キャバクラはクレームの多い業種です。
酔っ払いを相手にした商売ですから当然ですね。
果たしてどんなクレームが多いのでしょうか。
キャバクラの客が行うクレーム
世の中のよろずのビジネスには、クレームがつきものです。
それはキャバクラでも同じことです。
クレームは、迷惑・面倒くさいと感じられる一面もありますが、クレームを客の生の声と捉えることもできます。
どちらと捉えるかによって、そのキャバクラ店の将来が決まるといってもいいでしょう。
クレームを迷惑だと敬遠しているならば、競争力が高まらずに成長することは望めません。
クレームには積極的に耳を傾ける必要があるのです。
では、キャバクラ店に対して客がクレームを付ける場合、どのようなクレームがあるのか、代表的なクレームを紹介しましょう。
指名のキャバ嬢がつかない
客はお気に入りのキャバ嬢から接客を受けたいと思って来店するのですが、そのキャバ嬢が多くの客から指名されているならば、複数の席を回ることとなります。
人気のキャバ嬢になればなるほど、この傾向は高まります。
複数の指名客が来店しているならば、一人当たりの接客時間は短くなってしまいます。
このこと自体にも2種類あります。
一つは、接客時間が短いことに対するクレームです。
二つ目は、接客時間が短いことは仕方ないと納得しているものの、他の客よりも短いと感じてしまい、不公平だというクレームです。
このどちらの場合にも、素早く解決するためには指名キャバ嬢自身が客に説明して理解を求めるのが良いでしょう。
それでも収まらない場合には、お店の責任者が客のクレームに耳を傾けます。
決して嘘をつかずに対応し、客のクレームをすべて吐き出させます。
最初のうちは客は興奮して色々なことを言われることでしょうが、吐き出させるうちに落ち着いてくるものです。
実際に現場を見てみると、最初は色々と言っていた客も、言うだけ言ってさっぱりしたというケースもよくあります。
キャバ嬢がつかない
キャバクラにそんなことあるの?と思ったかもしれませんね。
実はあるんです。
来店した客に対して、人数分のキャバ嬢がつかないというものであり、これを「マイナス営業」と言います。
当然ながら、客はキャバ嬢から1対1の接客を受けることを期待しています。
また、指名のキャバ嬢が席を外したときには、すぐにヘルプのキャバ嬢が来るものだと思っています。
しかし、実際の現場では、お店が予想していたよりもずっと多くの客が来店することもあり、そうなるとキャバ嬢の数が足りなくなることがあるのです。
例えば、3人で来店した客に対してキャバ嬢が2人しかつかないなどといった状態です。
時には、キャバ嬢が1人しかつかないこともあります。
客が単独で来店した場合には、キャバ嬢が誰もつかないこともあり得ます。
このようなケースの場合、客はほったらかしにされていると思うもので、待つのもタバコを1本吸う時間が限界でしょう。
時間にすると5分くらいのものです。
客によっては10分くらいは待つことができるかもしれませんが、待ちかねた客は自分でお酒を作り始めたり、雑誌などを読み始めたりします。
そうなれば、客はかなり腹立っている状態と言えるでしょう。
男性スタッフにどなりだす客もいるかもしれません。
このような事態になってしまうことが予想されるならば、客を案内する前にマイナス営業であることを事前に伝えてから案内する必要があるでしょう。
その際には、時間のカウントはキャバ嬢が席についてからという事も伝えることで、客の怒りを防ぐようにします。
もしくは、入店してもらわずに他の場所で待機してもらうのが良いでしょう。
他の場所で待機してもらうならば、気の利いた男性スタッフがいれば指名のキャバ嬢を呼んで「待っててね」「後で会おうね」「楽しみにしてるよ」などと言ってもらう様に図ることもできます。
他の店に行くと言い出す客も多いことでしょうが、指名のキャバ嬢に一言声かけをさせれば、次回の来店につながるというメリットもあります。
料金の計算が違う
もちろん、金額を故意にごまかせば犯罪になってしまいますから、計算そのものは合っているはずです。
しかし、カウント方法が納得できないと言い出す客がいます。
例えば、伝票のスタート時間が早い、時間が残っているのに終了を告げられた、チェックと言ったのにすぐにチェックされないなどが考えられます。
客は金を払ってキャバ嬢と過ごす時間を買っているのですから、料金への不満は大きなキズになりかねません。
忙しい時などは、お店側としては回転率を高めるために素早く計算を済ませようとするかもしれませんが、それよりも正確な計算を心がけるべきでしょう。
他の客に比べて扱いが雑
キャバクラには「置き」というサービスがあります。
これは、会計を済ませた後も無料で客の滞在を許すというものです。
もしある客が「置き」のサービスを受けたにもかかわらず、ある客にはそのサービスがなかったならば、不満を抱く客が出てきます。
そこでクレームが発生します。
特定の顧客に特別扱いをすることは、お店の顧客獲得戦術として有効なものです。
特に、その客があと少しで固定客になりそうだというとき、またはその客がいつも通ってたくさんのお金を落としてくれる上客である場合など、キャバクラに限らずどの業界でもあることです。
特別扱いをすることは、顧客の識別にもつながるため、その意味での効果もあります。
しかし、もしその特別扱いが他の客の不快感につながるようなやり方になっていれば、クレームの原因になりかねません。
客の扱いを心得ており、さらにそれぞれの客の性格上の特性を知っているキャバクラ店などでは、上客だからこそ時と場合によっては特別扱いをしないこともあるようです。
例えば、お店が忙しくてキャバ嬢が足りず、上記の様なマイナス営業になってしまったとき、常連から先にキャバ嬢を抜いて一般の客に振り分けるのです。
常連の客はお店に対して仲間意識を持っているため、少々無理をお願いしても我慢してくれる可能性が高いからです。
また、常連がマイナス営業を受けているならば、他の客はなかなかクレームを言いづらいという効果もあります。
ヘルプの態度が悪い
キャバクラ店は、キャバ嬢に対して特別な講義をするなどして教育が行われることは少なく、実際に仕事をしながら学んでいくことが多いものです。
この教育方針をOJTと言います。
その方が教育コストがかからず、さらに実践的な訓練を積むことができるからです。
しかしながら、OJTを行うためには、経験の浅いキャバ嬢を現場に出すことになるため、客からは不満が出る可能性も高いです。
未だ教育が浅いキャバ嬢もが現場に出ることによって、客からは「接客がなっていない」「態度が悪い」「お酒の作り方が下手」などといったクレームが出るのです。
そのため、もし入店したキャバ嬢が全くの新人であったり、入店間もないキャバ嬢であったならば、現場に出る前に特別な教育をするのが好ましいのですが、実際には多くのキャバクラ店では慢性的な人材不足に陥っているため、やむを得ずOJTに頼ることになっているのが現状です。
したがって、新人のキャバ嬢が現場に出る際、客が先生になるのですから、客選びが重要になります。
客の中には、新人のキャバ嬢を自分の手で育てることを楽しみにしている客が必ずいるものです。
そのような客が来店しているならば、お店の責任者クラスが「今日は言ったばかりのキャストですが」とことわって席につかせることができます。
しかし、そのような客でも、いつでも新人キャバ嬢の教育がしたいのではなく、時には普段通りの接客を受けることを望んでいることもありますから、その時は避ける必要があります。
このほか、ベテランでも態度が悪いキャバ嬢、またはお酒に酔ってしまったり体調がすぐれないためにいつもの接客ができなくなってしまったことによってクレームが出ることもあります。
その様な場合には、キャバ嬢にお店から注意を促し、それが若いキャバ嬢である場合には問題点の具体的な指摘と改善方法の提案が必要となることでしょう。
それでも改善されない場合には解雇となります。
男性スタッフの態度が悪い
キャバクラに来店した客というのは、すでに酔っ払いっていることも多く、男性スタッフに対するクレームが付けられることもあります。
クレームの対象となる問題には二種類あり、失礼な言葉遣いや態度があったという直接的な問題、または動きがのろまである、呼んだときに気づかなかったなどの間接的な問題があります。
これは、上記の「ヘルプの態度が悪い」と同じく、教育に問題があります。
割引券が使えなかった
割引券が動機となって来店する客は多いものです。
しかし、割引券が使えなかったというトラブルが起こることがあります。
しかも、キャバクラというお金のいる遊びの際に割引券を使うということに、どこか恥ずかしさを感じている客も多いもので、その気持ちを押し殺して割引券を差し出したにもかかわらず「使えません」と言われるとクレームになることが多いのです。
割引券に使用条件が明記されているならば、それを提示して丁寧に説明することとなります。
店がそれほど忙しくなければ、別の割引条件を提示して入店してもらうという配慮を行う優良店もあります。
風紀違反が見られる
キャバクラにおける風紀違反とは何かというと、キャバ嬢と男性スタッフの恋愛のことです。
色々な会社で社内恋愛はありますが、キャバクラは別です。
客はキャバ嬢との疑似恋愛を楽しむために来店しているのですから、絶対に客に知られてはなりません。
もし風紀違反の噂が流れれば、そのキャバ嬢の指名客は来店しなくなってしまうでしょう。
上記がキャバクラにおけるクレームの代表的な例です。
運営側だけではなく、キャバ嬢の一人ひとりがクレームの内容を知ることで、クレームが発生しないように気を配ることもできるでしょう。
クレーム対応で客の心をつかむ
最初にも書きましたが、クレームは客の生の声として前向きに受け止めるべきでしょう。
実際、日経BP社が消費者に対しておこなったあるアンケートで、「アフターサービスに不満があったらどうしますか?」という質問に対し、以下のような結果がえらえました。
- 二度とそのメーカーの製品を買わない
- 友人や知人にそのメーカーの不満を話す
- サービス会社や販売店に電話をする