでしょう。
昔の水商売では、お客さんに連絡先を教えることはありえないことで、お客さんは用事があればお店に電話をかけたものです。
しかし、携帯電話が普及したことによって、キャバクラではお客さんとキャバ嬢が連絡先を教え合うことが当たり前になりました。
連絡先を交換することが当たり前という風潮がある以上、お客さんはお店の外でもキャバ嬢とコミュニケーションを取りたいと考えるようになります。
昔と今ではこのような変化が起きているのですから、この変化を理解して合わせていく必要があります。
メールをしないキャバ嬢の多くは「メールをしてもお金にならないから」と考えていることでしょうが、そのような働き方ではいずれお客さんは離れていき、成績は下がり、安い時給で働くことになります。
今の時代、営業メールという考え方さえ古くなっています。
メールを使って直接的な営業をかけたところで、お客さんは来てくれないことの方が圧倒的に多いのです。
何度も営業メールをもらっていたら、そのうち嫌になって離れていくことでしょう。
キャバ嬢が送るべきメールは、気遣いが伝わるメールです。
また、お客さんがドキドキするようなメールであったり、興味があることを伝えるメールです。
お客さんが繋がりを実感できるメールが重要なのです。
これを理解し実践できるキャバ嬢は、メールを頻繁にするようになります。
そして、指名や同伴を増やして成績を伸ばし、時給は上がり、結果的にお金に変わっていきます。
もちろん、不況の時代には給料が下がるお客さんもいますし、先行きが不安であるため貯蓄に回したいと思うお客さんもおり、そのようなお客さんは来店回数が減ります。
一人当たりの来店回数が減りながらもお店の売上が変わらないようにするためには、お客さんの数を増やすほかありません。
キャバ嬢という小さな単位で見ても、お客さんの来店回数が減っても成績が下がらないようにするためには、お客さんの数を増やす必要があります。
また、来店回数が減るということは、それまでに比べてお客さんの記憶が薄れやすくなっているという事でもありますから、お客さんとの繋がりを維持していくためにはメールのやり取りを行うのがベストです。
来店回数が減ったとしても、毎日メールのやり取りをしていればお客さんとの絆は消えないものです。
お客さんはタイミングを見て来店してくれることでしょう。
また、不況であるかどうかに関わらず、人気キャバ嬢となって指名が重なれば、お客さん一人当たりの接客時間は短くなります。
そんなとき、お客さんはそのキャバ嬢のことを遠い存在と感じてしまい、離れて行ってしまうことがあります。
それを防ぐにあたっても、メールでフォローしておくことが有効です。
このように、お客さんとの関係を保つ上でメールほど有効なツールはないのです。
あからさまな営業の効果がなくなっている
以前は、あからさまな営業でもそれなりに効果がある時代がありました。
携帯電話が普及していない頃はキャバ嬢が営業する時は会社に電話をかけて営業していましたし、携帯が少しずつ普及してきたころは携帯に電話をかけて営業をしていたものです。
しかし、今ではキャバ嬢と携帯メールでやりとりするのは当たり前のことになっており、キャバ嬢がどのような行動をとるのかということはお客さんもよく知るようになってきているため、あからさまな営業をされたとしても成果は上がらないものです。
もしお客さんが来なくなっているならば、その原因は世の中の不景気その他のことが理由なのではなく、多くはキャバ嬢側にあるものです。
いい接客やメールができるようになれば、例え原因の一部が世の中にあったとしても、お客さんは戻ってくるものです。
お客さんが来なくなれば暇な時間が増えるでしょう。
そのようなときに「お客さんがこないなー」と言うだけで何もしないのではなく、何ができるかを考えてみましょう。
どうすればよいかわからないのであればお店に相談すればよいでしょう。
良いお店ならば相談に乗ってくれると思います。
ここでお客さんに戻ってきてほしいと思うばかりに目先の利益を追求し、あからさまな営業を行なえばお客さんに見透かされてしまいます。
お客さんがなぜ来てくれなくなったのかをよく考え、提供すべきサービスを深く考えたり、サービスの質を上げることができるキャバ嬢は、世の中がいくら不景気であってもお客さんに来店してもらえます。
いつの時代も、稼いでいるキャバ嬢は確かに稼いでいるのです。
それは、お客さんがこない理由を外に求めず、地道な努力を続けることができたからです。
今の世の中には、あらゆる物とサービスが溢れています。
情報化社会ですから、お客さんがそれらの物やサービスを知ることも簡単です。
キャバクラ嬢の数は増え、競争も激しいです。
そのような中で勝ち残っていくためには、今既にあるニーズを掘り下げていくしかありません。
当たり前のことのように聞こえるでしょうが、当たり前のことがきちんとできることが大切です。
メールによってお店の外でも気遣いをできるということは、ニーズの掘り下げにほかなりません。
ニーズの掘り下げと挨拶
すでにある、当たり前のことでニーズを掘り下げるという意味において、「挨拶」もとても重要なことです。
挨拶などは当たり前すぎることと思うかも知れませんが、その意味を追求すれば新たな価値を生み出すことができます。
お客さんがお店に来て最初にされたいことは何でしょうか。
それは言うまでもなく歓迎されたいという事です。
歓迎の反対は無関心や無視であり、お客さんはこれを最も嫌います。
したがって、お客さんより先に明るく挨拶することが接客の第一歩です。
キャバクラの外でも、挨拶の仕方は歓迎されているかどうかの尺度になります。
例えば、久しぶりに会った友人が「久しぶり!」と笑顔で挨拶してくれれば、歓迎していると感じて気分が良いでしょう。
しかし、無表情で軽く会釈するだけであれば、自分に興味がないと感じていい気分はしないでしょう。
友人関係でさえこのように感じてしまうのですから、キャバ嬢とお客さんの関係ではなおさらです。
このような挨拶の重要性を認識しているあるキャバクラでは、週1回の出勤のキャバ嬢を含めて、全員が1日1回は全てのテーブルを回って挨拶するようにしています。
そうすることによって、お客さんは指名したキャバ嬢だけではなく、お店の女の子全てから歓迎されていることを実感することができ、とても気分が良くなるのです。
このような取り組みをするお店はほとんどないため、あなたのお店では全ての席を回る機会はかもしれません。
しかし、このような哲学を取り入れる、つまりお客さんに少しでも気持ちよくなってもらうための気遣いを怠らないようにすることによって、必ずあなたの人気にプラスになることでしょう。
ファンを作る
ニーズの掘り下げによって、サービスの質を高めることができます。
そうすれば、たくさんのお客さんがあなたのファンになることでしょう。
また、お客さんはキャバ嬢のファンになるだけではなく、お店のファンにもなります。
ファンができるお店とはどのようなお店かを考えると、ファンができるキャバ嬢のこともよくわかるようになります。
あるキャバクラは、たくさんのファンを得て10年以上の常連のお客さんもいるほどです(だからこそ10年以上も営業を続けられるのです)。
10年以上も通い続けているということは、当然ながらお気に入りのキャバ嬢は通ううちにやめてしまいます。
それでも、安心して飲めるお店であるからこそお店に通い続けるのです。
長期間にわたって落ち着いて通ってくれるようなお客さんは良客であり、そのようなお客さんがたくさん支持してくれるお店はキャバ嬢にとっても働きやすいものです。
だからこそ、キャバ嬢は第一に自分のファンを増やすために活動するのはもちろんのことですが、それと同時にお店のファンが増えることを考慮に入れながら働くに越したことはありません。
また、なぜお店が多くのファンを獲得するかと言えば、それはひとえにキャバ嬢の教育がしっかりと行き届いているお店のことです。
どの女の子が接客してもきちんとした気遣いができるお店でなければ、お客さんはふとしたときに不快になるかもしません。
なぜならば、お店に遊びに来たお客さんは指名したキャバ嬢よりもヘルプのキャバ嬢と長くいることが多いからです(特に人気キャバ嬢を指名した時がそうです)。
女の子全員がきちんとした気遣いを身に着けていなければ、いくら人気のキャバ嬢が気遣いをしても、ヘルプのキャバ嬢が気遣うことができずにお客さんを不快にさせてしまうことがあるのです。
また、ヘルプの女の子とも楽しく会話することができなければ、お客さんは損をした気持ちになってしまいます。
ヘルプにつくキャバ嬢にそんな子がいれば、接待に使おうとは思わないものですが、接待に使えないキャバクラは不安なお店、安心して飲むことができないお店、根強いファンがつかないお店の証拠なのです。
人気のあるキャバ嬢は、お客さんとのコミュニケーションはもちろん、ほかの女の子とのコミュニケーションや気遣いもとても大切にしているものです。
そうすれば、チームワークができ、自分の指名客から離れて他の子にヘルプについてもらう時も、安心して任せることができます。
一人で働いているのではなく、皆で働いているという意識が芽生え、仕事も楽しくなることでしょう。
例えば、新人のキャバ嬢が入ってきたときにあなたがその子のことを気にかけ、困っていることがあれば教えてあげたり、フォローしてあげるようにしていればチームワークが生まれます。
その子があなたの指名客のヘルプについたとき、その子はあなたを立てるために頑張ってくれることでしょう。
それを見たお客さんは、「新人の子から尊敬されているんだな」「俺の眼に狂いはなかった」といい気分になるものなのです。
お店の女の子への気遣いも忘れなければ、自分のお客さんを安心して任せられるものですから、指名客がたくさん重なったところで心配することはありません。
生き残るお店とは
お客さんへの気遣いを忘れず、喜ばせようという態度が常にあり、そのことを考えて他のキャバ嬢とのチームワークも大切にする。
これができる「性格のいい子」がたくさんいるお店は繁盛し続けることができます。
性格のいい子が多いお店ではキャバ嬢同士のチームワークが崩れることもないため、お店が淘汰されることはありません。
また、性格のいい子はお客さんとも付き合いがよく、こつこつ一生懸命に仕事をこなすことができます。
だからこそ、お客さんは安心して飲むことができ、接待がある時にはそのお店を使ってあなたを指名してくれることでしょう。
キャバクラは女の世界であり、ナンバーワンになりたいと思う女の子がひしめき合い、互いを蹴落とそうと考えているドロドロした世界だと思っているならば間違いです。
キャバ嬢は個人プレーではなく、もし個人プレーをしようとすれば他の女の子たちから嫌われ、一時的に南和―ワンになったとしてもまもなく引きずりおろされるになるでしょう。
お客さんとほかのキャバ嬢への気遣いが同時にできる女の子こそが本当のプロであり、長く売れ続けることができるのです。