出会って間もないお客さんや、まだよく知らないお客さんと会話をする際には、ネタを振ることから会話が始まります。
お客さんのこだわっていることにネタ振りをして話を引き出すことができれば、お客さんは得々と話をしてくれるでしょう。
一流のキャバ嬢たちは、お客さんに直接質問せずとも情報を集める技術を持っているものです。
会話を続けるために大切なこと
男性であるお客さんのこだわりは女性であるキャバ嬢にとっては理解しがたいものであることも多く、理解しがたい・興味がないということが態度に出てしまえばお客さんは白けてしまい、嫌われてしまうかもしれません。
そうならないためには、お客さん自身とお客さんの話す内容に興味津々であることを態度で伝えていく必要があります。
一流のキャバ嬢たちは、お客さんに直接質問せずとも情報を集める技術を持っているものです。
例えば「趣味はなんですか?」「出身地はどこですか?」「どんなお仕事をしているのですか?」といった質問は会話の糸口となりやすいため質問するキャバ嬢もいますが、お客さんの事情によっては聞かれたくないこともあるため、一流のキャバ嬢は直接尋ねることをしません。
しかしそれ以上に、出会って間もないころはまだお互いのことを知らないため、お互い探ろうとしている時間です。
ここで色々な質問をしてしまうと、質問攻めにされたようであまりよい気分はしないものです。
まだそれほど親近感を抱いていない相手から土足で自分の領域に踏み込まれたような感じがするからです。
質問をされると、相手に「責められている」という感覚を与えてしまうことになるのです。
このことに関して、一つの例を紹介しましょう。
珍しい例かもしれませんが、気難しいお客さんならば十分にあり得ることです。
ある時、私は気難しい先輩をキャバクラに連れていきました。
この先輩はキャバクラではない場所でも、親しくない人から話しかけられることを嫌う性格であり、しかし自分の話題にはきちんと対応できる人を好むという典型的な気難し屋です。
先輩は初めての来店ですから、色々な女の子がついて接客をしました。
会話の中で先輩が
明日から出張なんだ。
と言うと、キャバ嬢が
遠くへ行かれるんですか?
と聞いたところ、先輩は
人に質問するときは『質問してもよろしいですか?』という前置きがあるものだと思うんだけど、君、失礼じゃないかい?
とヘソを曲げてしまったのです。
キャバ嬢としては会話を広げたいと思っただけだったのでしょうが、このようなお客さんも実際にいるのです。
やや極端ではありますが、程度の差はあれど質問をすることで気分を害してしまうケースは確かにあるのです。
何か質問をして掘り下げていくだけが会話を続ける手段ではありません。
会話の内容によっては質問したほうが良いこともありますが、それ以上に会話を続けるために大切なことは、お客さんが会話を続けたくなるように仕向けることです。
うなずきでリズムをつくる
そのためのテクニックとして、うなずきがあります。
会話の際にうまくうなずきを入れることによって会話にリズムが生まれ、お客さんは話すことが心地よくなり、もっと話したいと思うようになるのです。
これは歌を歌っている時に合いの手や手拍子があると気持ちよく歌えるのと同じことです。
しかし、1種類のうなずきをずっと続けていたのでは単調になってしまってよくありません。
そのため、3種類のうなずきを使い分けるのがおすすめです。
その3種類とは、
- 小さなうなずき(あごがクビにつくくらい)
- 大きなうなずき(頭を大きく下に動かす)
- あいづちを入れながらのうなずき
です。
小さなうなずきは、お客さんの会話で「、」が入りそうな部分や小さな間に入れます。
日常でする小さなうなずきはほんの少し、顎をピクッとさせるくらいのうなずきであることも多いものですが、キャバクラではお客さんはお酒も飲んで小さな動作に気づきにくくなっていることもあるため、やや大きめにうなずくのがポイントです。
普段より首を縦に振ることを意識しながらうなずきましょう。
また、一回だけ首を動かすうなずきではなく、会話が盛り上がるところでは小刻みな動きを加えることによって「それで、それで?」という気持ちを表現してください。
大きなうなずきは、相手の会話の「。」にあたる部分に入れます。
小さなうなずきよりも深くうなずくことによって、「なるほど~」「納得しました」という気持ちを表現するようにします。
うなずき初心者の人は、まずはこの2種類のうなずきを身に着けるようにしましょう。
単なるうなずきとおもっているかもしれませんが、いざ使い分けようとするとうまくできないことも多いものですから、練習が必要です。
鏡をみながらうなずきの深さを身に着け、次にうなずくタイミングを見つけていきます。
うなずくタイミングを練習する時は、テレビを使って練習しましょう。
トーク番組でトークをしている人をお客さんと思って話を聞いてみたり、ショッピング番組の商品説明やニュースでも練習することができます。
この練習を繰り返していくと、うなずきながら話を聞くことがクセになり、接客の際にも自然といいタイミングでうなずけるようになってきます。
次にあいづちを入れながらのうなずきですが、これは小さなうなずきと大きなうなずきであいづちの言葉を使い分けます。
小さなうなずきの時は「はい」「ええ」「うん」「へぇ」などの短いあいづちを入れていき、大きなうなずきの時は「へ~え」「なるほど~」「え~」「ふ~ん」などのあいづちを入れていくことにします。
大きなあいづちは感心・関心を示すためのものですから、少し目を見開くこともセットにするとより効果的になります。
無言でうなずくだけでは、お客さんは「ちゃんと聞いているのかな?」「興味はあるのかな?」「理解しているかな?」と思ってしまうこともありますが、適切なあいづちを入れることによってきちんと聞いていること、興味があること、納得したこと、理解したことなどを伝えることができます。
上述のような気難しいお客さんを相手にするときも、うなずきをマスターしていれば質問をせずに話を促すことができ、気に入られることでしょう。
うなずきでリズムを作りながら、なおかつあいづちを入れることで安心させること。
これができればどんなお客さんも話を続けたくなります。
うなずきをマスターすれば、会話が下手なキャバ嬢の強力な武器になります。
なにしろ、うなずきだけでどれだけでも会話を続けることだってできるのですから。