キャバクラで働いていると、「このお客さん、そんなこと聞いてどうするんだろう?」というような質問をよくしてきます。
そのようなことを聞かれると、「なんて答えるのが正解なんだろう?」と思うものです。
どこに行ったの?
例えば、こんな質問があります。
最近どこか遊びに行った?
もし、あなたが友達と買い物に行ったとして、単に「買い物に行きました」と答えるだけではダメです。
私がどこに行ったかを聞いてどうするんだと思うでしょうが、相手は会話の糸口を探しているのですから、ただどこに行ったかを答えるだけではダメです。
ここでも、相手が何を求めているかを考えて話していきます。
よい会話の見本はこんなものになります。
最近、どこか遊びに行った?
この前のお休みに、買い物に行きました!
へえ、何を買ったの?
○○です。○○さんはどこにいったんですか?
競馬に行ってきたよ!
競馬するんですね!勝ってるんですか?
といった感じです。
会話が弾むのは、会話が弾むための質問を仕込んでいるからです。
- 「○○さんはどこにいったんですか?」
- 「勝ってるんですか?」
会話はキャッチボールですから、相手にボールを投げ返してあげなければなりません。
相手が「どこか行った?」と聞いてくるときは、何を求めているかを考えてみましょう。
客はどこに行ったかを知ることで、あなたが休日になにをしているかを知りたいのかもしれません。
また、どこかにいったというならば、誰と言ったかを聞くことで、彼氏がいるかを探りたいというのもあるでしょう。
しかし、こういうことを聞いてくるときというのは、それ以上のことを求めていることが多いです。
それは、その話題について自分が話したいという欲求です。
つまり、「どこかに行った?」という質問をしてその話題を持ち出すことで、自分が週末どこにいったかを話したい、またはどこにも行けなかったという話をしたいのです。
だからこそ、自分のことを話すだけではなく「どこか行きましたか?」と聞いて、相手が話したがっていることを話せるようにしてあげるのです。
もっとうまいキャバ嬢ならば、この会話をお金に変えてしまいます。
勝ってるんですか?
ん~まぁぼちぼちだね。この前は勝ったよ。
すご~い!じゃ、新しいボトル入れてくれますか?
あぁ、いいよ。
この時、ボトルを入れてというのをためらうキャバ嬢もいるかもしれません。
しかし考えてみてください。
相手は、自分が休日に何しているのかを聞いてほしくて話題を振った。
休日には競馬をしている。
もし負けているならば、ギャンブルで負けたというのはかっこ悪いので話題にしないものです。
つまり、勝った可能性が高いと考えられます。
これは、ギャンブルで勝って懐が温かいことを自慢したい気持ちでもあるという事です。
だから、ボトルをおねだりしても、断ることはないでしょう。
また、ギャンブルで勝って得意気なのですから、ボトルをおねだりして客がギャンブルに勝ったことを持ち上げてあげれば、ボトルをねだられても悪い気はしないものです。
その証拠に、きっと喜んでお金を払ってくれるでしょう。
休みの日は何してるの?
新人キャバ嬢にとって、客はいったい何を聞いてくるんだろうと不安かも知れません。
しかし、客がキャバクラで聞いてくることにはパターンが決まっています。
男が女に聞きたいことというのは大体決まっているのです。
週末になると、こんな質問が増えます。
休みの日は何してるの?
金曜の夜などは、多くの席でこんな質問を受けることと思います。
この質問に含まれる意図は何なのでしょうか。
それを考えながら会話を進める必要があります。
会話ベタのキャバ嬢は「寝ています」なんて答えるでしょう。
たしかに、寝ているキャバ嬢は多いと思います。
というより、キャバ嬢の9割は普段の疲れを癒すために休日は寝て過ごしています。
しかし、客はそんなものを求めているわけではありません。
客はキャバクラに夢を求めていますから、お気に入りのキャバ嬢がすっぴんに寝間着でゴロゴロしていることなんて考えたくはないのです。
では客が求めているものは?
もう分かりますね。
休日もステキなあなたを求めています。
この仕事してるといつも夜遅いんですよ。
でも、それで生活が乱れるのは嫌なんです。
休みの日はせっかく時間もありますし、洗濯したり、掃除したり、料理を楽しんだりしています。
このように答えると、客は満足してボトルを入れてくれることでしょう。
フードもおねだりすると頼んでくれます。
嘘をつくことになるかもしれませんが、そんなことは気にする必要はありません。
キャバクラは嘘を売って稼いでいるのだと割り切りましょう。
キャバクラはお酒を売っているわけではなく、嘘が売れやすくなるためにお酒を提供しているのです。
これが現実で、間違えるとうまくいかなくなります。
しかし、嘘は嘘でも売れない嘘もあります。
売れる嘘というのは、ロマンチックで客の夢をくすぐる嘘です。
ポピュラーなのは、「私、○○さんみたいな人タイプだな」というものです。
このような嘘は客に喜ばれます。
売れない嘘というのは、客が自分にとって都合がいいと思える嘘なのです。
都合の悪い嘘は売れません。
実は効果のない化粧品や健康用品が売れるのも、同じ原理です。
客が求める嘘を上手につけるキャバ嬢
これが稼ぐキャバ嬢です。
客がどんな嘘を求めているのかを見抜かなければいけません。
とはいっても、権謀術数を駆使して騙せというのではなく、慣れれば簡単なものです。
その客がいかにも求めそうな嘘や振る舞いをすればいいからです。
それは客が教えてくれます。
客の言葉を聞いていればいいのです。
例えば、「お前って意外ともろい女だよなあ」と嬉しそうに言ってくるならば、その客の前ではもろい一面を見せればいいだけです。
本当はそんな女性ではないのに、相手の理想像に合わせてそんな一面を見せてあげれば、それだけで大丈夫です。
彼氏はいるの?
キャバクラは会話を楽しむ場所ですが、これはあくまでも客の立場から見たキャバクラである、キャバ嬢はそんなことは思っていません。
キャバ嬢にとってのキャバクラとは会話で楽しませてお金を稼ぐ場所です。
キャバ嬢にとっての会話はあくまでも手段にすぎませんから、たわいもない会話の中でそろばんをはじく姿勢が大切です。
だからこそ、一つ一つの発言には計算があるべきです。
この計算が良く表れるのが、「彼氏はいるの?」という質問をなんと答えるかです。
この質問もキャバ嬢が客から良く投げかけられる質問の一つです。
女性というのは、親、友達、親戚、いろんな人からこの質問をされるものですが、キャバクラでは毎晩のように聞かれる質問です。
むしろ、おそらく一番よくされる質問かもしれませんね。
キャバ嬢たちは、この質問に対する答えとして、すべての客に対してお決まりの答えを用意しています。
「いないですよ」
こう言っておけば大丈夫と思っているキャバ嬢も多いようですが、これだけでは不十分です。
「私、男の人に縁がなくて・・・」などとしょんぼりいう人もいますが、それはそれで「この子ってモテないのか?」と思われてイメージを損なうことになりかねません。
では、何と答えるのが正解なのでしょうか。
こんなのはどうでしょう。
いないですよ。
もしいたらキャバ嬢やってないですよ。
○○さんも、彼女がキャバやってたら嫌ですよね?
これは、嘘だとしたらお金になる嘘です。
もし彼氏がいたとしても、客はいないと信じてくれるでしょう。
それ以上に彼氏を大切にできる女性であること、魅力的な女性と思われるからです。
これも相手が何を求めているかを考慮したうえでの答え方であり、あなたの定番の答え方にしてみてもいいと思います。
また、「彼氏いるの?」と聞かれたときには、間違っても「○○さんは彼女いるんですか?」というのはNGです。
その言葉の裏に、「(○○さんってモテそう、またはモテるかどうかわからないんだけど)彼女いるんですか?」と聞いていると取られる可能性がなきにしもあらずだからです。
ならば何といえばいいかと言えば、こう言います。
○○さんは彼女いるんでしょ?
こういえば、その発言を悪く取られる可能性がぐっと低くなります。
好きなタイプは?
ここまでいくつかの質問に対する受け答えを考えてきましたが、他にも困る質問が色々あります。
例えば、「好きなタイプってどんな人?」という質問です。
単に社交辞令として聞いている客も多いのでしょうが、キャバ嬢にとっては難問です。
社交辞令にも困ったものだと思いたくなるくらいです。
なぜならば、下手な答え方をしてしまうと、「あ、そうなの。僕とは違うタイプだね (次から指名しないよ)」となってしまうからです。
では、そうならないためにはどうこたえるべきなのでしょうか。
これは、相手の年代別に答えを分けるのがコツです。
相手が20~30代で独身男性ならば、
浮気性じゃない人がいいですね。
こう答えておけば、ルックスやスタイルを興味の対象とするわけではありませんし、そう言われた客はあなたのことが本当に好きなのであれば、他のキャバ嬢に浮気することを防げます。
他のキャバ嬢に浮気していないことを示すためにも、たくさんお金を使ってくれることでしょう。
もし相手が既婚者だったならばどういえばいいでしょうか。
既婚者がキャバクラに来る理由は、浮気相手を探しに来ているわけです。
少なくとも、心で浮気するために来ているのは間違いないことです。
ですから、「浮気しない人が好き」と言えば、「じゃ、俺は対象外だね」「俺のこと馬鹿にしてるの?」となってしまいます。
そこで、「頼れる人が好きです」と言えばよいでしょう。
そのように言えば、男性は頼りがいのある男を演じようと思い、お金を使ってくれるようになります。
このように、相手が独身か既婚かによって答えを使い分けると、客の心をぐっとつかむことができます。
では、20~30代以外の客にはどうこたえるべきなのでしょうか。
40代以上の男性ならば、別の答えが必要です。
相手はあなたよりずいぶん年上ですから、少し難しめの答えがいいです。
例えば、
お互いの距離感をしっかり考え、じっくり付き合っていける人がいいです。
とか。
他にも色々考えていいと思いますが、もしこう答えたならば「なるほど。焦ったら負けだな。じっくり口説いてやろう」となる可能性が高いです。
しかも、いい距離感を測りながら付き合ってくれます。
近からず遠からずという、キャバ嬢にとって最もいい距離感でお金を落としてくれるようになります。
なぜこれが20~30代の男性客に好ましくないのかと言えば、若い男性にとって距離感を掴むのは難しく、「焦るなよ」というような答えをしてしまうと「めんどくさい女」と思われかねないからです。
このようにいくつか定番の、しかも洗練された答えを用意していれば便利です。
自分の好きなタイプとはかけ離れていたとしても、売れる嘘なので問題ありません。
そんなに稼いでどうするの?
次によく聞かれる質問として「そんなに稼いでどうするの?」という質問があります。
キャバ嬢は給料がいい仕事ですから、専属キャバ嬢として週に5日くらい出勤していれば、結構稼ぐことができます。
そこで、この質問をされることがあるのです。
この質問は、「彼氏いるの?」「好きなタイプは?」と同じく、かなりの頻度で聞かれる質問です。
しかし、この3つの質問には大きな違いがあります。
「彼氏いるの?」と「好きなタイプは?」の質問は、あなたを女として意識しての質問です。
これに対して、「そんなに稼いでどうするの?」という質問は、「余計なお世話」と感じるキャバ嬢も多いと思います。
「ほっとけ」と思う人もいるでしょう。
だからといって、嫌な顔をしてはなりません。
この質問も、答え方次第でお金になります。
もちろん、本当のことは言いません。
もし「洋服とか、バッグとか、アクセサリーとか。そういうの買うためです」なんて言ってしまえば、金のかかる女だと思われて、客が離れていくかもしれません。
一番良いのは、自己投資に使っているという答えです。
例えば、
無駄遣いは嫌いですけど、将来のために投資しています。
とアピールしましょう。
「無駄遣いしない女性」と思わせるのはかなりポイントが高いです。
しかも、自分が使ったお金が将来のために投資されていると分かれば、お金をたくさん使ってくれるようになる可能性もあります。
しかし、同じように自己投資系でも、貯金系はあまりよくありません。
同じように自分に投資しているものでも、「将来、ネイルサロンを開きたくて、お金を貯めているんです」というのはNGです。
なぜならば、貯金をしているという事は、お金を持っている女だと思わせてしまうからです。
それでは、おねだりをしても「でも、お金あるんでしょ?」という事になりかねません。
男というものは、基本的に「勝手な生き物」だと思っていいでしょう。
例えば、服やアクセサリーを見てマイナスの感情を抱く男性は結構います。
キャバ嬢は見た目を磨いて仕事のプラスにしているため、服やアクセサリーは大切です。
そうであるにもかかわらず、「この女、高そうなものばかり身に付けて、なんだか鼻持ちならないな」と思われる可能性があります。
しかし、20代前半の女の子が、自分の給料の半分もするようなバッグを持っていれば、そう思うのも当然のことかもしれませんね。
お金を払う気がなくなります。
男性が特に気にするのが時計です。
服やアクセサリーのことはよく分からない男性でも、ちょっといい時計であれば分かる男性が多いからです。
「高そうな時計だね」と言ってきます。
高そうな時計だね
「高そうな時計だね」という質問もよくある質問です。
いい時計は一種のステータスと考えることもできます。
意識的に身に付けているキャバ嬢のなかには嬉しくなって「そうなの、カルティエ!限定品でピンクゴールドなの!」などと言うのはNGです。
男性は、自分が自慢話をするのは好きですが、人から自慢話をされるのは嫌いな生き物なのです。
自慢されると、気を悪くしてしまうことでしょう。
つまり
この女の子は、俺が買えないような高い時計を買えるんだなぁ。
俺の給料の○ヶ月分を、時計にかけられるんだなぁ。
と思って萎縮して、お金を使ってくれなくなります。
ならば、何といえばいいでしょうか。
自慢と思われるといけないとなると、このように言っているキャバ嬢もいるでしょう。
え、これって高いんですか?
お客さんからもらったので高いって知りませんでした。
これもいけません。
なぜならば、
俺にはこんなもの買えないよ。悔しい。
とおもうか、さもなくば
この女、客を食い物にしてるんだな。
と思われてしまうからです。
次から指名してくれなくなるかもしれません。
では、どうこたえるのが正解なのでしょうか。
時計にはあんまり詳しくないんですけど、去年の誕生日に自分で買いました。
高くて簡単に買える額じゃないし、かなり悩んだんですけど、誕生日に買おうって決めてお金貯めて買いました。
自分へのご褒美です。
これなら問題ありません。
先ほど貯金はタブーだといいましたが、時計一個分の貯金ですし、自分へのご褒美に買っているのですから「お金を貯められる賢い女性」で済むでしょう。
大切なのは、あくまでも自分で買ったという事です。
プレゼントされた、はNGです。
「この女、俺より金持ちの男と付き合ってるのか」と思われてしまえば、客を傷つけることになるかもしれません。
しかし、このように答えると
そんな高い時計、本当に自分で買ったの?
誰かに買ってもらったんじゃないの?
といってくるかもしれません。
そんな時にも、あくまで自分で買ったといいます。
たしかに、キャバ嬢やってると色々もらうこともありますけど、この時計だけは自分で買いました。
かなり思い切って買いましたよ。
本当に気に入ったものは自分で買いたいって思うんです。
あ、でも彼氏は別ですよ。
あの時彼氏でもいれば買ってもらったかもしれません。
なんて言えば、客は
そっか、なら次の誕生日は俺がなんか買ってあげようか。
となる可能性があります。
プレゼントは何がいい?
時計の質問に関連して、こんな質問についても考えてみましょう。
クリスマスや誕生日の時に聞かれる、「プレゼントは何がいい?」という質問です。
キャバ嬢をやっていると、たくさんのプレゼントをもらいます。
これも、キャバ嬢という仕事の魅力です。
私の友人のキャバ嬢も、バッグも、アクセサリーも、時計も、服も、全部プレゼントだと言っている子がいます。
中には、家の中の家電も全部客からのプレゼントという女性までいます。
なぜそんなにプレゼントをもらうことができるのかといえば、簡単な話です。
客がプレゼントを送って気に入られたいと思っているから?そういった側面もありますが、それ以上にプレゼントをもらうのもキャバ嬢の仕事だからです。
キャバ嬢をやったことがない女性には分かりにくいかもしれませんね。
しかし、プレゼントをもらうのも確かに仕事の一つです。
なぜならば、客はプレゼントを選ぶ時には「どのプレゼントなら喜んでくれるかな?」とワクワクしながら選びますし、渡すときにはドキドキした気分を味わうことができます。
そして、もらったときに飛び切りの笑顔を見せれば、安心して達成感を味わうことができます。
ワクワク、ドキドキ、安心と達成、そんな青年のような気分は社会人になってからなかなか味わえないもので、それを味わわせてあげるという仕事をしているのです。
したがって、プレゼントをもらうこともキャバ嬢の仕事のうちです。
自分の誕生日といえども主役は客であり、プレゼントを渡す客を立ててあげる必要があります。
そこで、「プレゼントは何がいい?」と聞かれたならば、ここも客の立場を考えて、客が喜ぶ答えを用意してあげましょう。
多くのキャバ嬢は、正直なところプレゼントなどいらないから現金が欲しいと思っているでしょうしかし、「お金がほしい」と言うのはもちろんNGです。
夢がありません。
ここまで話してきたとおり、キャバ嬢は夢を売る仕事であり、プレゼントをもらうのも仕事の一つならば、プレゼントには夢がなければなりません。
では、夢のある答えは何でしょうか。
基本となるのは、
○○さんが選んでくれたものなら何でも嬉しいです。
という姿勢です。
これが基本であり、客のプレゼントをあげたい気分は高まることでしょう。
また、無理してでも喜ばせようと思いますから、プレゼントの値段も上がります。
ずうずうしいかもしれないけど、もらっていいなら選んでほしいな!
と言えば、男性はプライドをくすぐられることでしょう。
しかし、女心が分からない男性の中には
選べって言われてもなぁ。
たとえばどんなものがいいか言ってよ。
と言ってくる男性も多いでしょうから、そしたら
身に付けるものが良いな。
アクセサリーとか。
などと漠然とした返答をしておきましょう。
本当は欲しいものがあったとしても、アクセサリーと言っておきましょう。
こういうと、客の中には
アクセサリーなんてプレゼントでたくさんもらうでしょ。
と言ってくるかもしれません。
その時には、
確かに、普通の子に比べると持ってるかもしれませんね。
でも、○○さんがくれるものとは意味が違うから。
お店にもつけていくよ。
などと答えておけば、客は大喜びです。
ここまで言えば、プレゼントをもらうことも立派な仕事となります。
そして、プレゼントをもらう仕事の大詰めはもらう瞬間です。
ここでうまく感謝と感動を伝えなければ台無しになります。
この時、「カワイイ!嬉しい!似合う?」などと大騒ぎをすれば、喜びは伝わったとしても駄目です。
なぜならば、それは単にもらったものへの喜びであり、その男性客からもらった喜びを伝えることにはならないからです。
私のために選んでくれたんですね。
うれしい!
と言えば、その男性客からもらった喜びを伝えることができます。
もしこれをうまく伝えられなければ、次にもらうプレゼントの値段は下がってしまいます。
仕事で失敗しちゃってさぁ・・・
「仕事で失敗して・・・」というもの。
これは質問ではありませんが、こんなこともよく言われますね。
新人キャバ嬢に緊張する質問はなにかきけば、大抵はこう言われたときだと答えることでしょう。
相手は傷ついた男性であり、キャバクラで癒されるために来ているわけです。
奥さんに言えば馬鹿にされ、彼女に言えば「この人大丈夫?」と思われますが、キャバ嬢だけは優しい言葉をかけてくれます。
ですから、もしキャバクラで癒されることができなければ、もしくは逆に傷つけられるようなことを言われれば、落ち込んで心を病んでしまうかもしれません。
この様に弱音を吐いたり愚痴を吐いたりする客は何と言われることを求めているのでしょうか。
基本的に、客がキャバクラに行く理由というのはキャバ嬢とわいわい飲んで現実を忘れるためです。
沈んだ気分になりたいために来るわけではありません。
だから、客に同情するように悲しそうな顔をするだけではいけません。
お勧めなのは
失敗して上司に怒られたの?
ひどいよね!そんな部長馬鹿でしょ!
人の上に立つ資格ナシ!
なんて騒いであげると、客も
だろー。
飲まなきゃやってらんねえよ。
よし、今日はとことん飲むぞ!
となって、ボトルを入れてくれます。
客の沈んだ気持ちをお金に変えてしまいましょう。
~について知ってる?
あるキャバクラ店でこんなトラブルが起きたことがあります。
客がいきなり、「この店にはものが分かる女はおらんのか!」と騒ぎ出したのです。
詳しくはこうです。
さっき就いた子だけどね、困るよ。
いつまでもこんな仕事してられないとかいうんだ。
そんなこと言われたって困るよな。
俺はこの子の将来なんて知らないんだし。
いまを楽しみに来てるんだ。
そう教育しといてくれよ。
客が40代独身の男性であれば、将来の不安を話すと喜んでくれます。
しかし、既婚男性はこうではありません。
将来の不安を話せば重いと思われるだけです。
おそらく、そのキャバ嬢はこのことを知らなかったのでしょう。
フォローについたキャバ嬢はこういいました。
すみませんでした。
でも、分かってあげてください。
彼女、○○さんがおしゃれで年よりずっと若く見えるから、独身かと思ったんですよ。
こういうことによって、その場は丸く収まったようです。
ここまでは余談。
このように怒る男性がたまにいますが、果たして男性は本当に「ものが分かる女性」を求めているのでしょうか。
疑問が残ります。
なぜならば、男性の多くはそのように悩むのですが、逆に「ものが分かる女性」と接すると萎縮してしまうからです。
このことは、キャバ嬢がよく「○○って知ってる?」と聞かれるからです。
もし「わかりますよ」と答えれば、客は決まってしらけます。
男は教養ある女性を嫌う人が多いのです。
これも、客がそう聞くことで何を求めていたかを考えるとよくわかります。
客が、「○○って知ってる?」と聞くときは、実は知らないといってくることを期待しており、そんな物知らずのキャバ嬢に教えてあげることで優越感に浸りたいと思っているからです。
例えば、歴史好きの男性から、
きみ、吉田松陰って知ってる?
と言われたとします。
知っていても、知らないふりをします。
知らないふりをするときには、興味津々な姿勢が必要です。
しらない。
歴史って興味ないんです。
なんて言えば台無しです。
名前は聞いたことありますよ。
歴史の人ですよね。
学校で習ったかもしれません。
○○さんってそういうのどこで勉強するんですか?本ですか?
いろいろ読まれるんですね。
私も興味があって読みたいと思うんですけど。
なかなか読めなくって・・・。
私でも読めそうな簡単めの本があったら教えて下さい。
と言いましょう。
このように言えば、客は尊敬されている実感を得ることができ、頼られていると思うこともできます。
単に「知りません」というのではなく、「しらないから、教えて下さい。お願いします」と頼るのです。
無知は悪徳とされますが、キャバクラでは無知がお金になります。
最近では学生をしながらキャバ嬢をやる女性が増えており、「現役女子大生キャバ嬢」が話題になることもあります。
しかし、なぜ話題になるのかと言えば、単に珍しいからです。
本当に彼女たちが稼いでいるかと言えば、そうでもありません。
客は教養豊かな女性よりも、多少馬鹿っぽい女性のほうが話していた楽しいのです。
もし教養豊かな、難関大の現役女子大生が政治なんかについて語ろうものなら、うっとうしいと思われるだけです。
政治について知っていることの何が悪いの?と思うかもしれませんが、キャバ嬢でありながらそれを語ればはっきり言って「悪い」になります。
ただし、知識も使いようです。
選挙の前などには客が政治の話題を持ち出すことがありますが、その時には常識的な知識程度ならば話して問題ありません。
たとえば、「○○議員が好きなんだよ。彼に当選してほしい」という客がいるとします。
「彼の政治思想はどうのこうので、どこそこが問題で、だから△△議員の方が私はいいと思うな。ペラペラペーラ」と言ってしまえば、ただのうるさいキャバ嬢になるので注意です。
そこは、
そうなんですね。
選挙期間でテレビでもよくやってますから、今度見てみます。
政治のことはあまり分からないんですけど、○○さんがいいっていうならきっといいんでしょうね。
と言いましょう。
すると、客との間に信頼関係が芽生えます。
シンプルに考えると、客はキャバ嬢に「○○って知ってる?」という質問を投げかけることによって、キャバ嬢との信頼関係を築きたいのです。
俺のことをどう思っているのか、そこが知りたいのです。
テーマが何であっても、基本的にそうです。
おれってバカなんだよ
キャバクラでの接客の基本は、相手を否定しないことです。
これは、接客術を解説している色々な本で言われていることです。
客のいう事を否定せずに同調することによって、信頼関係を築くことができるのです。
それだけではなく、相槌をうまく打ちながら、相手を否定せずに会話を進めていけばそれだけでも会話は盛り上がります。
たしかにこれは基本ですが、中には例外もあります。
例えば、相手が自分を卑下することを言った場合です。
たとえば「この前こんな失敗しちゃってさ~。俺って馬鹿だろ?」と言ってきた場合。
男同士の会話でこういわれたならば、「お前馬鹿だな~!笑える」と言えば楽しい会話が出来るでしょう。
しかし、キャバクラで「え~ホントに馬鹿ですね!」と言うのはもちろん間違いです。
なぜならば、客はこの時同意を求めているのではなく、「俺は馬鹿じゃない」という確信を持ち、否定してもらいたいと思ってそのようなことを言っているからです。
しかし、だからと言って「馬鹿じゃないです」といえばいいかと言えばそうでもありません。
「当り前じゃないか。冗談で言ってるの分からないの?馬鹿なの?」と言われるのが当然のことで、相手の気に障るからです。
では、どういうのが正解なのでしょうか。
例えば
え、そんなことがあったんですか!
○○さんのそういうお茶目なところが魅力的なんですよね。
と言えば間違いありません。
相手は喜び、ボトルを入れてくれることでしょう。
一見馬鹿馬鹿しい受け答えに見えるでしょうが、実に効果的なテクニックです。