キャバクラでの指名の種類の一つに、場内指名というものがあります。
これは、フリーで入ったお客さんに、その場で指名をもらうことです。
場内指名をもらえば、フリーから一歩進んで、よりアピールできる時間を確保することができるため、その後の本指名につなげられる可能性が高まります。
しかし、場内指名をとるにしても、あまりガツガツしてはいけません。
今回は、そんなお話です。
指名をとるのがキャバ嬢の仕事
キャバクラ店で働いて、より多く稼ぐためには、指名をたくさん受ける必要があります。
しかし、指名は待っていて受けられるものではありません。
何しろ、働き始めたばかりの新人キャバ嬢は、まだ指名してくれるお客さんなどゼロの状態から始まるのです。
ゼロの状態から指名本数を上げていくためには、フリーのお客さんをつかんでいかなければなりません。
お店にはじめてきたフリーのお客さんは、まだ好みの女の子の傾向もわかりません。
ですから、お店ではいろいろなタイプのキャバ嬢を何人もつけて、その中から気に入るキャバ嬢を見つけてもらいます。
セット時間は1セット当たり1時間ですから、その時間内に3～4人程度のキャバ嬢がつくことになります。
時間にして15～20分です。
その中で、キャバ嬢は自分のことを気に行ってもらうように接客していきます。
気に入ってもらえれば場内指名を受けることができ、そこでもいい結果を残せば次回の来店で本指名を受けられるようになります。
お客さんが場内指名を入れる理由は様々です。
キャバ嬢の外見が可愛くて気に入った、雰囲気が気に入った、気が合うと思った、話しやすいなどが主な理由です。
どうやって場内指名をもらう？
では、場内指名をとるためにはどのようにするべきなのでしょうか。
売れないキャバ嬢の中には、お客さんに（言い方はいろいろですが）
指名してくれませんか？
と頼んでしまうキャバ嬢もいますが、これはよくありません。
このように頼むと、お客さんの中には、品定めを面倒に思って「ま、この子でいいか」と場内指名を入れてくれることもあります。
特に、フリーで入ってきたお客さんのうち、ゆっくり飲みたいと思っているお客さんは、そのようにする傾向があります。
何人もキャバ嬢が入れ替わっていたのでは、落ち着いて飲むことができないからです。
もし、あなたが新人のキャバ嬢であり、どうすれば場内指名を受けられるかもよく分かっていないようならば、場内指名1本をとるにも苦労することでしょう。
そんな場合、なれていない素人っぽさを売りにすることも可能です。
つまり、
あの・・・もしよかったら、このままこのお席にいてもいいですか？
と聞くのです。
お客さんの中には、ベテランキャバ嬢よりも初々しい、素人っぽいキャバ嬢を好むお客さんも多いので、場内指名を受けられる可能性があります。
もし断られてしまえば、寂しそうに振舞い、何とか今後の可能性をつかむために
よかったら、連絡先教えていただけませんか？
と聞きましょう。
しかし、この場合は当然のことながら、お客さんは本当にそのキャバ嬢が気に入って場内指名を入れているわけではありません。
確かに、とりあえず場内指名をもらえれば、接客時間を長く確保できるため、有利になるという考え方もあります。
しかし、だからといって腕のないキャバ嬢ならば、結局はそれほどよい印象を残すことができず、次回以降の指名につながることはありません。
これでは、せっかく場内指名をとっても、何の意味もありません。
あせらずにがんばろう
無理のある営業をしてしまうキャバ嬢は、場内指名をなんとか取ろうとあせってしまうものです。
しかし、場内指名をもらえなくても、それほど気にするべきではありません。
フリーのお客さんというのは、その日の予算を決めてきているお客さんも多いものですから、指名料金をかけないために場内指名をしないだけ、ということも多いからです。
そんなお客さんに無理なおねだりをしてマイナスの印象を与えるよりは、焦らずに接客したほうが良いこともあるのです。
そんなお客さんに対しては、名刺交換や連絡先交換を行うことを意識しましょう。
連絡先さえ交換していれば、お客さんが帰った後にコンタクトを取り、次回の来店と指名につなげられる可能性があります。
お客さんが帰った後にお礼のメールを送り、その後も事あるごとに連絡を取るようにしていれば、指名で通ってもらえるようになるかもしれません。
お客さんに一度くらいは場内指名をおねだりするのは良いかもしれません。
しかし、お客さんが断っているにもかかわらず、しつこくおねだりするのは絶対にNGです。
お客さんはキャバクラに夢を買いに来ているのですから、キャバ嬢のガツガツした態度を見ると、「結局カネなんだなぁ」と思われ、幻滅されてしまいます。
そうなると、その先指名をもらうことはほぼ不可能です。
場内指名は大切なものですが、目先の場内指名にこだわりすぎると逆効果になります。
それよりも、その後長く続く本指名をもらうために、焦らず、長くアピールしていくほうが効果的なのです。
場内指名を受けるポイント
といっても、場内指名を受けられればそれに越したことはないのですから、場内指名を受けやすくするためのポイントを押さえておいたほうが良いでしょう。
まずは経験を積むことが第一です。
そうすれば、お客さんの雰囲気や話し方から、どんなタイプのキャバ嬢を好むのかが見えてきます。
落ち着いた雰囲気のキャバ嬢とゆったり飲みたいお客さん、明るいキャバ嬢と元気に飲みたいお客さんなどいろいろいるものですが、それに合わせていくのです。
この見極めができれば、好みのキャバ嬢を演じるように接客していくことができ、場内指名を受けられる可能性が格段に高まります。
しかし、それがすべてではないのも難しいところです。
私がインタビューしたあるキャバ嬢のなかに、頻繁に場内指名をもらっているキャバ嬢がいました。
彼女はとにかく盛り上げるのが得意なキャバ嬢で、彼女がいる席はいつも明るく、お客さんはよく場内指名をしていたのです。
しかし、彼女は場内指名を受ける数に比べると、本指名の数が極端に少ないことに悩んでいました。
お客さんは、フリーで入ったところ元気な彼女に魅力を感じ、楽しく飲むために場内指名を入れていました。
どんな会話にも対応できるため、下ネタなども楽しく話しており、お客さんのウケは良かったのです。
しかし、彼女の女性としての魅力はお客さんには伝わらなかったため、その後の指名にはつながらなかったのでしょう。
もちろん、場内指名も成績に反映されますし、少ないながらも本指名につながっていくのですから、そのような働き方も立派な働き方であることは間違いありません。
彼女の場合も、場内指名を取った後にひと工夫、ふた工夫あれば、本指名は増えていくはずです。
ある売れっ子キャバ嬢は、場内指名を「もらえればラッキー」というくらいに考えているとのことでした。
ガツガツと求めたところで、その場限りの付き合いになってしまえば意味がないからです。
やはり、キャバ嬢の接客にしてもそうですが、何事も焦ることなく地道に努力を重ねることが大切なのでしょう。