お客さんと出会ってから挨拶と会話をしていくにあたって、当サイトの他の記事を参考にしたキャバ嬢は導入部分をうまく話せることと思います。
お客さんはあなたのことを「自分と似ている」と感じ、好印象を与えていることでしょう。
お客さんが気持ちよく、リズムよく話せるように工夫したことで、会話も盛り上がり始めているところです。
では、ここからはどのような進め方をすると良いのでしょうか。
褒めあいづちを知っていますか?
ここで大切なのは、相手により大きな親近感を与え、
「なんだかよくわからないけど、この子はとても話しやすいな。
なんでも話したくなってしまう」
と思わせることです。
ここで、どうすべきかピンときたキャバ嬢はこの記事を読む必要はないかもしれません。
しかし、ピンとこなかったキャバ嬢は、次のことを考えてみてください。
それは、お客さんは何を求めてキャバクラに来ているかという事です。
これが分かっていないキャバ嬢はイマイチ売れることができず悩むことになります。
答えを探すためには、自分は人としてお客さんにどう接すればよいかを考えてみましょう。
本稿でお教えしたいテクニックは、お客さんを褒めながらあいづちを打つ「褒めあいづち」です。
褒めあいづちは、何の信頼関係もない相手からされると時としてお世辞やおべっかと捉えられ、馬鹿にされていると感じてしまうこともあります。
ですから、まずは会話の初めの段階である程度の信頼関係を築いておくことが前提となります。
その信頼関係があるからこそ、「この子はよく話を聞いてくれているし、僕と似ているしいい気分だな」と感じていることを土台として褒めあいづちをすることができます。
お客さんがお世辞やおべっかと感じることもありません。
褒め言葉を素直に受け取ることができるのです。
人間の五大欲求を知る
あなたが誰かに話を聞いてほしいと思う時、何をきっかけとしてそう思うことが多いでしょうか。
単なる業務的な連絡のための会話もありますが、会話はそればかりではなく、自分の思いを伝えたいときに話を聞いてほしいと思うものです。
自分が苦しい時や悩んでいる時、自分だけで抱え込むのがつらくなれば話を聞いてほしいと思うものですし、何か嬉しいことがあった時や得意気な気分の時にはそのことを伝えてもっと嬉しい気持ちや得意気な気持ちを膨らませたいと思って話を聞いてほしいと思うのです。
つまり、人が誰かに話をするとき、自分に共感してほしいという「共感欲求」があり、また自分のことを認めてもらいたいという「承認欲求」があるのです。
キャバクラで話し始めの時というのは、主にお客さんの共感欲求を満たすことを目指します。
お客さんに共感しながら会話を続けていき、それを満たしたならば次は承認欲求を満たしていかなければなりません。
そこで褒めあいづちが活きてきます。
褒めあいづちによって、お客さんの気分を盛り上げながら認めていくことができるのです。
さて、冒頭の質問に戻りましょう。
お客さんは何を求めてキャバクラに通うのでしょうか。
お客さんがキャバクラに通う大きなモチベーションは二種類に分けられます。
それは、生理的欲求と社会的欲求です。
生理的欲求とは
- 性の欲求
- 母性の欲求
社会的欲求とは
- 承認の欲求
- 支配の欲求
- 優越の欲求
性の欲求と母性の欲求は皆さんが知っている通りのものです。
性の欲求というのは、キャバクラで見つけたお気に入りの女の子とあわよくばエッチしたいという欲求や彼女にしたいという欲求であり、母性の欲求というのはキャバ嬢の女性としての包容力に癒されたいと思う欲求です。
しかし、この欲求を利用してお客さんの指名を受け続けることはできません。
あなたが色気ある女性であっても、色気でゲットしたお客さんは長くても半年程度しか続かないでしょう。
お客さんはやがて「この子はやっぱりキャバ嬢だ。エッチなんてできないよ(彼女になんてできないよ)」と判断すればすぐにあなたから去ってしまいます。
そうなれば色気に誘われるお客さんを絶え間なくゲットしていかなければならず、消耗戦となります。
母性の欲求を満たすことは難しいものです。
母性ある女性ならば可能ですが、多くの場合キャバ嬢は若く、年上のお客さんのもとめる母性を備えていないことがほとんどなのです。
そのため、生理的欲求でナンバーワンになれることはほとんどありません。
これは、ナンバーワンキャバ嬢や売れっ子キャバ嬢が必ずしも美人ではないことからも分かることです。
キャバクラにおいて生理的欲求はそれほど重要なポイントではないのです。
生理的欲求は男性のオスとしての部分で起こる欲求ですが、社会的欲求は社会的な部分で起こる欲求です。
男性は社会的な生き物であり、生理的欲求以上に承認欲求・支配欲求・優越欲求に駆り立てられることが女性とは比べ物にならないほど強いものです。
このことは、これらの欲求を満たすためには生理的欲求さえも押さえつけられる男性が多いことからも分かるでしょう。
このうちの承認欲求を満たすテクニックが「褒めあいづち」なのです。
ほめるという技術は、カウンセリングでも用いられるものであり、人を癒す効果が非常に強い技術です。
それほど美人ではないのになぜか男性からモテる女性がいますが、そのような女性は褒めることがとても上手であることから彼氏を作ったり、理想の旦那さんを見つけるのも非常にうまいということが多いものです。
褒めあいづちのテクニック
しかし、なんとなく褒めるだけではお世辞やごますりと捉えられて逆効果になることもあります。
では、うまく実践していくためにはどうすればよいのでしょうか。
誰でも簡単に、効果的な褒めあいづちをしていくためには、まずはお客さんが以下のいずれに当てはまるかを考えてみましょう。
- 称賛タイプ
- ねぎらいタイプ
- 自由人タイプ
- 母の愛タイプ
これらのタイプ別に褒めあいづちの方法が変えていくことになりますが、いずれのタイプにも共通するルールがあります。
それは、タイミングとチェックです。
褒めあいづちはタイミングが重要です。
褒めあいづちを使うタイミングは、お客さんの会話を聞き、大きくうなずいたりお客さんの会話を簡単に要約する形で返事をするときに使うのが効果的です。
チェックとは、褒めあいづちがお客さんに効いているかどうかのチェックです。
褒めた後にお客さんの反応を見て効果があるかどうかをチェックするようにしましょう。
会話の中でお客さんを観察するうちに、お客さんのYESのサインとNOのサインが分かっていれば、
褒めあいづちの後にYESのサインが出るか、それともNOのサインが出るかを確認することによって効果を知ることができます。
YESが出たならばその調子で褒めあいづちを続けていき、NOのサインが出たときはお客さんのタイプの判断が間違っていたのですから、褒め方を変えていく必要があります。
称賛タイプへの褒めあいづち
称賛タイプとはどのようなお客さんかといえば、「厳しいお父さん」のようなお客さんです。
例えば、お客さんとこんな会話をしたことがないでしょうか。
「昔は『苦労は買ってでもしろ』って教えられたもんだが、最近じゃそんなことは言わなくなったみたいだな」
「最近の若いモンは常識が無くて困る」
「男なら○○すべきだ」
「女は結婚したら家庭を守るべきだ」
「若いヤツは掃除から始めるべきだ。掃除ができないヤツは何をやらせても駄目だ」
悪く言えば偏見が強い、古い道徳観念を強く持っている、権威的なところがある、非難しがち、排他的な物言いを好むなどの特徴を持っている人のことです。
よく言えば折り目正しい、道徳観や倫理観を強く持っているということができるでしょう。
口調は恩着せがましく、押しつけがましく、説教じみているという特徴があります。
このようなお客さんは称賛タイプに分類されます。
称賛タイプのお客さんの物言いには、少し反発したくなるようなものもあるでしょうが、反発は厳禁です。
称賛タイプのお客さんは、厳しさを褒めれば気分を良くすることが多いため、単純で扱いやすいものです。
プロのキャバ嬢ならば、反発心を起こすのではなく「しめしめ」と思って褒めあいづちの餌食にしてしまいましょう。
「○○さんって自分に厳しいですよね。
だから今の○○さんがあるんですね」
「さすがですね。
ストイックに仕事ができる○○さんだからこそできることですね」
「○○さんの規律正しさには尊敬します。
お子様の教育も熱心で、きっと素晴らしいお子様なんでしょうね」
このように、単に褒めるというよりは称賛するのがポイントです。
このような褒めあいづちは、称賛タイプ以外のお客さんでも言われて悪い気はしないことが多いため、汎用性の高いオーソドックスな褒め方であるともいえます。
また、称賛タイプのお客さんはすごいと思われたいという承認欲求を強く持っていますから、「すごい!」を付け加えるとさらに効果的です。
例えば、
「商談を成立させたんですね。
さすがです。
仕事に厳しく誠実な○○さんだからこそできたことですね。
すごい!」
というように。
ここで注意すべきことが一つあります。
それは、称賛タイプのお客さんを褒めるときには、上記のように褒めているばかりでは空々しく聞こえて怒らせてしまうことがあるという事です。
そうならないためには、その褒め言葉の根拠となる部分とセットにして褒めることが有効です。
お客さんの話のなかには、お客さんの経験・行動・感情があるものであり、褒めるための根拠もあることでしょう。
この根拠の部分に、社会的に見て凄いという内容を盛り込むと非常に効果的になります。
このことの分かりやすい例として、同じ内容を褒めるにしても、以下の二種類が考えられます。
パターン1
A社の営業部長をされているなんてすごいですね。
A社といえば業界最大手ですよね?
そんな会社の営業部長さんと話せるなんて。
商談もさぞかし大きいことでしょうが、業界最大手の会社の営業なんて私にはとてもできない。
責任が大きすぎます!
パターン2
A社という業界最大手の会社で営業部長という素晴らしいポジションにつきながら、そのポジションについてからも自分を律して勉強されていますし、その厳しさがすごいですね。
尊敬します。
パターン1も褒めちぎっていますが、この褒め方はお客さん自身ではなく会社を褒めてしまっています。
しかも、「自分が営業部長だったら・・・」という展開をしています。
これではお客さんはそれほど嬉しくないばかりか、「君が営業部長だったらって?」と怒らせてしまうかもしれません。
しかし、パターン2では会社を褒めると同時にお客さんの仕事に対する姿勢を具体的にほめています。
お客さんをしっかりと理解したうえでのほめ言葉であり、お世辞と取られる可能性も小さくなります。
このように、お客さんのことをしっかりと理解していることを示しながら素晴らしい、すごいと褒めていけば、称賛タイプのお客さんはきっとあなたのことを気に入ります。
ねぎらいタイプへの褒めあいづち
次に、ねぎらいタイプへの褒めあいづちを勉強しましょう。
ねぎらいタイプのお客さんは、簡単に言えば「優しいお母さん」のイメージです。
ねぎらいタイプの会話には以下のような特徴があります。
「君はいつも頑張ってくれるから本当に助かるよ」
「疲れてないかい?あんまり無理せず適度に休みなよ」
「体調はどう?風邪が流行ってるからあったかくしとけよ」
「大丈夫。俺に任せて」
「困ったことがあればいつでも言っておいで。力になるよ」
この言葉からも分かる通り、ねぎらいタイプのお客さんは優しく、思いやりがあり、親切な人です。
誰からでも好かれるタイプの人でもあります。
ねぎらいタイプの人は、いつも誰かに親切にする、愛情たっぷりの人です。
このようなタイプのお客さんに対しては、その心遣いに響くようにねぎらいで褒めあいづちをするのがようでしょう。
最も簡単なのは、過去形でねぎらい褒めることです。
例えば、以下の会話の通り。
最近はうちの業界は不景気でねぇ。
うちの会社はまだマシなほうなんだけど、本当はキャバクラに飲みに出てる余裕はないんだよ。
でもくよくよしてばかりもいられないしね。
○○さんのところも大変だったんですね。
顔に出さなかったから分かりませんでした。
うん、今回はいつも以上に大変だったね。
といっても、今ではキャバクラに行けるくらい持ち直したけど。
この会話のポイントは、お客さんが「不景気で大変。キャバクラに飲みに来る余裕もない」と言っていることに対して「大変なのですね」ではなく「大変だったんですね」と過去形でねぎらっていることです。
このように言うと、お客さんは今も厳しい状況でも大変だったのはなんだか少し前のことで、今は良くなっているかのように錯覚するのです。
ただねぎらうだけではなく、大変な状況の中で気分が暗くなりがちなお客さんの気持ちを明るくすることもできます。
ただ過去形にするというだけのテクニックなのですが、それだけでお客さんとの距離を一歩縮めることができます。
また、同時に「顔に出さなかったからわからなかった」と、弱みを周囲に見せない強い男の部分を褒めています。
さて、このお客さんのどこがねぎらいタイプであるのか、会話を読んで分かったでしょうか?
ねぎらいタイプとは周囲への配慮を忘れないタイプのことです。
このお客さんの言葉の中には、
「うちの会社はまだマシなほうなんだけど」
「くよくよしてばかりもいられない」
というものがあり、これが周囲への配慮であると言えます。
この配慮を褒めるのが、ねぎらいタイプを褒めるときのコツです。
だからこそ、周囲まで暗くさせないためにくよくよした顔をしないお客さんに対して、「顔に出さなかったからわからなかった」ということをセットにして「ねぎらい褒め」をするのです。
ねぎらいタイプの人は、言葉だけではなく行動にも親切心が現れるため、行為を褒めるのも効果的です。
例えば、
- 風が冷たいとき、オープンカフェなどでひざかけをもらってきてくれた
- 荷物を運んでいる時に手を貸してくれた
- 段差がある時に手を取ってフォローしてくれた
などです。
この時には「ありがとう」ということでしょうが、キャバクラでは「ありがとう」だけではなくねぎらい褒めをプラスします。
「ありがとう。
私が寒いと思っていたことに気づいてくれて。
とても嬉しいです。すごく温かいお人柄なんですね」
いつもは「ありがとう」というだけで、このようなねぎらい褒めは言い慣れない人が多いことでしょう。
そして、このような褒め言葉をつらつらと述べることは気恥ずかしく感じるかもしれません。
しかし、言い慣れてしまえば恥ずかしくなくなります。
「優しい」という褒めポイントがせっかくあるのですから、そこで褒めずに関係を深めないのはもったいないことです。
ちなみに、このねぎらい褒めは称賛タイプのお客さんにも活用できるものです。
ただし、活用できるのは一部だけで、それは「厳しいお父さん」のような発言が多いものの、そこへ称賛褒めをしても喜ばないお客さんです。
こんな場面を見た事があります。
ある称賛タイプのお客さんが、
今年の新入社員は使えないヤツばっかりだ。
気が利かないし、根性もないし、ラクをしようとする。
いつまで学生気分でいるんだろうな。
と若い社員や秘書の愚痴を言っていたことがありました。
接客していたキャバ嬢は、
○○さんのような厳しさがあってこそ、会社の業績も良くなっていきますからね。
でも、○○さんくらい仕事に厳しくなれる人が少ないのかもしれませんね。
と、称賛褒めをしたのですが、お客さんは喜ぶことなく、沈黙してその会話は終わってしまいました。
次に再び新入社員の話が出たとき、そのキャバ嬢は称賛褒めからねぎらい褒めに変えて、
○○さんの会社は業績が伸び続けてすごいと思っていたんです。
○○さんは何かが違うなって。
でも、その背景にはやる気のない社員や力のない社員への気苦労が絶えないんですね。
大変だったんですね。
今日の話を聞くまで気づきませんでした。
と言ったところ、そのお客さんは
そうなんだ。特に~~なんてね・・・
と話が展開し、徐々に自分の弱みなども話し始めたのです。
元々自分に厳しい称賛タイプのお客さんは自ら弱みをさらけ出すことはないものなのですが、ねぎらい褒めをすることで「この子は分かってくれた」という安心感が生まれ、何でも話したくなってしまうという感情が芽生えたのです。
称賛タイプでありながらねぎらいを受けたいと思っている人は、いつも称賛褒めばかりをされてうんざりしていることがあるものです。
そこへねぎらい褒めをすればぴったりハマり、お気に入りになることができます。
お客さんのタイプにぴったりとハマる褒めあいづちができれば、会話は必ず盛り上がっていくものです。
タイプごとのスタンダードな褒めあいづちで効果が見られない時は、違う褒めあいづちを試していきましょう。
もっとも、もし相手のタイプにハマらない褒めあいづちをしてしまったとしても、褒め方はどうあれ褒められて嫌な気分になることはないため、褒め方を失敗してもそれほどマイナスの影響はありません。
外すかもしれないと臆病になることなく、もし褒めたときにNOのサインが出たり会話が盛り上がっていかなかった場合には、さらに色々な角度から褒めていくことが大切です。
自由人タイプへの褒めあいづち
三つ目は自由人タイプです。
いくつになってもやんちゃで子供っぽい男性がいるものですが、自由人タイプがこれに当たります。
自由人タイプの会話の特徴は、言葉の端々に厳格さやねぎらいが現れるというものではなく、テンションが高いという特徴があります。
天真爛漫、やんちゃ、無邪気などといった表現もできるでしょう。
普通なら嫌われることをしていてもなんだか許せてしまうような人です。
少し極端な例ですが、お笑いトリオのネプチューンのホリケンのようなタイプです。
このタイプの人は、天真爛漫で自分の直観力や創造力に素直であり、言動がとにかく自由です。
自由人タイプへの褒めあいづちでは、この自由さを褒めるのが効果的です。
しかし「自由さ」という漠然な概念を褒めろとだけ言われても難しいですね。
自由さの表れは、自分の感情や欲求を素直に表現しているところにあります。
したがって、感情や欲求に絡む発言などが褒めポイントになります。
話を注意深く聞いていると、感情表現が非常に豊かなのが分かります。
ちなみに、自由人は自由を愛する人ですから、キャバ嬢が自由に振る舞っても気分を害することが少ないものです。
褒めあいづちをするにしても、根拠はそれほど必要なく、自由な褒め方を受け入れてくれるものです。
そのため、
などの感嘆詞を高いテンションで言ってあげるのが良いでしょう。
といっても、お客さんのテンションの度合いに合わせて、声のトーンやテンポなどを合わせる必要はあります。
例えば、こんな話があります。
お客さんのAさんは自分で始めたお店を大きくし、今や10店舗を経営している社長なのです。
話す内容も大きな取引の話や自分の頑張り、知り合いの著名人などの自慢話ばかりです。
普通、自慢話は敬遠されがちなものですが、なぜかAさんはキャバ嬢からも人気があり、誰からも好かれているのです。
その秘密は、Aさんの話し方にありました。
Aさんは自慢話をした後に、必ず笑いながら「すごくない!?」と言うのです。
ただ自慢するだけではなく、天真爛漫に、無邪気にそういわれてしまうと周りは嫌な気分にならず「すごい!」と言います。
なんだか、子どもが「一人でおつかいに行ってきたよ!すごいでしょ!?」と自慢するのに対して、母親が「すごいねー!えらい!」とほめてあげるのに似ています。
もしこのことに気づかずに「積極的に人脈を作ってきたからこそ、今の成功があるのですね」などと称賛ぼめをしてしまうと、お客さんは温度差を感じて話が続きません。
そこは、お客さんのテンションに合わせて「すごい!(笑)」とオウム返しでほめてあげるのが効果的です。
実際、その席でも「すごくない!?(笑)」と言いまくるAさんに対して、キャバ嬢が「すごい!(笑)」と言いまくっていると、Aさんはだんだん気分が乗ってきて自慢話をどんどんと話し始めました。
とにかく無邪気にはしゃいで大いに楽しむことができたのです。
上述の通り、自由人タイプのお客さんは細かいことは気にしませんから、キャバ嬢も細かいことは気にせずテンションを上げて「すごい!」とほめてあげるのがポイントです。
このほか、より効果的にほめていく方法があります。
自由人タイプの人は欲求面でも開放的であるため、男の色香とでも言うものを振りまいていることがあります。
その場合には、その部分を褒めると効果的なのです。
他のタイプのお客さんに対しては褒めポイントにはなりませんが、自由人タイプのお客さんには効果的なのです。
例えば、Aさんは欲求に素直であるため席に着いたキャバ嬢を頻繁に口説くのですが、自由人タイプはストレートに「ドレスがすごく似合っているね。かわいいよ」などと表現するのが特徴です。
私の友人にも自由人タイプの人がいますが、席に着くキャバ嬢は全員口説き、「かわいいね」「今日泊まりに行っていい?」などと言っています。
そのようなお客さんに対しては、
○○さんって、今時の20代の男性より全然若々しくて男らしくて素敵です。
などとほめるのです。
そうすると、お客さんは
そうだろ?俺の若さの秘訣は・・・
と饒舌になることでしょう。
また、このようなタイプの自由人には、軽くボディタッチなどするとより一層効果的になります。
自由人を褒めるときは、気軽に楽しみながらほめるのがポイントです。
母の愛タイプへの褒めあいづち
最後は母の愛タイプです。
これは、簡単に言うと「いじけんぼ」です。
特徴的な会話の例は以下の通りです。
内容を入力してください。
「いつも社員が困らせるんだ」
「全然理解してもらえない」
「なんか物悲しいな」
「もういいよ」
「よくわからないな」
母の愛タイプは、前出の自由人タイプと正反対の性質を持っています。
自分の感情を抑えてあまり出すことがなく、自分の要求をきちんと表現しない人が多いです。
NOと言えない日本人の典型的な例であり、はっきりしないな、煮え切らないなという印象を持たれがちな人です。
ねぎらいタイプとも違います。
ねぎらいタイプは人に親切に接して多くの人から好かれますが、母の愛タイプの人は人に嫌われないために気を使って遠慮するからです。
こちらから気を使うとその人には負担を感じさせてしまうことになります。
また、自分を抑えていることから、このタイプのお客さんがキャバクラなどでお酒を飲むと愚痴っぽい話が多くなります。
このタイプの人が求めているのは、母のような無償の愛です。
それを与えるように褒めていくと効果的になる場合が多く、ねぎらい褒めの変形とも見ることができます。
つまり、「自信なさげでくよくよしがちなあなただけど、それでいいんだよ」という無償の愛を送るのです。
実践する時には、「ふ~ん、そうなんだぁ・・・」というような言い方をしますが、この時「大変だったね」「無理もないよね」などといったセリフを含ませるのがポイントです。
このタイプのお客さんにたいしては、称賛タイプ・ねぎらいタイプ・自由人タイプとは違って積極的に口に出して褒めることはしません。
ここで積極的にほめ続けると、怒る場合があるからです。
なぜならば、このタイプのお客さんは自己肯定感が低い卑屈な人であるケースがあり、そのような人は褒め言葉を向けられても信じられず、嫌味を言われていると捉えることがあるのです。
ここまで挙げてきた4つのタイプの中でも、一番苦労するのはこのタイプのお客さんです。
お互いに気を使ってしまい、疲れるだけで楽しんでもらえないということも珍しくありません。
もし初めて接客するお客さんに対して「控えめだな」「気を使っているな」と感じたならば、母の愛タイプであることを想定して積極性は控えめにしましょう。
その代わりに、「うん、うん」と応答しながら話を促す通常のあいづちを打つようにしてください。
このことの具体例を一つ紹介しましょう。
Bさんは一代で会社を成功させた成功者で、非の打ち所がない完璧な人です。
話し方を聞いてみると、批判や偏見が強く、権威的で、称賛タイプであると思わせます。
イエスマンばかり集めたがる人であるため、キャバクラに遊びに来ても席に着くことができるキャバ嬢は気に入られているごく一部のキャバ嬢だけです。
ある日Bさんがお店に行くと、イエスマンキャバ嬢たちがいなかったため、いつもは接客をしないナンバーワンキャバ嬢が接客することになりました。
ナンバーワンは下手なことは言わない方が賢明だと判断し、最初は観察に徹して話を聞いていました。
すると、一つの特徴が見出せました。
Bさんは批判的な話をした後に、しばしば
まぁこんなこと言っても、結局だれもわかってくれないだけどな。
と言っていたのです。
もしかしたらいじけんぼなのではないかと思ったナンバーワンは、
そうなんですか・・・
と言い、言葉の後には
誰も分かってくれないのは辛いことですね。
と含ませました。
このような対応を継続している内に、30分くらいが経った頃、
君は、俺みたいなやつの話をよく聞いていられるな。
普通なら嫌な顔をされるもんだけど、真剣に聞いて大したもんだ。
今度同伴してあげよう。
ノルマもあるだろうし。
と言われたのです。
気に入った人しか寄せ付けないBさんがそんなことを言いだしたものだから、周りのキャバ嬢や黒服はみんなびっくりしていました。
このナンバーワンのように、厄介そうだと思ったお客さんに対しては、最初は観察してタイプを見抜き、適切な褒めあいづちができれば一流と言えるでしょう。