素人性が好まれるキャバ嬢、どのように素人性を演出している?

お客さんがキャバ嬢に求めているものは何なのでしょうか。

それを知るためには、キャバクラの起源に少し触れるのが良いでしょう。

1980年代、素人ブームというものがありました。

素人の女性がテレビに出演したり、雑誌のグラビアに出演したりすることによって、素人を好む男性が増えたのです。

当時の水商売にはまだキャバクラが存在せず、クラブのホステスが主流でした。

ホステスはプロであり、素人っぽさがありません。

そこで、平たく言えば素人の女性を集めてホステスの真似事をするかのようにキャバクラが出来上がり、素人ブームに乗ってキャバクラブームが巻き起こったのです。

キャバクラと素人性

今でも、キャバクラにくるお客さんの多くはキャバ嬢に素人らしさを求めています。

つまり、見た目はいかにもキャバ嬢という派手な身なりであるものの、実際に話してみると普通の女の子というものを求めているのです。

水商売の女性らしく着飾っている女性が、喋っているうちに素人っぽさをにじみださせてくることを好みます。

新人キャバ嬢を好むお客さんがいますが、そのようなお客さんはまだ水商売につかりきっていない、素人っぽさをふんだんに持っている雰囲気を楽しみたいと思っています。

例えば、「普通の女子大生でありながらキャバ嬢になりました、いつもはお勉強を頑張っています」というのがうけるのです。

一部の高級キャバクラになるとホステスに近いプロのキャバ嬢が多くなりますが、それ以外のお店では素人の女性がアルバイトとしてキャバ嬢をしているのが9割です。

お店は素人の女の子を集め、それっぽいメイクと服装をさせ、キャバ嬢を演じさせて営業していると言っても過言ではありません。

素人であるがゆえに満足な接客はできず心配だ、というのではなく、むしろ素人っぽさを売りにしています。

水商売のプロであることを感じさせない、普通の女の子らしさを売りにしているのです。

キャバ嬢とホステスの違い

このように書くと、ならばクラブのホステスも素人っぽさを売りにすることができるのではないか?

なにもキャバクラだけの売りなのではないのではないか?

という疑問があるかもしれません。

実際に、高級クラブのホステスも、素人っぽさを魅力とすることもあります。

しかし、それはあくまでもテクニック上でのことであって、にじみ出る素人っぽさではありません。

なにしろ、ホステスの平均年齢はキャバ嬢の平均年齢よりも高いのです。

「素人っぽさ」ということが「若さ」や「幼さ」と強く関係している概念であることからも、ホステスは素人っぽさを売りにすることは難しくなります。

あるキャバ嬢は、ホステスについて次のようなことを言っていました。

ホステスはキャバ嬢とは全然違いますよ。

だって、キャバ嬢はアルバイトと考えている子が多いけど、ホステスは水商売で生きていくって人ばっかりですからね。

キャバ嬢に比べて、ずっといい女ばっかりだと思います。

お客さんも、女の子ならだれでもいいって人ならキャバクラに来ますけど、見る目のある人はホステスがいいと思うでしょうね。

たしかに、キャバクラにはクラブのようにママがいません。

ママは水商売で生きていく女性の態度や思想をホステス達に伝え、プロに育て上げています。

クラブのママはホステスに「おもてなしのプロ」であることを求めているため、接客は非常に厳しく指導されます。

例えば、ソファに少し背中をつけただけで叱られてしまいます。

一方、キャバクラではそのようなことはありません。

泥酔したり、お客さんに断らずタバコを吸ったり、接客中に居眠りをしたり、明らかに接客態度が悪ければお店のスタッフから叱られてしまうでしょう。

しかし、基本的にはそのようなことはなく、黒服たちは指導係というよりは盛り上げ役です。

キャバ嬢たちが指名を取れるように励ましたり、営業メールの内容を一緒に考えたり、何か必要な物を買ってきてくれたりします。

ノルマがあるお店もありますが、決して不可能なノルマが設けられていることはなく、クラブに比べるとかなり楽であると言っていいでしょう。

お酒の飲み方に関しても、クラブとキャバクラでは全く違います。

クラブではお酒が飲めないホステスはまず使い物にならないとされます。

何故ならば、お客さんがキープした高級なお酒のボトルを、ホステスも一緒に呑むことで早く減らし、次のボトルを入れてもらって売上に貢献することが求められるからです。

しかし、キャバクラではそのようなことはありません。

キャバクラの求人には「お酒が飲めない人でも大丈夫」と書かれている通り、キャバ嬢はお酒が飲めなくても問題ありません。

「私、お酒のめないの」と言えば、水商売なのに飲めないという素人っぽさが売りになることもあります。

その場合にも、ジュースを頼むなどしてドリンクを稼ぐことができます。

もし、お客さんから「たまにはお酒も飲んでよ」と言われ、断りづらい場合には、かわいらしく「いただきます♪」と言っておき、オーダーの際にはアルコール抜きのものを注文すればいいのです。

例えば、体質的にアルコールを受け付けないキャバ嬢が、ビールを注文すると見せかけてノンアルコールビールを注文するというようなことです。

その場合、お客さんにはビール代が請求され、キャバ嬢にはビールを注文したのと同じポイントが付きます。

キャバクラは普通の女の子でも働きやすい仕組みになっているのです。

このように、キャバ嬢はホステスに比べて随分とラクな側面があります。

しかし、素人っぽさを売りにしているキャバ嬢たちは、素人っぽさを売りにしているがゆえに負わなければならないリスクもあります。

キャバクラの席では、お客さんとキャバ嬢の距離が近くなる構成になっていますし、プロっぽさをにじませているホステスに比べて、素人っぽいキャバ嬢は恋愛感情を抱かれやすいのです。

そして、素人らしさを売りにしており、実際に素人に近いキャバ嬢たちは、お客さんのそのような気持ちをかわすことが難しいのです。

 

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自分のキャラクターを演じること

キャバ嬢として稼いでいくためには、指名を取っていかなければなりません。

指名を取るために、キャバ嬢はお客さんと連絡先の交換をし、営業メールや気遣いのメールを送っていく必要があるため、フリーのお客さんにはその日のうちに連絡先を聞かなければなりません。

もちろん、営業が終了したらすぐにお礼のメールを送ることも義務付けられています。

例えば、ある新人キャバ嬢は場内指名をくれたお客さんにこんなお礼メールを送っていました。

Aさん、今日はありがとう!Aさんと話せて楽しかったです。また会いたいな~

本心では場内指名をもらい、ポイントが稼げたこと、また会ったときには本番指名が欲しいこと、そしてもっとポイントを稼ぎたいことなどに対するお礼のメールですが、もちろんそれを明かすことはありません。

あくまでも来てくれて嬉しかった、話せて楽しかった、また会えたら嬉しいというメールです。

このようなお礼のメールの作法は、当サイトのメールテクニックを参照してもいいですし、先輩キャバ嬢やマネージャーが教えてくれると思います。

このキャバ嬢の場合、Aさんからすぐに返信をもらうことができました。

この返信をきっかけとしてとりとめのないメールが続き、時々電話などすることもありました。

毎日何通かのメールをやり取りするようになると、徐々にAさんの態度に変化がありました。

お店に行くんじゃなくて、今度は○○ちゃんの家に遊びに行きたいな。

どこに住んでいるの?

今日、会えない?

いつがヒマ?

なんでお店以外で会ってくれないの?

などのメールが送られてくるようになったのです。

だんだんとエスカレートして行き、毎日10通以上もそのようなメールが送られてくるのですが、そのキャバ嬢は本当はAさんに何の関心もないのですから、面倒に思ってメールを無視していました。

すると、次は電話がかかってくるようになり、ふとケータイを見ると不在着信が何件も残っているようになりました。

そのキャバ嬢は新人であったため、Aさんが恋愛感情を抱いているとは察することができず、会いたいならお店に来ればいいと思っていました。

ずっと無視すると次回の来店に繋がらないかもしれないと思い、彼女は数回に一回の対応をしていました。

そのたびに家はどこかと聞かれ、Aさんが付き合っているような気分になっていると感じ始めました。

しかし、そのような感情はキャバ嬢側からすると妄想に近い感情です。

しかし、それを受け止めなければ商売になりません。

お店側は、お客さんにこのような感情が芽生えることを知っています。

むしろ、そのような感情があるからこそキャバクラという商売が成り立っている部分もあります。

そのため、お客さんにこのような恋愛感情が芽生えた場合には、キャバ嬢の個人情報の詮索が起きる可能性が高いため、キャバ嬢には虚偽のプロフィール設定を決めておくことを求めます。

それも、かなり細かいプロフィールで、お店のマニュアルに「はじめに、あなたのキャバ嬢としてのプロフィール設定をしておきましょう」という項目が設けられていることもあります。

そのマニュアルとは、以下のようなものです。

本名・・・別の本名を設定しておきましょう

誕生日・・・・誕生日だからと言ってお店を休んでいいわけではありませんが、どうしても休む場合のために、誕生日は違う日に設定しておきましょう

住所・・・お客さんから聞かれても教える必要はありませんが、話の流れの中で言う必要が出てきたときのために、つじつまを合わせられる範囲で設定しましょう

同居人・・・一人で暮らしている場合でも、親や兄弟、友達などと一緒に住んでいる設定にしましょう

連絡先・・・自宅の電話番号は教えてはいけません

職業・・・お店で働いているだけの日でも、ほかに仕事をしている設定にしておきましょう。OLや専門学校生、実家の家事手伝いなどです。
こうしておくと、お店に出勤していない日は忙しいと言うことができます

彼氏・・・彼氏がいる人もいない人も、「いるけど別れようとしている」ということにしておきましょう

このように、自分の設定を細かく決めておくと、お客さんから個人情報を教えてほしいと言われたときに身を守ることができます。

うっかり自宅の住所や電話番号を教えてしまうと、お客さんがストーカー化してしまう恐れがあります。

教えるのはあくまでも携帯のメールアドレスだけにしておき、その他の個人情報は一切知られないように別の設定を設けておくのです。

 

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キャラクター設定の利点

昼の職業の架空設定はとても便利なものです。

何しろ、以前働いたことがあるアルバイトなどの事実に近いものや知識のあるものを設定しておくと、話のネタになることもありますし、そのことを色々と話していけばお客さんは素人っぽさを感じることができます。

また、お店に出勤していない時は別の仕事をしていると分かれば、お店の外で会おうと言われることもなくなります。

接客慣れしていない新人キャバ嬢や、お客さんに身元を絶対に明かしたくないキャバ嬢は、お客さんをこの設定を細かく決めておいた方が好ましいでしょう。

キャバクラでお客さんを繋ぎとめていくためには、「この子はいくら追っても手ごたえがない」と興ざめさせないためにも、自分の情報を小出しにして与えていく必要があります。

そこで、細かい設定を設けて頭に叩き込んでおけば、接客の都度「どうこたえようか」と迷わなくてもよくなります。

多くのキャバ嬢が本名まで偽名を設定していますが、お客さんには「仲良くなりたいから○○さんにだけ教えるけど、他の人に言わないでね。私の本名は・・・」ということで絆を深めることもできます。

ちなみに、マニュアルにはこのほかにも接客に関するマニュアルが詳しく載っていることもあります。

お客さんにこんなことを言われたらこう答える、というマニュアルです。

新人の多くが答えに困ることがマニュアル化されているので参考になるでしょう。

例えば、お客さんから「今度デートしよう」と言われたときには、「嬉しいけど、まだ入ったばかりだからお店からそういうのはダメって言われてるの。お店がいいって言ったら私から誘っていい?」というような例文が掲載されています。

このほか、当サイトの記事ではお客さんとの会話をうまく運ぶためのテクニックを解説した記事があるので、ぜひ参考にしてください。

キャバクラでは、素人っぽさがあるキャバ嬢との疑似恋愛を楽しむ場所です。

キャバクラで遊び慣れたお客さんは、新人に目を付けてくることがあるため、接客慣れしていないキャバ嬢も上手にお客さんの好意をかわす技術を持っていなければなりません。

上記のキャバ嬢としてのキャラクターの設定も、そのために必要なものです。

元々適性がある女の子ならば、初出勤の日から指名を取っていける人もいますが、多くの新人はずぶの素人であり、接客に悩みを抱くことが多いものです。

そのような悩みを解消するために、お店もしっかりとしたマニュアルを作っていることが多いというわけです。

もちろん、これらの設定はお客さんへ向けてのものです。

お客さんも、その女性をキャバ嬢としてみなしている内はいつまでも本当の彼女を知ることはできません。

キャバ嬢がお客さんに伝えているプロフィールは、すべてお客さんが喜ぶようなキャラクターを小出しにしているだけのものです。

お客さんはいくらお店に通っても(いやむしろ通えば通うほど)本当の彼女からは離れていくという事です。

 

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複数のキャラクター設定をすることも

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また、このようなプロフィール設定はひとつだけではなく、複数のプロフィールを設定しておき、お客さんのタイプごとにキャラクターを出していくこともあります。

あるお客さんには学生と伝え、またあるお客さんにはシングルマザーと伝えるといったようにです。

もっとも、このようなことをすると、お客さんの好む自分を演出しやすい一方で、ほかのお客さんにほかの設定が知られてしまうと、疑われることになってしまうのは言うまでもありません。

キャバクラシステム

キャバ嬢のプロフィールを疑うと、お客さんはほかのお客さんと情報交換をするようになります。

インターネットの掲示板にはキャバクラ情報を交換する掲示板もあり、そのような場で情報交換が行われるのです。

コア顧客

お店側はこの掲示板をチェックしており、お客さんの書き込みを定期的に監視することで、お客さんの疑いを把握するように努めています。

そして、キャバ嬢や男性スタッフに不利になる書き込みが見られた場合、即座に削除が行われます。

そのため、仮に疑われてもさほど心配する必要はないようです(もっとも、疑っていることを書き込んだお客さんが、自分の書き込みが削除されていることを知ると、キャバクラ業界の闇の深さを知ることになり、もうお店には来なくなるかもしれません)。

このほか、自分が疑いを抱いているキャバ嬢と他のお客さんとの会話を盗み聞きすることで情報を得ようとするお客さんが出てくる可能性もあります。

もちろん、これにもお店は対応済みで、お店は同じキャバ嬢を指名しているお客さんの席は互いに離すようにしています。

また、そもそもキャバクラのシステム自体が、男性客同士を離して座らせるようになっているため、お客さん同士での情報共有が不可能になっています。

そのため、お客さんはキャバ嬢の言うことを信じるほかなく、キャバ嬢のプロフィール設定の嘘が暴かれることはほとんどありません。

 

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