キャバクラ、スナック、クラブ・・・そういった商売を「水商売」といいますが、水商売はなぜ水商売というのでしょうか。
それは、水商売という商売に従事する人は、流れる水のように収入が不安定だからだとされています。
水商売はどんな仕事?
水商売はいつごろからあったのでしょうか。
本当に古い起源を言うならばかなり古く、江戸時代に幕府公認の道楽として出現した遊郭が起源になるようです。
遊郭は江戸時代から昭和30年ごろまでありました。
遊郭にも色々あって、安い遊郭ならばただ女性と寝るだけで、今のヘルスやソープのようなお店でしたが、高い遊郭ならばただ寝るだけではなく、花魁といわれる華やかな女性と踊りや歌を楽しみながらお酒を飲み、その後に寝るというお店でした。
歌や踊りを楽しむ遊郭の文化は芸子として残り、これがやがて水商売になりました。
そして、女性と寝るという部分はヘルスやソープといった性風俗業として残っています。
したがって、風俗と水商売は風俗産業として一握りに認識されることもありますが、起源は同じでも別の産業と言えます。
そのため、セクキャバやランパブ(女性が客の上にまたがったり、上半身裸になったりするお店)は、キャバクラと同じものとして認識されますが、決して同じものではありません。
キャバクラはキャバ嬢とお酒を飲み、会話することを目的としていますが、セクキャバやランパブは女の子に触りたい、裸を見たいという肉体的欲求を満たすことを目的としているからです。
したがって、セクキャバやランパブは水商売というよりは性風俗店という側面が強くなります。
水商売は性風俗店とは異なり、お酒と会話による接客サービスを売りにしているお店です。
そのため、同じようにお酒を買って飲むお店ではあっても、居酒屋で客同士がお酒を飲むお店とも違います。
女性との会話があることを前提とするならば、女将さんとの会話を楽しみながらお酒が飲める小料理店はどうでしょうか。
これも違いますね。
確かに女将さんは仲の良い常連客にお酌や会話を提供することがありますが、あくまでも小料理屋の商品は料理とお酒であることが前提となっており、客の真の目的もお酒と料理だからです。
お酌や会話はメインではありません。
女将さんは、客に料理とお酒をより楽しんでもらうために、プラスアルファとして会話を提供しているだけです。
このことが前提となっているため、女将さんとしても水商売のような意識で会話はしていませんし、客もそれは認識しているため、会話が面白くないからチェンジなどと文句を言うことはできないのです。
そんな文句を言うならばもう来なくていいよ、となってしまうのが小料理屋です。
もっとも、客の中には料理よりも女将さんとの会話を楽しむために通っている人もいることでしょう。
その場合には、その客にとっては水商売と言えないこともありません。
このように、対象となるお店が水商売であるかどうかの定義はあいまいであり、客の受け取り方次第ではその対象が水商売になることもあり得ます。