うまくすれば大きく稼げるキャバ嬢ですが、キャバ嬢特有のリスクというものもあります。
キャバ嬢が巻き込まれやすい「危険なこと」とは、どんなものがあるのでしょうか。
水商売の危険性
一般の人が水商売について抱いているイメージには、「金」「夜」「酒」「男」「女」などがあるでしょう。
この言葉からさらにどのような言葉を連想するかと言えば、あまりよいイメージではないと思います。
たしかに、このイメージが完全に無責任な物かというとそうとも言い切れず、夜の世界には危険があります。
その最たるものがホスト通いや覚せい剤でしょう。
すべてのキャバ嬢がそのような危険な物と接点があるわけではありませんが、その気になれば、あるいは誰かから手を引かれて、そのような危険な物と接触してしまうキャバ嬢がいます。
お店を管理する店長やキャバ嬢を管理するマネージャーは、基本的にはこのような危険な物とキャバ嬢が接触しないように注意を払っていますが、キャバ嬢が接客に出た後のことはお店では基本的にノータッチです。
これは、管理がいきすぎるとキャバ嬢たちが監視しているように感じ、窮屈な思いをするからです。
キャバ嬢が明らかに不幸の方向へと近づいている時には、注意し保護するのもお店の役割ですが、このような管理ができていないお店があるのも事実です。
もし、きちんと守ってくれないお店に入店してしまった場合には、あなたは自分で自分の身を守るしかありません。
ここでは、何に気を付けるべきかを解説していきますので、仕事の参考にしてもらえれば幸いです。
睡眠薬に気を付けろ!
まず、気を付けるべきは睡眠薬です。
睡眠薬と聞いてピンと来たならばなかなか鋭いです。
テレビドラマなどで男性が女性に睡眠薬を飲ませて犯してしまうという描写を見たことがある人もいるでしょう。
男女がバーなどで飲んでいて、女性がトイレに行ったタイミングなどで女性のカクテルに粉状の睡眠薬を混ぜ、それを飲ませて昏倒させてホテルに連れ込むというものです。
実は、これには間違いがあります。
そのため、カクテルに睡眠薬を入れて混ぜても、その粉は溶けることなく沈殿するだけです。
女性は変なものが沈殿しているカクテルをみて、「なんか入ってる、作り直して」となるだけでしょう。
しかし、この手法は実際に行われる可能性があるものです。
どうやるのでしょうか。
まず、男性は病院で不眠症を訴えて睡眠薬を手に入れ、叩いて粉状にします。
これはお酒には溶けませんが、ビールにパラパラと入れて泡に隠すことはできます。
また、バーなどでは照明が暗いことが多いし、炭酸の気泡と一緒に浮き沈みするので見破るのは難しいです。
ビールに混ぜられた女性はそれを飲み、昏倒し、お持ち帰りされてしまうというわけです。
キャバ嬢として人気が出れば、客からアフターに誘われることもあると思います。
しかし、相手は慎重に選ばなければなりません。
キャバ嬢の中には、このような危険を完全に遠ざけるためにも、仮に安全と判断できる客の場合にも、すべての客に対してアフターを断っているキャバ嬢もいます。
また、女性に使わない男性でも、自ら使う男性がいます。
アルコールと睡眠薬を併用すると簡単にラリることができるからです。
頭がぼーっとして、目は醒めているものの意識がなくなり、気持ち良いだけならばよいのですが、急に暴れたり変な行動をすることもあります。
このような男性と一緒に飲んでいたら、どんな危険があるかわかったものではありません。
このような危険な男性の特徴の一つに、すぐにアフターに誘うというものがあります。
1,2回来店しただけでアフターに誘うのです。
そのような客には注意してください。
覚せい剤に気を付けろ!
睡眠薬も本来と異なる使い方をすると危険な薬ですが、もっと危険な薬があります。
薬というよりクスリです。
つまり、覚せい剤のことですね。
覚せい剤は、意外と身近な場所にあるものです。
都会の繁華街、若者の集まるクラブ(踊る方のクラブ)などで出回っています。
このように、若さ・お金・元気・好奇心・ストレスなどがある場所には覚せい剤がつきものなのです。
覚せい剤なんかやる気は全くないと思うキャバ嬢ならば問題ないのですが、気を付けるべきは覚せい剤に少しでも興味があるキャバ嬢です。
仲のいい客から誘われれば遊び程度にちょっとやってみてもいいかな、と思っているならば注意してください。
このような興味を抱いているキャバ嬢でも、何回かやっただけで辞めることができるキャバ嬢もたくさんいます。
しかし、覚せい剤の依存性は非常に強いため、辞めることができずにどんどんはまり込んでしまうキャバ嬢もいます。
周知の事実だと思いますが、覚せい剤にハマると莫大なお金がかかります。
それだけではなく、体調を崩しやすくなりますし、頭の回転が鈍くなって仕事がうまくできなくなります。
中毒と言えるほどにハマってしまったならば、仕事中に我慢できなくなってトイレで覚せい剤を使い、しばらくトイレから出てこられなくなることもあります。
他にも、幻覚に取りつかれて、客にわけのわからないことを口走ってしまうこともあります。
このようになってしまえば、キャバ嬢としての仕事を続けられなくなるのは目に見えています。
しかし、クビになって収入がなくなっても、クスリは欲しい。
しかし他のキャバクラで勤務することもできません。
それでもクスリが欲しいとクスリの売人に相談すると、性風俗店を紹介されます。
もちろん、裏社会と強いつながりがあるようなお店です。
そのようなお店であれば、元々キャバ嬢をしていたくらいのルックスを持っているのですからとりあえず稼ぐことができますし、さぼることができない強制力も働きます。
また、おかしな行動や発言をしなくて済む程度のクスリを与えてもらうこともできます。
これは元々キャバ嬢だった女性がこうなるというのではなく、クスリにハマった場合には一般女性でもこうなります。
最近は、昔に比べるならば多少はクリーンになりましたから、自ら希望して性風俗店で働く女性も増えています。
しかし、クスリがらみでどうしようもなくなり、体を売るしかなくなった女性がまだいるのも事実です。
もしキャバクラで働くならば、覚せい剤とは必ず距離を置いておかなければなりません。
キャバ嬢のネットワークはかなり広く綿密なものですから、覚せい剤と絡んでいる客の情報などには常に気を使うようにし、近づかないことが大切です。
ホストに気を付けろ!
キャバ嬢の仕事というのは、見た目以上に疲れるものです。
その世界に縁がない人が見ると、お酒を飲んで笑いながら話して、楽しそうな・ラクそうな仕事に見えることでしょう。
しかし、実際に働いてみるとそんなことはありません。
体調が悪くてもお酒を飲まなければなりませんし、客が寒いギャグをいっても笑わなければなりません。
大したことない武勇伝や成功談でも「すご~い!」とほめたたえなければなりません。
客の愚痴も聞かなければなりませんし、八つ当たりをされることもあります。
当然、ストレスのたまる仕事です。
そこで、そんな疲れたキャバ嬢を狙いにした商売があります。
ホストです。
ホストクラブで働くホストは、遊びに来たキャバ嬢を褒めてくれますし、愚痴も聞いてくれます。
また、ホストとキャバ嬢は同じ苦労をしているという仲間意識、シンパシーもあります。
それほど料金が高くないお店もありますし、そこでイケメンの男の子と話をすることができ、お酒も飲むことができます。
策士なキャバ嬢になると、アフターで自分の客を食事に連れていき、ホストクラブに連れて行ってボトルをおろしてもらい、次回は一人で遊びに行くこともあります。
キャバ嬢を相手にしたホストは、キャバ嬢がキャバクラで男性客に接客するのと同じように接客します。
キャバ嬢とホストが違うのはアフターのあり方です。
キャバ嬢は客と肉体関係を持つことをお店から好ましく思われないものですが、ホストはそうではありません。
客と肉体関係を持ち、ホストにくぎ付けにするのはホストの作戦の一つです。
ただし、情が移ると面倒なことになるので、3回までしか寝ないホストがほとんどです。
また、3回まで寝るとしても期間を空けるのが常套手段です。
その間に、お店にできるだけたくさん来てもらうためです。
また、キレイな女性よりも比較的キレイではない女性と寝ることの方が多いです。
なぜならば、普段チヤホヤされない女性であればあるほど、イケメンのホストから大切にしてもらうと錯覚しやすく、ハマりやすいからです。
もちろんこの話は絶対ではなく、ホストクラブによって経営方針は違うため、ホストだから絶対にこのような薄情な男ばかりというわけではありません。
クラブ形式のキャバクラと同じように指名制度があります。
セット料金やボトル料金は高いスナックといった価格設定のお店もあれば、その数倍の価格設定になっているお店もあります。
ホストクラブのホストはドラマや漫画でみるほどには気取った感じではないことが多く、基本的には女性に尽くすというスタンスで接客をしてきます。
そして、人気ホストだからといってイケメンとは限りませんが、この点は人気キャバ嬢が必ずしも飛び切りの美人とは限らないことと同じです。
しかし、人気ホストは人気を集めるに値する理由があります。
接客されれば誰でもわかるように、接客の腕はピカイチです。
細かい心配りをすることができ、雰囲気がイケメンです。
根拠のない自信に満ち溢れており、普通の男性にはない甘く危険なフェロモンを持っています。
キャバ嬢にしても、自分の男性客と同じように、自分が気に入ったホストに好かれようと努力します。
ホストを喜ばせようとお金を使いますし、自分のお気に入りのホストが他のホストに成績で負けそうなときにはお金をいつも以上に使って応援することもあります。
ホストからおねだりをされ、貢ぐこともあります。
やがて使えるお金の限度を超えてしまい、自己破産してしまうキャバ嬢や夜逃げしてしまうキャバ嬢もいます。
ストレス解消程度に通うならばいいと思いますが、あまり入れ込みすぎないようにしてください。
ホストに遊びに行くときにはその日に使う金額を決めておいたり、「今日はボトルおろさないからね」などといってあらかじめホストのおねだりをけん制することによって、お金を使いすぎないようにしましょう、
男性スタッフに気を付けろ!
キャバクラ店ではたくさんの男性スタッフが働いています。
氷やお酒を運ぶボーイが最たるものでしょう。
他にもマネージャー、ラッキーなどといった男性スタッフがおり、お店の運営に関わっているというよりは現場を回すウェイターや雑用係といった仕事をしています。
キャバクラで働くキャバ嬢は大変な仕事ですが、男性スタッフはそれと同じくらい大変かもしれません。
キャバ嬢の愚痴を聞いたり、八つ当たりをされたりすることが多いからです。
だからといって、給料が高いわけでもありません。
むしろ安いくらいです。
大抵のお店では、キャバ嬢と男性スタッフの店内恋愛を禁止しています。
見つかれば、男性スタッフは「商品に傷をつけた」という理由で罰金を科せられ、クビにされます。
それでも、こっそりキャバ嬢と付き合う男性スタッフは確かにいます。
恋愛感情は人間としての基本的な感情ですから否定しにくいものですが、店内恋愛はキャバ嬢の仕事に差し支えるため、困ったことになります。
一般的な話をしても、初デートでサスペンス映画を観ると緊張感と恋愛のドキドキ感を混同して親密になるといいます。
また、二人で危機を乗り切ると、つり橋効果によって親密になるとも言います。
それに、恋愛に陥ったならば、誰にもばれてはいけない緊張感とともに恋愛をするため、これも親密になるきっかけとなります。
基本的には錯覚なのですから、キャバ嬢で働く人はこのことを知り、男性スタッフを好きになりそうだと思ったら「だめだめ、これは錯覚なの」と自戒するようにしましょう。
ちょっとだけ一緒に緊張感を味わったり、ちょっとだけ親しくなったり、そのようなことをきっかけとしていちいち恋愛をしていたならば、誘惑の多いキャバクラの世界では生き抜くことはできません。
あくまでも、キャバ嬢はキャバクラ店にとっては一個の女性である以前に商品です。
その商品を守る意味で、お店は男性スタッフとキャバ嬢の恋愛を禁止しています。
もし男性スタッフとの恋愛が露見すれば、風紀違反として客が離れていくことでしょう。
お店の規則に忠実になっていて損はありません。
「ヒモ」に気を付けろ!
「ヒモ」をご存知でしょうか。
ヒモとは、女性に寄生して養ってもらう男性のことを言いますが、色々な人がいます。
主に、
- 客としてお店に来て知り合った怖い・怪しい人
- 自分が客として通っていたお店のホスト
- それ以外で知り合った学生やフリーターやニートのような若者
の3タイプがあります。
怖い人や怪しい人と親密になってしまえば、労働意欲が低く、暴力を振るうこともある人であれば、ヒモとして養わざるを得なくなります。
ホストの場合は、自分の部屋にホストを囲うことによって、他の女にとられないようにするために養います。
学生・フリーター・ニートなどの場合には、いつもおじさんの接客をして疲れた心を癒す遊び相手として養います。
これが女性とヒモの関係で代表的なものです。
しかし、場合によっては別のケースもあります。
キャバ嬢として働くうちにストレス過多になり、精神が不安定になると、人はどこかによりどころを求めます。
何かにすがるのです。
それが人であるのか、ペットであるのか、神であるのか、それは人によって様々です。
しかし、人によってはこれとは逆に、誰かから頼られることによって安らぎを求めようとすることもあります。
つまり、ヒモを養うことで、「あの人は私がいなきゃダメだから守るの」となるのです。
その様なときにヒモの男性を見ると、大抵はその男のどこがいいのかわからないような場合が多いです。
養うキャバ嬢にとっては、そこが放っておけないところなのかもしれません。
自分がそのような状態に陥りそうになった時には、あなたの行動は決してヒモを守っているのではなく、養うことによってその男性がますます何もできなくしているだけなのだと考えましょう。
もし何かを養うことで自分を保ちたいと思っているならば、ペットを飼うのがオススメです。
ペットを飼っているキャバ嬢は多いものです。
引退と後遺症に気を付けろ!
キャバ嬢も女性ですから、結婚することがあります。
結婚すると引退して家庭に入ります。
しかし、この時に水商売の後遺症が出ることがあります。
ここで一つ考えてみましょう。
お酒を飲むと陽気になりますね。
笑ったり、歌ったり、踊ったりする人もいます。
このことから、お酒は気分をハイにする飲み物だと思っている人が多いでしょう。
しかし実は逆で、お酒は気分を抑える働きを持っています。
頭の働きを緩やかにして、気分を抑える働きがあります。
理性をコントロールする働きは弱くなりますから、それによって普段は陽気さを出せない人は陽気になるのです。
キャバ嬢は、毎回の仕事の際にこの状態で接客しています。
そのため、長年キャバ嬢をやっていると、お酒を飲んでも頭が良く回るように発達し、飲んでも理性が働くようになります。
そのため、引退して家庭に入ったとしても、キャバ嬢はこの後遺症に悩むことがあります。
お酒を飲んでも眼が冴えて眠ることができません。
仕事をしているならば疲れて寝ることもできるでしょうが、疲れていないので尚更眠ることができません。
賢い女性ならば、この点に気づいてお酒をやめることもあります。
また、やめないとしても飲んだら頭がぼーっとするように働きかけ、体をリラックスさせ、普通の飲み方を思い出すことで対処する女性もいます。
しかし、これらとは逆に、より多くの量を飲むことで対処しようとして、アルコール中毒になる女性もいます。
このほかにも後遺症があります。
それは、キャバ嬢をしていた時代に金離れのよい男性をたくさん見ているため、金銭感覚がおかしくなってしまうことです。
キャバクラではたくさんのお金を気前よく払っていた客も、実生活で派手なお金の使い方をしているかといえばそんなことはありません。
キャバクラでは何万円も使う男性が、お昼のランチを500円と1000円で悩んでいることもあるのです。
しかし、キャバ嬢にとっては夜の街こそが日常の世界であり、その世界における客の金使いの荒さはキャバ嬢にとっては日常の出来事なのです。
引退して夜の世界から一般の世界に戻るにあたっては、夜の世界で働いてマヒした感覚を戻して行かなければなりません。
これが分からないうちは、昼の世界にはなかなか戻ることはできないでしょう。
その結果、夫がマヒしたままの感覚についていけず、離婚してしまうこともあります。