皆さんは、キャバクラにはどのような人が来るというイメージを持っているでしょうか。
もちろん、社会人になれば仕事上の付き合いなどでキャバクラに行く機会があるため、キャバクラに行ったことがあるという男性は多いことでしょう。
しかし、自らの意思でキャバクラに行く人や、キャバクラにハマっていく人には一定の傾向があり、単に行ったことがあるだけの人に比べると、自らの意思で行く人は圧倒的に少なくなります。
特に、人付き合いで行くのではなく、一人だけで行くようにもなればかなりのマイノリティと言ってよいでしょう。
キャバクラに来る人の目的は?
一般的に、キャバクラに来る客には以下のような傾向があります。
それは、
- キャバ嬢を口説きたいと思っている
- 寂しさを紛らわしたいと思っている
- キャバ嬢の前で威張りたいと思っている
- 仕事の愚痴を言いたいと思っている
- 接待の場として利用する
というものです。
このように客の目的を見てみると、クラブやキャバレーとそれほど変わりがないとも見ることができ、そのように考えるならばこれらの目的は水商売全般に共通する部分なのでしょう。
接待としての利用はお店にとってもありがたい
接待として利用するというのはお店にとってありがたいことです。
なぜならば、接待として利用する時にはごく短時間の利用にはなりえず、高いお酒が注文される可能性が高いからです。
それだけではなく、普段キャバクラに行かない人がキャバクラに触れ合うきっかけを作り、その人がキャバクラの虜になる可能性もあり、潜在需要を喚起することになるのです。
しかし、接待としてのキャバクラはやはりその場限りの客になることの方が多く、また集団で来店することを考えても、上記の他の四つの目的とは性質が異なるものと分類してよいでしょう。
キャバ嬢を口説きたい!
キャバクラの本質は接待での利用以外の四つにあります。
簡単に言うならば、仕事などを抜きにした完全にプライベートの領域で、一人でもキャバクラに行く理由になり得るものです。
まず、キャバ嬢を口説くためという目的がありますが、これは恋人のいない独身男性がメインになります(最も、妻帯者が遊び感覚でちょっと浮気をしたいという目的から口説くこともあります)。
とりわけ目立つのは、親元で暮らしながら働く独身サラリーマンなどで、彼らは妻帯者のサラリーマンや一人暮らしの独身サラリーマンに比べると金銭的余裕があるため、キャバクラにハマりやすくなります。
いわゆるパラサイトシングルと呼ばれれる人々ですが、この目的を持つ人には彼らが高齢化して給料も上がり、しかし生活費はそれほどかからず、余ったお金をキャバ嬢を口説くために使うというケースが多く見られます。
また、会社などで出会いがない男性が、キャバ嬢を口説くためにキャバクラに通うこともよく見られますが、この様な客はお店からすると上客とは言えない様です。
なぜならば、客がいくら特定のキャバ嬢にのめり込んでお金を注ぎ込んだとしても、キャバクラは本来恋人探しの場所ではなく、キャバ嬢を恋人にできるということはほとんどあり得ません。
ましてや、キャバクラにはおそらく彼ら以上に財力があり、魅力的でモテる男性も通ってくることを考えると、モテないがゆえにキャバクラに通う彼らがキャバ嬢を落とせる確率は限りなくゼロに近いのです。
このように、いくら通ったところで玉砕するのは至極当然のことなのですが、キャバクラにハマる彼らの中には勘違いした男性が非常に多く、いつかキャバ嬢を落とせると信じてキャバクラに通っています。
キャバクラに居場所を求める
キャバ嬢を口説くことと接待目的を除けば、キャバクラに来る目的は「寂しさを紛らわすため」「キャバ嬢の前で威張りたいから」「仕事の愚痴を言いたい」という目的があることは先述の通りです。
このような目的を持っている男性に共通する傾向としては、会社や家庭で居場所がなく、自分の居場所をキャバクラに求めているというものです。
もちろん、妻帯者が家庭に居場所がないためにキャバクラに居場所を求めるという事もありますが、多いのは前者でしょう。
キャバクラに行けば、どんな男性であろうともキャバ嬢に優しくしてもらうことができます。
そうして癒されるわけですが、癒しの対価として1時間1万円なりのお金を支払っているという事になります。
1時間の滞在で1万円というのは、他の産業に比べればべらぼうに高い金額であり、例えばインターネットカフェならば1時間でせいぜい400円です。
つまり、お酒が飲めることはもとよりキャバ嬢に癒されることに高いお金を支払っていると言うことができます。
一つの見方として、キャバクラの客層はクラブの客層や風俗の客層とは非常に異なるとみることができます。
まずクラブですが、クラブは料金がキャバクラに比べて非常に高いため、キャバクラの客層はクラブの客層と比較してステータスがありません。
かといって風俗と比べるとうしろめたさや反道徳的な面がないものです。
言うならば、高尚なクラブと低俗な風俗の中間に位置する存在であり、その中庸であるところが独自の支持層を生み出して維持できているのです。
そこを訪れる客の一般的な性質は、小金を持っていること、適度な余暇を持っていることが前提となります。
その上で、
- 性格的には女性にあまり免疫がない人(女性に免疫がありモテる人はキャバクラにハマることはなく現実の恋愛を楽しむものであり、女性の免疫がなく空想的な恋愛を好む人がキャバクラにハマりやすいのです)
- 真面目な人(そのキャバ嬢のことが好きになっても、面と向かって好きと言えずにずるずる通う客がハマる客です)
- 組織の歯車ではなく一匹狼が似合う人(もちろん組織の歯車である人も多いのですが、同僚と居酒屋に行くよりは一匹狼的に一人でキャバクラに訪れる人も多いのです)
- 社交的なように見えて実はシャイな人(キャバクラで女の子と談笑するくらいなのだから社交的と思うかも知れませんが、実際にはキャバ嬢のようにどんな話でも付き合ってくれる女の子でなければ話せないシャイな人が多いのです)
という人がキャバクラには多くなります。
このような人々が、決して安くはない料金で利用し、女の子に気を使い、隙だともいえずに通い続けるのです。
そのような意味では、キャバクラにハマる人は限りなく純情であるともいえるでしょう。
キャバクラ中毒について
このような性質を持った人々が、何かの拍子に歯車が狂うと、キャバクラにハマってキャバクラ中毒になるのです。
キャバクラ中毒という病気に取りつかれると、有効な治療法はないようです。
キャバクラの歴史がまだ浅いころは携帯電話が普及していなかったため、キャバ嬢の営業は固定電話でした。
仕事をしていると、キャバ嬢から会社の電話に連絡があるのです。
お店に来てほしい(できれば同伴してほしい)という電話であり、遠回しな表現でお店に来ることを催促されます。
しかし携帯電話が普及してからというもの、営業は電話やメールで行うことができるようになり、以前に比べて遠慮がなくなったため盛んになりました。
この電話やメールを心待ちにしている状態が、キャバクラ中毒の第一段階です。
それを超え、自分からあまり用事もないのにキャバ嬢にメールや電話をするようなれば第二段階です。
キャバ嬢との繋がりを実感したいために、毎日「おはよう」と電話をしたり、何気ないことをメールしたりするようになるのです。
キャバ嬢側では好きでもない人からそのようなことを何度もされては正直うっとうしいのですが、これは営業のチャンスでもあり、もっと深みに引きずり込むべく対応をしています。
もちろん、連絡している本人はそんなことには気づいていません。
そのうちに、最初は月に一回とか週に二回といった来店頻度であったものが、週に一回になり、三日に一回や二日に一回になってきます。
このように感覚が狭まってくると、中には毎日オープンラストで遊ぶようになります。
ここまでくると重度のキャバクラ中毒であり、治療は難しいところまで来ています。
キャバクラに通うのが日課となり、生活は破滅へと向かっていきます。
ちなみに、毎日オープンラストで遊んだときにかかる費用は300万円くらいです。
一般的な会社員にとっては到底支払えない金額であり、数ヶ月は貯金を切り崩して遊ぶものの、貯金はすぐにつきて借金に手を出し、自己破産へと向かっていくことになります。
もちろん、300万円というのはキャバクラだけで遊んだ場合の費用であり、同伴やアフターでキャバ嬢と食事をするときにはある程度お金のかかるお店に行かなければなりませんし、誕生日やその他の機会にブランド物のバッグなどをプレゼントすることもあります。
それらを含めるとかかるお金は300万円をはるかに超える額になり、潰れることは目に見えています。
キャバクラにハマったことがない人からすれば、たかが疑似恋愛をしながらお酒を飲むのに毎月何百万円を使うなど想像もできないことですが、たしかにそういったキャバクラ中毒患者はいるのです。
資金が付き、借金もできなくなり、自己破産するまで止まらず突き進むのがキャバクラ中毒であり、いくら恋は盲目とはいっても危険すぎる症状だと言っていいでしょう。
重度の中毒よりソフトな中毒がいい
このことには、キャバ嬢にとって重要な教訓があります。
客に営業をかけて仲良くなり、相手からも連絡が来てもっと仲良くなるのは良いことです。
自分の売上も伸ばしていくことができるでしょう。
しかし、客を引き込むのはそこまでにして置き、ソフトなキャバクラ中毒状態を長く続けるようにすべきでしょう。
もちろん、普段は学生やOLをしている兼業キャバ嬢ならば相手を深みに引き込んで大金を獲得するのも良いと思いますが、専業キャバ嬢ならばソフトな中毒状態にとどめるべきです。
仮に、もし相手がハマって毎月300万円を注ぎ込むようになり、2ヶ月で600万円を注ぎ込んだ末に借金まみれになってもうキャバクラに来れなくなったとします。
この場合、売上合計は600万円です。
しかし、相手が危険なハマり方をしていると思えば
お金は大丈夫?無理してきてほしくないよ。
お金は大切だよ。
無理のない範囲で通って、いつまでもお話していたいよ。
などと言ってソフトな中毒状態にとどめておけば、1時間の料金が1万円のお店の場合、月に2回で毎回2時間の滞在として月に4万円の売上となります。
1年で48万円であり、これならば客にとっても無理のない範囲です。
もちろん、600万円を短期間で巻き上げることには及びませんが、余りひどい引き込み方をして自己破産させるようなキャバ嬢は悪い噂も広がって指名がもらえなくなる可能性もあります。
そのため、600万円を売り上げて一人の客を潰すよりは、少額を安定的に使ってくれる客をたくさん抱えた方が人気も高まり、結果的にはたくさん売り上げることができます。
何年、何十年と夜の世界で生きていこうとしている人にとっては長期戦ですから、安定的にじわじわと売上を伸ばしていく戦略の方が賢明なのです。