仕事がなかったためになんとなくキャバ嬢になった女の子が地道な努力を続けた結果ナンバーワンになり、支配人になったと言うサクセスストーリーを紹介します。
地道な努力が活きるキャバクラ
今は10代からキャバ嬢を始める女の子も多いものですが、キャバ嬢のAさんは24歳から働き始めました。
キャバ嬢になる前は理容師として働いていたのですが、仕事を辞めて次の仕事を探していたときに友達からキャバクラに誘われたことがきっかけです。
最初は本やテレビの影響もあり、キャバクラを初めとして夜の仕事全般にエッチなイメージを持っていたため迷いもありましたが、なにしろお金がなかったため思い切って面接を受けてみました。
面接で話を聞いてみると、最初に抱いていたイメージは払しょくされました。
スタッフの対応がしっかりとしていたし、お店の雰囲気も良かったからです。
ここなら安心して働けそうだと思ったため、面接に合格して働くことにしました。
しかし、いざ働き始めてみれば仕事の難しさを痛感しました。
お客さんのお酒の相手をしていればそれでいいと思っていたのですが、それだけではお客さんは喜んではくれなかったのです。
単に一緒に呑めばいいと思って軽い気持ちで入ったキャバクラでしたが、キャバ嬢はプロの接客術を求められる仕事だということに、早々に気づくことになりました。
何に苦労したかといえば、最初に苦労したのはお客さんとの会話です。
お客さんの多くは彼女よりも年上ですから、礼儀やマナーも求められます。
18歳くらいの若いキャバ嬢であれば、礼儀やマナーが多少つたなかったとしても「かわいいな」で済まされることもありますが、彼女はすでに24歳でしたからそうもいきません。
しかし、それ以前に初めて会った男性と何を話したらよいのか全く分からないのです。
それでも毎日お客さんと話していると、次第に会話ができるようになってきました。
人と会話することに対して多少の苦手意識がありましたが、キャバクラで働けば意外と平気になりました。
しかし、会話をすることが平気になったくらいでは通用しないのがキャバクラの難しいところです。
普通の会話をすればお客さんは退屈しなくなりますが、それだけでは指名を取ることはできないのです。
彼女をキャバクラに誘った友達はルックスが良かったため、いとも簡単に指名を取ることができました。
結果的には、ルックス頼みの指名は長続きしないのですが、彼女は自分と比較して頑張りが足りないと焦り、地道な努力を続けることとなりました。
お客さんに毎日メールを送り、休みの日にもお客さんから誘われれば積極的に食事に応じました。
電話が得意ではなかった彼女は、主にメールでやりとりをしました。
このような努力は着実に実り、結果が出てくると仕事が楽しくなってきました。
指名してくれるお客さんも次第に増えていきました。
一緒に仕事を始めた友達は彼女のような地道な努力をしなかったため指名も長続きせず、2年ほどで辞めていきました。
彼女が長く続けられたのは、一時的なアルバイト感覚ではなく、ほかの仕事と変わらない職業としてみなし、地道に頑張ることができたからです。
ナンバーワンのプレッシャー
指名がもらえるようになると、お客さんからの口説きも始まります。
口説きがしつこいお客さんを相手にするときなどは、それに悩んで病んでしまうキャバ嬢もいます。
このような時にははっきりと断ることが大切でしょう。
彼女も勇気を振り絞って「無理です」と伝えましたが、そういったからといってお客さんがお店に来なくなることはなく、友達のような感覚で指名を続けてくれました。
単にこのような口説きを断るだけではお客さんが離れていったかもしれませんが、彼女はお客さんと付き合うことはできないものの、それでも気遣うことに集中しようと考えることで、指名を維持することができました。
そのような努力を維持しながら何年か仕事を続けていくうちに、たくさんの指名を獲得できるようになり、ついにナンバーワンになることができました。
ナンバーワンになればたくさんのお金を稼ぐことができ、お金が稼げると楽しくなりました。
仕事が楽しくて仕方ないと感じるようになり、お店の定休日以外の全ては出勤したこともあります。
キャバ嬢としていつまでも働きたいと思うようになったほどですが、人気になったことで大きなプレッシャーを感じるようになりました。
もし人気がなくなってナンバーワンから落ちてしまえば、同僚のキャバ嬢やお客さんから「あの子、人気がなくなったね」と思われるかもしれないと非常に不安になり、プライドが高い彼女はそうなりたくないと強く思うようになりました。
もし他の女の子に抜かれてしまえば、ナンバーワンだからこそ維持できていたモチベーションが一気に下がってしまい、お客さんも離れていくのではないかと考えたのです。
そんなとき、お店のママが個人ミーティングで色々な相談に乗ってくれました。
すると、自分が少し難しく考えすぎていたことに気づきます。
ママの話はシンプルで、
「お客さんは特別扱いされたい、モテたい。それがニーズ」
「キャバ嬢の仕事は気遣うことだけ」
というものでした。
これがあればお客さんに来させようとしなくとも、お客さんは来たくなるものです。
この考え方で彼女の頭はすっきりとし、また居心地の良さを感じながらのびのびと働けるようになりました。
支配人になる
働き続けるうちに8年が経ちました。
8年も働いたことがあるのは彼女だけでしたから、長くいただけにお店のこともよくわかるようになりました。
お店をよく知る先輩として後輩の指導をする機会が増えてくると、後輩の育成やサポートを仕事にしたいと思うようになりました。
お店のために働くことを考えると、キャバ嬢側として働くよりもスタッフ側として働いた方がより高みを目指すことができます。
支配人として働きたいと考えるようになった彼女は、今も自分なりの工夫を取り入れて支配人を務めています。
これまでのお店のスタイルは崩さず、しかしナンバーワンとしての経験を活かすことによって、彼女にしかできない工夫もできるというものです。
仕事がなかったためになんとなくキャバ嬢になった彼女が地道な努力を続けた結果ナンバーワンになり、長く勤めて支配人になりました。
彼女さえ望み努力を勤めるならば、彼女は一生キャバクラ業界で働くことができるでしょう。
キャバクラには、このようなサクセスストーリーもあるのです。