お客さんの中には、愚痴や悪口、ネガティブ発言などを繰り返すお客さんもいます。
そのようなときには、同調すればいいのかと悩み、会話に困ってしまうものです。
本稿では、お客さんがマイナス発言をしたときにはどう対処して行くべきかを解説します。
お客さんの悪口に同意しない
会話に困ってしまうお客さんの5つ目は、マイナスの内容ばかりを話すお客さんです。
これは、単にネガティブな発言ばかりをするというだけではなく、悪口ばかりをいうお客さんも当てはまります。
悪口を言うお客さんは多いものですが、そのようなお客さんの発言に同調してよいものなのかと悩む人も多いことでしょう。
実は、「人の会話は9割が悪口と自慢が占める」とも言われています。
仕事でも、プライベートでも、愚痴や悪口などのマイナスのことを喋る人は非常に多いのです。
仕事に関する愚痴などはついつい言いたくなってしまうのもわかりますね。
しかし、悪口をすぐに言い出す人も多いもので、特にキャバクラではお酒が入っていますし、何を言っても聞いてくれるキャバ嬢相手に遊んでいるのですから、悪口を言うお客さんはたくさんいます。
愚痴ならば同意するのもよいでしょうが、悪口には迂闊に同意すべきではありません。
キャバ嬢としては、お客さんを癒すために愚痴や悪口に対して同意することがありますが、悪口の対象となっている人もお客さんということもあるのです。
例えば、お客さんがある人の悪口を言い出し、あなたもそれに共感を示したことで、お客さんは調子よく悪口を言いまくったとします。
もし、そのことが本人の耳に入ったならば、どうなるでしょうか。
あなたは単に「そうですね」などの相槌をうち、具体的な悪口を言っていなかったとしても、本人からすればいい気がするものではありません。
悪口の対象となった人もお客さんだった場合、お店を変えることになってしまうかもしれません。
お客さんに共感を示すことは、本来ならば仲良くなるための手段として良いものなのですが、お客さんが悪口を言っている場合には、気軽に同意しないようにしましょう。
悪口への対処法
しかし、だからといって、お客さんの悪口に対して「それは違うと思います」などと真っ向から否定することもできないものです。
そのような場合には、どうするべきなのでしょうか。
このようなときには、お客さんの言葉を自分なりにポジティブな表現に変換して返事するのがオススメです。
例えば、あるお客さんがお店に来て、あなたに上司であるA部長の愚痴や悪口をたくさん言ってきたとします。
A部長もお店のお客さんですから、安易に同意することはできません。
そのような場合の、悪い例と良い例を見てみましょう。
悪い例
A部長はさ、いつも俺に仕事を押し付けてくるんだよ。
そのせいで休みもまともにとれないんだ。
休みくらい欲しいですよね。
なんで◯◯さんばかりに押し付けるんだろう。
自分でやれって思いますよね。
こう言われれば、お客さんは自分の怒りに共感してもらったと感じるため、多少は喜ぶと思います。
しかし、キャバクラという多くの人がいる空間で、だれがその発言を耳にしているかわかりませんし、A部長が知る可能性もあります。
その場ではお客さんをいくらか良い気持ちにすることができても、他のお客さんから、あなたは「悪口を言う嫌なキャバ嬢」というイメージを持たれてしまう可能性もあります。
これは大きなリスクなので、やはり悪口への同意は避けるべきです。
そこで、以下のようにお客さんの言葉をポジティブ言葉にして返事をするのです。
良い例
A部長はさ、いつも俺に仕事を押し付けてくるんだよ。
そのせいで休みもとれないんだ。
それは大変ですね。
でも、それって◯◯さんしかできない仕事なんじゃないの?頼りにされている証拠ですよね。
どうでしょう?悪い例と比較して、お客さんが受ける印象はかなり違うものになります。
お客さんは、自分の悪口に共感してもらえたことによる快感を得ることはできませんが、そのことで怒ることはないものです。
むしろ、「なるほど、そういう見方もあるのか」と、すこし機嫌を直すかもしれません。
そもそも、悪口に共感をしたときにお客さんが得られる快感というのは、あくまでもキャバ嬢に共感してもらえたという快感でしかありません。
悪口が悪口を呼んで、お客さんの上司に対する怒りがどんどん募っていけば、結局は共感によって得られた快感よりも、上司に対する怒りによる不快感の方が大きくなってしまうことが多いのです。
そうなってしまえば、共感した意味もなくなるのですから、やはり悪口への共感は得策ではありません。
それよりも、お客さんを「大変ですね」などとねぎらいながら、ポジティブな視点で返事をしてみましょう。
上記のように、「お客さんにしかできないことだからですよ。頼りにされている証拠ですよね」と褒めるような言い方がベストですね。
人から褒められて嫌な気分になる人はいないものです。
その上司が本当に理不尽ならば、「頼りにされているとかじゃなくて、ホントにただの押し付けなんだよ・・・」という気持ちも湧いてくるかもしれませんが、それ以上に褒められたことで気をよくする可能性の方が高いのです。
認める気持ちを忘れずに
お客さんが愚痴や悪口を言うとき、自分は被害者であると思っています。
ですから、お客さんの悪口そのものに共感するのではなく、お客さんが被害者であることを認め、共感を示してあげましょう。
そうすると、悪口に共感するのも、被害を受けていることに共感するのも同じ共感ですから、お客さんは快感を覚えます。
後者のように被害を受けて困っている感情への共感ならば、上司の悪口に同調する必要もありません。
ですから、お客さんの困っている、疲れている、悲しんでいるなどの感情を認めて共感を示し、その上でポジティブな言葉に変換するのが大切です。
そうすると、お客さんは不思議と安心するものです。
これを繰り返して行くと、悪口や愚痴は徐々に消えてきます。
ちなみに、マイナスの発言にはネガティブな発言も含まれますが、この方法はネガティブなことばかり言う人にも効果的です。
例えば、
僕、上司にいつも怒られるんだ。仕事が遅くてさ・・・。
と言う人に対して、「わかる」などと同意すれば、相手はもっと落ち込んでしまうことでしょう。
そうではなく、悲しみに共感しつつポジティブな言葉に変換して、
怒られるとキツいですよね。でも、それって仕事が丁寧だってことだと思いますよね。
といえば、お客さんはポジティブな気持ちになることでしょう。
そうすれば、お客さんはちょっと前向きになって、楽しくお酒を飲めるかもしれません。
そうすれば、あなたもプロのキャバ嬢としてひとつレベルアップできるでしょう。
物事を多面的に見る
あらゆる物事には陰と陽があります。
長所は短所になることもあり、短所は長所は短所になることもあります。
一見失敗に見えるものが実は成功の元になることもありますし、一見成功に見えるものが実は失敗の原因となることもあります。
以下の例を見れば、そのことがよくわかるでしょう。
「のろま↔慎重」
「せっかち↔行動が早い」
「八方美人↔人を褒めるのがうまい」
「器が小さい↔本物以外を認めないプロ気質」
「頭がキレる↔人の至らない点に気づきすぎる」
「頭が鈍い↔細かいことを気にせずドンと構えられる」