キャバ嬢として働く醍醐味の一つに、お客さんからプレゼントをもらうことがあります。
キャバ嬢はブランド品などを身に着けていることが多く、それらはお客さんからのプレゼントということもよくあることです。
確かにプレゼントはありがたいものですが、安易に何でも受け取っていると、それがお客さんとのトラブルの引き金になることもあります。
つまり、プレゼントで墓穴を掘ってしまうのです。
キャバクラの落とし穴
キャバクラの世界におけるキャバ嬢の立場は、お店からすれば商品ですが、お客さんからすればお姫様のような存在です。
中にはキャバ嬢に意地悪をして喜ぶお客さんもいますが、大部分のお客さんは大切に扱ってくれるものですし、お客さんの多くはキャバ嬢を口説くためにご機嫌とりをしてきます。
キャバ嬢の中には、そこに女としての喜びを見出している人も多いことでしょう。
しかし、これによって墓穴を掘ってしまうキャバ嬢もいるものです。
墓穴というくらいですから、キャバ嬢が自分で自分のクビを締めてしまう落とし穴が、ここにあるのです。
本稿では、そのことについて解説していきます。
デキるキャバ嬢、売れっ子キャバ嬢は、意識するとせざるとにかかわらず、この点がきちんとしているものです。
プレゼントの注意点
キャバ嬢は、お客さんからプレゼントをもらう機会も多いものです。
誕生日やクリスマスなどは、特にプレゼントをもらう機会が多いでしょう。
ぬいぐるみのような比較的安価なものをプレゼントするお客さんもいれば、ブランド物のバッグや時計などの高価なプレゼントをするお客さんもいます。
高級店になれば、自動車やマンションなどをプレゼントされることもあるでしょう。
このように、お客さんは色々なプレゼントをしてくれるものです。
ツワモノになれば、全てのお客さんに同じブランド品をおねだりし、複数集まった同じブランド品の一つだけを残して、その他は中古ブランドショップに売ってお小遣いにしている人もいます。
一つ残しているわけですから、それを身に着けることによって全てのお客さんに義理立てができるというわけです。
こう書けばキャバ嬢がすごく性悪女のように思えるかもしれませんが、プレゼントをもらうこと自体はなんら悪いことではありません。
高いものをもらうのも悪いことではありません。
お客さんが好んでプレゼントしているのですから、受け取る事には問題ありません。
しかし、実際にはプレゼントをきっかけとしてお客さんとの関係がこじれてしまうケースも多いのです。
トラブルを避けるためには、キャバ嬢にプレゼントを贈るお客さんの心理を正しく知る必要があります。
多くのお客さんは、プレゼントを贈ることそのものに喜びを見出しています。
お気に入りのキャバ嬢にプレゼントを贈ることによって、そのキャバ嬢がうれしそうな顔をするのを見たいと思ったり、あるいは「ありがとう!」と言われたくてプレゼントを贈っているのです。
しかし、中には「これだけ高価なプレゼントをすれば、口説いても大丈夫かもしれない(エッチさせてくれるかもしれない)」という下心からプレゼントを贈るお客さんも少なくありません。
どんなトラブルがあるか
言うまでもなく、下心からプレゼントを贈るお客さんとトラブルになることが多いのですが、実際にはどのようなトラブルがあるのでしょうか。
男性の心理から、トラブルのパターンをいくつか見ていきましょう。
パターン1
お客さんは、最初から明らかな下心を持ってプレゼントを贈り続けることがあります。
キャバ嬢からは「素敵なスポンサー」と思われることを期待しているのです。
こんな時に、キャバ嬢がプレゼントを受け取り続けているにもかかわらず全く口説かれてくれないことから、トラブルに発展することがあります。
パターン2
お客さんは下心をもって高価なプレゼントを贈り続けるのですが、お客さんの経済的キャパシティーを超えた金額のプレゼントを続けたにもかかわらず、キャバ嬢がなかなか口説かれてくれないことから、トラブルに発展することがあります。
パターン3
最初は単にキャバ嬢の喜ぶ顔が見たくてプレゼントを贈っていたのですが、ふとした時にこれまでプレゼントした金額に気づき、「これだけ贈ったのだから、一回くらいエッチさせてくれても・・・」と考えた場合、キャバ嬢がそれに応じないことからトラブルに発展することがあります。
上記のようなパターンはよくあるものですが、冷静に見ればどれも馬鹿げています。
しかし、このような馬鹿げた考えを抱く男性というのは、結構多いものなのです。
キャバ嬢の立場から考えてみれば、「プレゼントをするのはお客さんの勝手であり、自分が強要しているわけでもないし、その後にトラブルになっても自分に責任はない」と言ったところでしょう。
これは至極真っ当な考え方です。
今後、そのお客さんから稼ぐことができたであろう成績も、なくなってしまいます。
一つ考えてみると良いでしょう。
トラブルになって縁が切れてしまったお客さんが今後稼がせてくれた成績・それによって生じる給料と、お客さんからもらったプレゼントの金額を比較した場合、どちらがあなたにとって重要でしょうか。
ブランドバッグならば、大抵十数万円と言ったところでしょう。
しかし、そのお客さんと継続的に付き合いを持ち、成績を上げることができれば、今後何十万円、お客さんによっては何百万円という価値があるはずです。
このように考えれば、プレゼントによってお客さんを失ってしまうことが、非常にもったいないことであることが分かるでしょう。
売れっ子キャバ嬢ならば、このような墓穴は掘りません。
お金の問題だけならばまだマシです。
お客さんの気質によっては、ストーカーになってしまうなどの重大なトラブルに発展してしまうこともあります。
怖くなって誰にも告げずにお店を移ってしまったり、キャバ嬢を辞めてしまえば、お金はもちろんのこともっと大きなものを失うこともあるでしょう。
最悪のケースでは、お客さんが法的手段に訴えるようなことも実際にあるのです。
そのようなことにならないためには、プレゼントで墓穴を掘らないように注意しなければなりません。
プレゼントをどうもらう?
したがって、プレゼントをもらう時は以下の点に注意すべきです。
- プレゼントをねだらない
- プレゼントを渡されても一度は断る
- 誕生日やクリスマスなどイベントの際のプレゼントでも品物を指定しない
- プレゼントをもらったら必ずお返しをする
では、それぞれについて見ていきましょう。
プレゼントをねだらない
一番大切なものは、自分からプレゼントをねだらないというものです。
キャバ嬢の中には、「せっかくお客さんがプレゼントをくれると言っているのだし、欲しいものをおねだりしちゃおう」と考える人もいます。
しかし、プレゼントをねだられたお客さんの心理を考えれば、「俺もこの子の要求に応えてあげたのだし、この子も俺の要求に応えるべきだ」となってしまいます。
お客さんにねだってプレゼントをされたとき、それが誕生日やクリスマスならば「いろんな人にプレゼントをもらっているし、あなただけの要求には応えられません」と言い訳をすることもできるかもしれませんが、それにしてもおねだりは避けたいものです。
プレゼントを贈りたがるお客さんはいますが、極力もらわないようにするのが正解です。
それでも、お客さんからプレゼントを受け取ることは、キャバ嬢という職業の特権ともいえるものですから、どうしてもプレゼントが欲しいと思う人もいることでしょう。
そのような場合には自分からは要求せず、あくまでもお客さんの意思でプレゼントをしてもらうようにしましょう。
自分の欲しいものを伝えるにしても、明らかにおねだりするのではなく、
今○○のバッグが欲しいんだよね。だから一生懸命お金ためてるの。でも、なかなかたまらないもんだねー。
もうちょっと頑張って貯めたら買おうと思ってるよ。
などといった話を、接客の時に何気なくしておくのです。
そのような話をしていると、
買ってあげるよ。
と言ってくるお客さんも出てくるものです。
しかし、そこで
本当!?買って!
などと飛びつくのは、おねだりと変わりません。
それこそ墓穴を掘ることになります。そのように言うのではなく、
本当?うれしいけど、高いものだしなんだか悪いよ。遠慮しておくね。○○さんの気持ちはすごくうれしいよ。
と引き下がりましょう。
キャバ嬢は引き下がりますが、こうなるとお客さんはますます買ってあげたくなるものです。
これによって、キャバ嬢からはねだらず、あくまでお客さんが自由意思によってプレゼントを購入するという構図が出来上がります。
これがデキるキャバ嬢の駆け引きです。
実際、このような駆け引きを行なうことで、お客さんからプレゼントをもらっているキャバ嬢もいます。
この場合にはお客さんの意思でプレゼントをしているのであり、見返りを求められてもそれに応える筋合いはありません。
これで買ってくれないお客さんにも悪い印象など持つことはせず、プレゼントはきっぱりと諦めましょう。
プレゼントをしてくれるお客さんは表れるものです。
全員にもらおうとするのではなく、自らの意思でプレゼントしてくれるお客さんだけから受け取るのです。
もらえるだけありがたいと考え、それでよしとするのです。
プレゼントを渡されても一度は断る
自分からおねだりをせずとも、お客さんからプレゼントをもらうことはあります。
誕生日やクリスマスであれば、キャバ嬢から何も言わなくても、多くのお客さんが何らかのプレゼントを差し出してくると思います。
そんな時には、すぐに受け取らずに一度は「悪いから・・・」と断ることが大切です。
このように謙虚に振る舞えば、キャバ嬢は本来的に金の亡者のように思われがちですから、「この子は一味違うな」と良い印象を持たれることになります。
しかし、それ以上にプレゼントで墓穴を掘らないために重要なことです。
一度断ることによって、お客さんが勝手にプレゼントを贈ったという構図を作り上げるのです。
一度でも断ってしまえば、本当ならばもらえるはずのプレゼントがもらえなくなるかもしれないと心配するかもしれませんが、その心配は必要ありません。
お客さんはあなたのためにそのプレゼントを買ってきているのですから、断られたとしてももらってくれなければ困るわけです。
そのため、ほとんどの場合「いいから、いいから」と受け取ってもらおうとするでしょう。
そこで初めて受け取れば、お客さんが勝手にプレゼントを贈ったという事実が出来上がります。
誕生日やクリスマスのイベントの際のプレゼントでも品物を指定しない
誕生日やクリスマスに贈られるプレゼントならば、それほど神経質になる必要はありません。
一般的に言って誕生日やクリスマスはプレゼントを受け取るイベントであるため、そこで恩着せがましい考えを抱かれる可能性が低いからです。
しかし、注意したいのは「品物を指定しない」ということです。
品物を指定せずに受け取ることによって、恩着せがましい考えを抱かれるスキを無くすのです。
もちろん、品物を指定しなければ、他のお客さんと品物が被ってしまうこともあるでしょう。
それをもったいないと思うかも知れませんが、お客さんの気持ちを受け取ったのだ、今後もよい付き合いを続けていくためのきっかけなのだと思い、ありがたいと考えましょう。
お客さんの中には、「誕生日は何が欲しい?」「クリスマスは何が欲しい?」などと聞いてくる人も多いと思います。
そんな時に「いりません」というのも興ざめしますから、「高くないものでもいいですから、アクセサリーなんかいいな」とか、「そんなにいいものじゃなくていいから、お財布とかいいな。もうお財布がボロボロになっちゃって」などと言うようにします。
それでは品物の指定になってしまいます。
このように言っておけば、もしお客さんがダイヤのネックレスを買ってきて見返りを求めたがっても、「私は高いものを欲しいとは言わなかった、ダイヤのネックレスはあなたが勝手に買ってきたもの」ということができます。
お客さんとしても、「せっかくこんなに高いものを買ってあげたのに」とは言えないでしょう。
さらに言うならば、お客さんの経済状況を考えて上げることができれば上出来です。
お店では会社の経費で派手に遊ぶお客さんだからと言って、それは経費だからこそできることであって、プレゼントとなると経費では落とせないため別問題です。
しかし、お客さんとしては「いつも派手に遊んでいるし、安いプレゼントじゃ恥ずかしい」と気負っていることも多いものです。
そこで、お客さんの懐具合を推し量って、お客さんに負担とならないように「安いものでいいから○○がほしいな」と助け船を出してあげましょう。
プレゼントをもらったら必ずお返しをする
最後に、どんなプレゼントであろうとも、もらったら必ずお返しをすることが大切です。
このようにすれば、「この子は義理堅い良い子だな」と好印象になると同時に、お客さんに対する牽制にもなります。
お客さんの中には、キャバ嬢がねだらず、一度は断り、品物を指定しないなどの注意を払っていたのに、プレゼントを渡したという事実ばかりを重視して見返りを求めてくる人もいるものです。
しかし、お返しをしておけば、「ちゃんと見返りは渡したよ」という事実を作っておくことができます。
お返しはなるべく早い段階で行い、必ず「プレゼントのお返しです」と言って渡すようにしましょう。
なお、クリスマスにもらうのであれば、クリスマスというのは世間一般でもプレゼント交換などをするものですから、お客さんとプレゼント交換をするのがベストです。
また、誕生日のプレゼントでは、基本的にはお客さんの誕生日にキャバ嬢側からプレゼントする形でお返しをすると良いでしょう。
そうすれば、お客さんには「俺の誕生日を覚えていてくれたんだ」という感激も生まれるため一石二鳥です。
ただし、高価なプレゼントをもらった場合や、お客さんの誕生日がかなり先になる場合には、できるだけ早くお返しをして牽制しておくのが賢明です。
お返しの品物は、もらったプレゼントの価格の3分の1程度の金額のものが理想です。
しかし、非常に高価なプレゼントをもらえば3分の1といっても払えないこともありますし、プレゼントが多くなれば負担になりますから、あまりこだわる必要はありません。
もとよりお客さんはお返しをもらえるとは考えていませんし、お返しのプレゼントを欲しいとは思っていません。
たとえ数千円のネクタイであっても、お気に入りのキャバ嬢からお返しをもらうことによって、自分のプレゼントをきちんと認識して喜んでくれていたのだと実感できることが重要なのです。
例えばクッキーやケーキなどがそれに当たりますが、男性は手作りに弱いものです。
手をかけて気持ちを込めたお菓子を作ってお返しとしましょう。
お客さんは喜び、あなたの魅力を再認識させることにもつながります。