ワガママ客を育てる大切さ、ヘルプへの理解を求める方法

本指名をもらうためにはお客さんを育てる感覚が必要です。

「お客さんを育てる」とはどういうことかと言えば、簡単に言うならば、お客さんとキャバ嬢が良い付き合いを続けられるために、お客さんにキャバクラのルールやシステムを理解してもらう、という事になります。

お客さんを育てること

「お客さんを育てる」とはどういうことかと言えば、簡単に言うならば、お客さんとキャバ嬢が良い付き合いを続けられるために、お客さんにキャバクラのルールやシステムを理解してもらうという事です。

キャバクラに始めてくるお客さんや、数回来ただけのお客さんは、キャバクラのことを何も知らないものです。

もしくは、雑誌や漫画その他で誤ったイメージを抱いていることもあります。

そのため、キャバ嬢を口説くことしか考えていなかったり、ストレス発散することしか考えていなかったり、自分は客だと横暴にふるまったりすることもあります。

こういったお客さんは案外多いものです。

しかし、このようなお客さんばかりではキャバ嬢は疲れてしまいますし、お客さんにもキャバクラの本当の楽しみを知ってもらうことができません。

また、そのキャバ嬢にとって良いお客さんになってくれることもありません。

キャバ嬢にとって良いお客さんとは、キャバクラの本当の楽しみやルールやシステムをきちんと理解し、それらに則って楽しみ、色恋などは抜きにしてキャバ嬢を応援してくれるようなお客さんのことを言います。

キャバ嬢にとって都合の良いお客さんといえばそれまでなのですが、そのような良いお客さんがどれだけいるかによって、キャバ嬢としての働きやすさや成績は大きく左右されることになります。

もっとも、最初から良いお客さんであるということはほぼあり得ませんし、キャバ嬢が放っておいてもお客さんが自ら良いお客さんに育っていくということもあり得ません。

理想のお客さんになってもらうためには、まずはキャバ嬢自身がしっかりとした理想像を抱き、その理想に近づいてもらうためにお客さんを育てていかなければならないのです。

ただ、どのようにして育てればうまくいくというマニュアルがあるわけではありません、育て方はキャバ嬢のキャラクターによっても異なりますし、お店の雰囲気によっても異なります。

そして何よりも、お客さんの性格や考え方によって大きく異なるのです。

お客さんを育てていくにあたって大切になる一番基本となるのは何かといえば、それは「キャバクラのシステムやルールを理解してもらう」ということなのです。

本稿では、お客さんにルールやシステムを持ってもらう事の大切さと、その方法を解説していこうと思います。

ワガママなお客さん

キャバクラ歴が短いお客さんや、長年通っていてもすごくマイペースなお客さんたちのなかにはワガママなお客さんも多く、そのようなお客さんに共通するのが「俺は金を払っているんだから、どんな楽しみ方をしてもいいだろう」というものです。

お客さんのこのような言い分はある意味正論です。

キャバ嬢に対する多少のセクハラでさえも、セット料金に含まれていると考えるお店もあるほどです。

嫌がることをされることもあるでしょう。

しかし、余程ひどいことをされない限りは、どのようなお客さんにもきちんと接客しなければなりません。

しかし、それもあくまで“ルールを守る”ことが前提となります。

キャバクラでのルールは、規則というようなガチガチに決められたものではありませんが、「キャバクラとはこんな場所」という、暗黙の了解のようなものです。

少々ハメを外すくらいならばいいのですが、その暗黙の了解を大きく逸脱したワガママに対しては、ルールに従うように育てていかなければなりません。

ルールを知らないお客さんが最もキャバ嬢を困らせるワガママは、指名が被っているキャバ嬢が他の席に移動しようとすると怒る、ヘルプのキャバ嬢を無視したり嫌がらせをしたりするというものです。

つまり、指名のキャバ嬢を独占するというものと、指名のキャバ嬢以外は大切にしないというものです。

このような問題にはどう対処していけばよいのでしょうか。

 

 

キャバ嬢は独占できないと知ってもらう

指名が被っている時には、複数のお客さんに対して平等に席を回る必要があります。

しかし、キャバクラのルールを知らない、ワガママでルールを破ろうとする、酔っぱらってワガママになるなどして、指名キャバ嬢が他の席に行こうとすると怒るお客さんがいます。

これは、まぎれもなくお気に入りのキャバ嬢を独占したいという気持ちからそうしているのです。

他のお客さんのところに行ってほしくないという独占欲と、他のお客さんに対する嫉妬ゆえにそうしているのです。

このようなお客さんは、迷惑なお客さんだと断罪してしまうのはもったいないことです。

別の観点から考えれば、そのお客さんはそれほどまでにあなたのことを気に入ってくれているのですから、とてもありがたいことでもあるのです。

うまく育てていけば、強力なファンになってくれる可能性があります。

席を立とうとしたあなたに怒っているのも、意地悪な気持ちから怒っているのではなく、キャバクラのルールを知らないだけの可能性もあります。

とはいえ、困ってしまうのは事実ですから、対処法を学ばなければなりません。

このようなお客さんを育てていくためには、まずはキャバクラのシステムを理解してもらうのが良いでしょう。

キャバクラにはポイント制というものがあり、そのポイントを稼ぐことによってキャバ嬢は給料をもらい、生活をしているという基本的なことを理解してもらうのです。

システムを理解してもらえば、キャバ嬢は指名が被っているときには全てのお客さんに対して平等に接客する必要があることが分かってもらえます。

このような説明をして理解してもらおうとするならば、指名が被っていない時や、同伴をしてもらってゆっくり話せるときに説明するのがベストです。

この時に説明に付随して、自分はナンバーワンになりたいと思っていることや、ポイントが少なくてお店からの圧力がかかっていることなど、目標や現状も一緒に話すようにしましょう。

それによって、単に理解してワガママを押さえてもらうだけでなく、お客さんに応援してもらえるかもしれません。

もちろん、この説明の時には時給などの具体的な話はしなくてよいでしょう。

それよりも、できればあなたと長く話したいのだけれど、成績や生活のためにはどうしてもたくさんの指名を取る必要があり、あなた一人についていては目標を達成できないということを伝えればよいのです。

そう伝えることによって、生活のためにはたくさんの指名を取る必要がある→もし独り占めしたければ他のお客さんによって生じるポイントを自分で負担するほかない→そんなことは無理だ、と悟ることでしょう。

そして、お気に入りのキャバ嬢が目標を達成するためには、自分以外の指名客の席で接客することも大切なのだと理解してくれることと思います。

早めにコールしてもらう

しかし、お客さんによっては理解していながらも、独占欲のせいでワガママになってしまう人がいるでしょう。

そのようなお客さんに対しては、あらかじめつけ回しのスタッフに頼んでおいて、そのお客さんの席を離れる1~2分前に呼んでもらうのが効果的です。

最初に呼ばれたときはわざと無視をしているようなそぶりをし、1~2分後に再度呼ばれたときに「仕方ないから行ってくるね」という感じで席を立つのです。

こうすることによって、お客さんには「あなたの席が私のホームポジションだけど、仕事だからほかのお客さんの席にもいかなきゃいけない」という雰囲気を作るのです。

上述の通り、お客さんの独占欲は他のお客さんへの嫉妬心から芽生えている部分があります。

そのため、このような演出をされると、お客さんは嬉しく感じるものです。

これを繰り返すことによって、ほかの席には仕方なく言っているという印象を与えると、お客さんは他の席に行くときに怒ることはなくなりますし、むしろ「いってらっしゃい」という雰囲気さえ出てくることもあります。

なお、キャバ嬢を独占しようとワガママを言うお客さんに限らず、お客さんを育てていくにあたってはキャバクラのシステムやルールを理解してもらうことは第一歩になります。

ヘルプの存在を理解してもらう

次に、お客さんの中には「俺はあの子と話に来ているのだ。ヘルプに用はない」という態度で、指名のキャバ嬢以外には極端にそっけなくなるお客さんもいます。

これも、ある意味では、それほどあなたにほれ込んでいるのですから、ありがたいことでもあります。

しかし、そのようなお客さんはヘルプを無視したり、意地悪なことをしたりすることがありますから、野放しにしておくと「○○ちゃんのお客さんのヘルプにはつきたくない」と思われ、大変なことになってしまうかもしれません。

キャバ嬢はただ指名を受けていればそれでよいというわけではなく、指名客の席を離れたときにヘルプのキャバ嬢が上手くつないでくれることも重要なことなのです。

実際に知っているケースでは、たまたまヘルプに意地悪をするお客さんが多かったキャバ嬢が、誕生日の当日にヘルプから一斉に休まれてしまったということがあります。

そのようなことになれば、お店としてはキャバ嬢が席を離れている間のつなぎのキャバ嬢がいなくなるわけですから、多くの指名客を入れることができなくなります。

結局、席は空いているのにお客さんがお店に入れないという大変な事態になりました。

また、キャバ嬢は人気が高まれば高まるほど指名が被る確率は高くなり、したがってお客さんがヘルプのキャバ嬢と過ごす時間が長くなっていきます。

そのような時、ヘルプと過ごす時間をつまらないと感じているお客さんはますます不機嫌になり、ヘルプに辛く当たるようになり、あなたに対してはますますワガママになるという悪循環に陥ります。

さらに、あなたを独り占めできる時間が少ないことへの不満がピークに達すると、あなたを指名することが面白くないと感じ、もっと長く一緒にいてくれるキャバ嬢に指名替えしてしまう可能性も出てきます。

一方、ヘルプのキャバ嬢とでも楽しく過ごせるお客さんは、指名が被って長く席についていられないときも、満足して帰ってくれます。

したがって、指名客の中にワガママでヘルプをイジメるようなお客さんがいる場合には、そのお客さんがヘルプのキャバ嬢とも楽しめるように育てていく必要があります。

では、実際に指名が被ることが多い人気キャバ嬢たちは、どのように対処しているのかを見てみましょう。

 

 

人気キャバ嬢たちの対処法

キャバ嬢Aの場合

キャバ嬢Aはあるお店でナンバー入りしている人気キャバ嬢です。

ある時私が彼女を指名していたときのこと、ヘルプの女の子がこう言っているのを聞きました。

Aさんのヘルプって好きなんですよね。

Aさんのお客さんっていい人ばかりで、意地悪するような人いませんから。

そんなお客さんばかりの人ってなかなかいないですよ。

いいお客さんを掴んでいく技術がすごいです。

ヘルプは彼女がお客さんを育てていることを知らなかったようです。

実際、彼女の多くのお客さんの中には、キャバ嬢に意地悪をするようなお客さんもいたのです。

しかし、ヘルプの子がそういっている以上、彼女はお客さんを育てているのだろう、と感心していました。

ある日、私は彼女に対して、お客さんをどのように育てているのかを聞いてみました。

すると、こんな答えが返ってきました。

たしかに、『このお客さんはヘルプの子を困らせてるな』って思うお客さんもいますよ。

そんな時には、

○○さんは絶対にないと思うけど、私のお客さんのなかにはヘルプの子に意地悪するお客さんもいるの。
この前イジメられた子は体験入店の子だったから、どのお客さんなのかわからないんですけど、すごくショック。
だって、私のお客さんはみんな優しい人ばっかりでそんなことする人いないとおもってたから。
なんだか裏切られた気分ですごく悲しい。

って言うんです。

そうしたら、だいたい意地悪はなくなりますよ。

たしかに、このように言われれば、お気に入りのキャバ嬢を裏切りたくないと思いますから、ヘルプの子をいじめたりすることはなくなるでしょう。

うまいやり方です。

キャバ嬢Bの場合

キャバ嬢Bは天真爛漫なキャバ嬢で、それが売りになって人気を獲得しています。

そのキャラクターゆえに、ヘルプをイジメるお客さんがいると、ズバッと指摘することで解決しているようです。

つまり、

○○さん、さっきヘルプの子をいじめたでしょ!

私、ヘルプの子をイジメるような人は嫌いだよ。

だって、ヘルプの子に嫌われたら私も仕事にならないし。

彼女たちにも至らないところがあるかもしれないけど、もっと優しくしてあげてよ!

というのです。

このようにストレートに言われると、「わかった」と言わざるを得ないですよね。

 

キャバ嬢Cの場合

キャバ嬢Cは、ヘルプのキャバ嬢をイジメるお客さんがいると分かれば、同伴やアフターをしてゆっくりと時間を取り、キャバ嬢にとってヘルプがどれだけ大切かを理解してもらっています。

キャバ嬢にとってヘルプってすごく大切なんだよ。

だって、私についてくれるヘルプがいなくなったら、私は席を回れなくなって仕事できなくなっちゃう。

そうなったら、どうしようもないよ。

指名が被っている時にヘルプの子がいなかったら、お客さんがお店に入れなくなっちゃうんだよ。

このようにきちんと話し、複数の指名を受けるキャバ嬢にとってのヘルプの重要さを理解してもらうことが大切です。

この理解こそが、問題解決の第一歩となります。

 

 

 

キャバ嬢Dの場合

キャバ嬢Dは、お客さんにヘルプの大切さを理解してもらうと同時に、お客さんがヘルプの子と楽しめるように工夫しています。

席を離れる少し前に、ヘルプの子と楽しめるようにネタふりをしておくのです。

例えば、男性と女性の心理について話をしていたならば、

たぶん、私だけじゃなくて女の子は皆そう思ってるはずなんだけどな~。

そうだ、よかったら他の子にも意見聞いてみてよ。

次のヘルプの子が来たらこの話してみて。

絶対私と同じこと言うと思うよ。

などとネタ振りをしておくのです。

そして、再び席に帰ってきたときには「ヘルプの子はなんていってた?」と聞くのです。

このように言われると、ヘルプの子とあまりしゃべりたくないと思っているお客さんであっても、ヘルプと話さなければならなくなります。

お客さんの中には意地悪な気持ちからヘルプと話をしないお客さんがいる一方で、あまり親しくない女の子となにを話せばいいかわからないから話さないというお客さんもいますが、そのようなお客さんでも「さっき、○○ちゃんとこんな話してたんだけど、君はどう思う?」という会話を振ることができるため、話しやすくなります。

話のネタに困りませんし、盛り上がれば「ヘルプとの会話も楽しいじゃないか」と感じてもらえることもあります。

さらに、キャバ嬢Dとしても、席に戻ってきたときにすぐ会話に入れるというメリットもあります。

 

キャバ嬢Eの場合

私は、よく指名するキャバ嬢Eからこんなことを言われたことがあります。

○○さんは会話が上手だから、店長に頼んで、○○さんのヘルプは新人の子をできるだけ付けてもらうようにしたよ。

○○さんにつけば、新人の子も勉強になるから。

お願いね。

このように言われれば、私としてはヘルプのキャバ嬢を緊張させるような雰囲気を作るわけにはいきませんし、楽しく会話しようと思えます。

ヘルプをいじめようものならば、お気に入りのキャバ嬢から嫌われてしまうことでしょう。

これも一つのうまい作戦です。

本稿で挙げた例以外にも、わがままなお客さんを育てる方法は色々あるでしょう。

しかし、どれも根本には「あなたのワガママは私を困らせることになります」というメッセージを理解してもらうことにあります。

皆さんも、ワガママなお客さんやルールの理解が乏しいお客さんを良いお客さんに育てていくためにも、これらのことを実践してみてください。

 

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