キャバ嬢は「嘘をつく」のではなく「夢を見せる」もの

キャバ嬢は、色々なお客さんに接客し、色々な会話をすることで、色々な嘘を言わなければならないことがあります。

このことに後ろめたさや面倒くささを感じるキャバ嬢も多いようです。

そのようなキャバ嬢は、「嘘をついているのではなく、夢を見せているのだ」と考え方を切り替えてみましょう。

本稿では、嘘をつくことと夢を見せることの違いを解説していきます。

キャバ嬢は夢を見せる商売

道徳的に考えると、嘘をつくことはいけないとされています。

「嘘をついてはいけません」とは教えますが、「嘘をつきなさい」と教える教育者はいません。

しかし実際には、嘘というものがなく、何でもかんでも本当のことばかりしゃべっていたら、人間社会は成り立たないでしょう。

正直に振舞うことで円滑にいくこともあれば、時に嘘をついた方が円滑にいくこともありますから、嘘も方便と考えなければなりません。

なぜこんな当たり前のことを言うのかと言えば、キャバ嬢は嘘をつかなければならないシーンが多いにもかかわらず、嘘をつくことを後ろめたく考える女性もいるからです。

しかし、だからといって、お客さんに本音を話していたならば、キャバ嬢は務まらないでしょう。

キャバ嬢の本音は、お客さんがウザい、キモい、口説かれて困るなどと感じることもあるものですが、実際にはウザいお客さんに接するにもニコニコして接しますし、キモいと思っていても格好いいと褒めて喜ばせることがありますし、口説かれて困っていても嬉しそうに振舞ったり、場合によってはその口説きをうまくはぐらかして、指名に導いたりするのです。

キャバ嬢は、このように本心とは異なる振舞いを見せる仕事です。

しかし、そこで「嘘をついている」という考え方をすると、後ろめたく思えたり、バレてしまったらどうしようと不安になったりするのです。

そこで、そういうネガティブな感情を抱いている人は、考え方をちょっとだけ変えてみましょう。

キャバ嬢は「嘘をついている」のではなく、「夢を見せている」と考えるのです。

クリスマスになると、小さな子供はサンタクロースが来てプレゼントをもらえると信じています。

 

 

そこで、「サンタクロースなんかいない」と教える大人は少なく、どちらかというとそっと枕元にプレゼントを置き、サンタクロースが来たかのような演出をする大人が多いでしょう。

これは、子供に嘘をついているのではなく、子供に夢を見せているのです。

キャバクラでもこれと同じです。

キャバクラという空間は特殊な空間であり、キャバ嬢は特殊な存在です。

キャバクラでお金を払えば、普段は女性から見向きもされない男性でも、きれいな女性から特別扱いされ、楽しく会話することができ、モテている実感も得ることができ、疑似恋愛を楽しむこともできるのです。

つまり、キャバクラでお金を払うことによって、お客さんは夢を見ているのです。

夢を見ることにお金を払っているのです。

夢にお金を払うということは、キャバクラ以外でも色々なところで見ることができます。

ホストクラブや風俗店などの水商売は紛れもなくそうです。

アイドルもそうです。

いくらアイドルを応援しても、ファンとアイドルの距離は縮まることがありませんが、ファンは「自分じゃなきゃ○○ちゃんを幸せにできない」などと考え、結婚まで夢見ることもあります。

化粧品やダイエット商品もそうだと言われます。

綺麗になった姿や痩せた姿を夢見る人に対し、この化粧品を使えば若返ることができる、このマシンを使ったら痩せることができるなどとして、商品を売っています。

宗教も同じです。

願いが叶う保証はどこにもありませんが、幸福になれる、金運があがる、恋人ができるなどの夢にお金を払っています。

ホストや風俗嬢、アイドル、化粧品メーカー、宗教家などは、果たして嘘を言っているのでしょうか。

嘘をついていると言えるケースもあるでしょうが、真剣にその商売をやっているならば、「夢を見せている」と胸を言えるでしょう。

キャバ嬢も、お客さんに嘘をついているのではなく、夢を見せているのだと意識を変える必要があります。

 

 

「嘘をつく」と「夢を見せる」の境界

嘘をつくということも、夢を見せるということも、真実とは異なることを言っているという点では同じです。

では、両者の境界はどちらにあるのでしょうか。

それは、「相手を思いやる気持ちがあるかどうか」ということです。

例えば、お客さんから「彼氏いるの?」と聞かれたとき、キャバ嬢ならば、「いませんよ♡」と答えるでしょう。

この時、「いるに決まってるじゃん。口説きうざいわぁ」などと思っていたならば、それは嘘をついたことになります。

しかし、「いるけど、お客さんの夢を壊さないようにしなきゃ」と、思いやりの気持ちを持っているならば、それは夢を見せていることになります。

このことには、大きな違いがあります。

お客さんに対して「ウザい」などのネガティブな感情をもって嘘をつくキャバ嬢は、接客態度にも色々な嘘が出てきます。

「彼氏がいない」という嘘だけではなく、お客さんが来店した時に「会えてうれしい」「いつも来てくれてありがとう」などと歓迎する言葉も嘘になるでしょうし、お客さん仕事の愚痴を言った際に労わる言葉をかけても、そこに嘘が入ってきます。

そのようなキャバ嬢は、ネガティブな気持ちが、どこかでお客さんに伝わってしまいます。

嘘に嘘を重ねれば、どこかでほころびが出てきます。

お客さんはそのキャバ嬢に愛想をつかしたり、超えられない壁に気づいて離れていくことでしょう。

しかし、夢を見せているキャバ嬢は違います。

「彼氏はいる?」と聞かれ、「いない」と答えた時、真実とは違うことを言いつつも、「お客さんを楽しませたい」「お客さんの夢を壊したくない」という気持ちには嘘がないからです。

 

 

このようなキャバ嬢は、お客さんを歓迎する言葉や労わる言葉にも、嘘がありません。

お客さんはありがたい存在であり、楽しんで欲しい、喜んで欲しい、夢を見て欲しいと思っていれば、たまに真実と異なることを言ったとしても、それは「嘘をつく」のではなく「夢を見せる」ことになります。

そもそも、キャバ嬢が真実と異なることを言った時、それに気づいているお客さんはたくさんいるものです。

しかし、お客さんは夢を見るためにお金を払っているのですから、騙されているとうすうす勘づきながらも、それも含めて楽しんでいます。

キャバ嬢が「彼氏がいない」と答えれば、それが本当ではないかもしれないと感じつつも、「自分にもチャンスがあるかも」などと妄想を楽しみます。

この妄想あるからこそ、次の来店にもつながるのです。

もし、キャバ嬢が嘘をつき、ネガティブな感情を抱いており、そのことに勘づいていれば、「自分にもチャンスがあるかも」とは考えません。

「嘘がバレバレだし、しかも楽しくないし、この子にお金を使うのは馬鹿らしいな」と考えるでしょう。

しかし夢を見せていれば、「嘘かもしれないけど、とりあえず楽しいからいいや!もしかしたらチャンスがあるかもしれないし」などと考えます。

嘘をつくことと、夢を見せることには、これほど大きな違いがあるのです。

キャバ嬢は夢を見せる仕事だと考え、キャバ嬢としての自分を演出し、お客さんをより楽しませる接客を心がけることが大切です。

まとめ

キャバ嬢は、お客さんにすべてをさらけ出せば働けなくなりますから、プライベートは隠し、本名とは異なる源氏名をつけ、キャバ嬢としてのもう一人の自分として振舞います。

プライベートの自分には彼氏がいても、キャバ嬢としての自分には彼氏がいないと考え、お客さんに夢を見せます。

キャバ嬢はお客さんに夢を見せ、お客さんは夢にお金を払っています。

キャバ嬢として売れたいならば、「お客さんに夢を見せる」という考えを持たなければならないのです。

 

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