キャバクラで新規のお客さんに接客する場合には、初対面が非常に大切です。
人間関係において初対面から受ける印象でその人のイメージが定着することが多いため、初対面で悪い印象を持たれてしまうと、それを覆るのが難しくなります。
そのため、初対面の時には明るく振る舞いつつ、聞き役に回るのが基本となります。
しかし、もし相手が自分から色々と話す人でなければ聞き役になることはできません。
特に無口の場合には、聞き役に徹していれば接客が成り立たなくなってしまいます。
お客さんのこだわりを見抜く
お客さんが無口な場合、聞き役に回ることができる状況を作るためにも相手に話をさせる必要があります。
押してダメなら引いてみろと心がけてください。
相手が無口なとき、キャバ嬢たちは会話のとっかかりを探すべく、お客さんが身に付けているものに目を付けます。
もしネクタイがおしゃれだと思えば、「素敵なネクタイですね」といい、一風変わった眼鏡をしていたならば、「その眼鏡はどこで作ったんですか?」と聞きます。
なぜならば、おそらくそこには相手のこだわりがあるからです。
もしよい反応が得られたならば、おそらくその人がこだわっているポイントをくすぐることができたといえます。
一旦そうなってしまえば、あとはキャバ嬢の方からなにか話そうとしなくとも、勝手に色々と話してくれることでしょう。
人は自分のこだわりに触れられると、色々と話さずにはいられなくなるのです。
こだわりのポイントは、人によって違うものです。
しかし、おしゃれにこだわっているならば、なんとなくあたりを付けることができます。
ピンク、オレンジ、黄色といった女の子色のものを身に付けていれば、大抵はおしゃれにこだわりを持っている人です。
そこを攻めれば問題ないでしょう。
ただし、おしゃれはおしゃれでもそれほどこだわっていない場合もあります。
例えば、クリーム色、ベージュ、グレー、水色などでまとめている場合には、よくまとまっていておしゃれな印象を受けるものですが、こだわっていないことが多い傾向があります。
そのような人には、おしゃれの話題を振っても乗ってこないことが多いです。
靴にも注目してみましょう。おしゃれで高そうな革靴を履いているという事だけではなく、たとえスニーカーであってもキレイな靴を履いているならば身だしなみに気を付けている証拠です。
そのような靴を履いているお客さんに対しては、そこを指摘してあげると、フリーのお客さんであったとしても会話がスムーズに進みやすくなります。
このほか、ここに気づけばお客さんから「この子は一味違う」と思われるポイントがあります。
それは、ワイシャツのボタンです。
最近ではカフスボタンをしている人は減りましたが、おしゃれなボタンをしている人はたくさんいます。
縫い目をシャツのストライプに合わせたボタン、貝殻のボタン、こういったボタンを指摘できれば上出来です。
もちろんカフスをしている場合にも、こだわりをもってカフスをしていることが多いので指摘してあげましょう。
私の友人も、自動車メーカーのジャガーが大好きな人がいますが、ジャガー好きが高じてカフスボタンまでジャガーのものを付けていました。
その人は、キャバクラに遊びに行ってジャガーの話をしていたとき、「あ、カフスボタンもジャガーですね」と指摘されてかなりテンションが上がっていました。
もしファッションでのこだわりが見つからなかったならば、趣味の話を振ってみましょう。
この場合には、「趣味は何ですか?」と露骨に聞くよりは、相手が日焼けをしているならば「なにかスポーツをされているんですか?」と聞いてみるとよいでしょう。
教えを乞うことの効果
相手のこだわりのポイントを見つけたならば、相手のこだわりポイントを聞くことによって相手の満足感を満たすことができます。
しかし、単に聞いて「へぇ~」「ほぉ~」といっているだけでは不十分です。
大切なのは、相手に教えを乞う姿勢を持つことです。
男性という生き物は、基本的に教えることが大好きな生き物です。
私も一時期塾講師をしていたことがありますが、人に教えることはとても気持ちのいいことです。
自分の知識をひけらかすのも、また気持ちのいいことです。
そのため、キャバクラに遊びに来た男性客は、キャバ嬢から教えてほしいという姿勢を見せられると、かなり好感を持つものです。
自分の知らないことを話しているお客さんには「教えてほしい」という姿勢を持ち、もし相手が間違ったことを言っていると思っても、「ちがいますよ!それは○○です」というのではなく、「そうなんですか、もっと知りたいです!」と言いましょう。
相手の話が一通り終わったならば、「詳しいんですね」「すごい知識ですね、相当ながく趣味にされているんですか?」「知らないことばっかりですごく興味深いです」などと言って持ち上げると、相手はますます喜びます。
高い確率で、フリーの客でも場内指名してくれるでしょうし、次回も指名してくれることでしょう。
このような話をすると、キャバ嬢たちは「お話の相手をするとき、ある程度予備知識があったほうがいいと思うんですけど、どうなんですか?」と聞いてくることがありますが、実は予備知識は全く必要ありません。
確かに、一般的な話題ならば、少しは知識がなければ話がかみ合わなくて困ることになりますが、もしそれがウンチク話であったならば、予備知識は不要です。
相手もこちらが何も知らないことを前提として話してきますから、一方的に語らせても問題ありません。
「そうなんですか!」「知りませんでした、おもしろい!」などと言えばOKです。
実際、私の友人にも大のお酒好きがいて、キャバクラに行くとワインやウイスキーのウンチクを何時間も話す人がいます。
それも、少し詳しいというレベルではなく、お酒の学問ともいえる微生物工学の教授ですから、話す内容は非常に深いものです。
お酒の話から、キノコの話やカビの話に飛びまくって、聞いているキャバ嬢もかなり大変でしょうが、ただ聞いてもらうだけで本人は大満足の様です。
キャバ嬢として働きながらも、お酒の味や種類についてはちんぷんかんぷんというキャバ嬢も多いでしょうが、それでも問題ありません。
ウンチクには耳を傾けることが基本です。
また、お客さんによっては知識をひけらかしたうえで、「知ってるよね?」と聞いてくる人もいます。
例えば、歴史のウンチクをどんどん話し、「○○のことは知ってるよね?」などと聞いてくるタイプです。
そのような場合にも、相手は本当に知っていることを期待してこう聞いているのではなく、知らないことを確認する意味合いで聞いていることがほとんどです。
そのため、「知りません」と率直に言って問題ありません。
そういうと、相手は「へ~知らないんだ(そうだろう、うんうん)」といった具合に、嬉しそうに解説をしてくれることでしょう。
男性はウンチク好きです。
キャバクラで働いていればウンチクをたくさん聞くことになるでしょう。
次から次にウンチクを聞いていればたくさんの知識が身に付くかと言えばそうでもなく、次から次に記憶が塗り替えられていき、あまり覚えていないものです。
しかし、「前も話したじゃないか!」と怒ってくるお客さんは少なく、どちらかというとお酒による酔いもあって同じことを繰り返し話してくるお客さんの方が多いので大丈夫です。
ちなみに、お客さんがウンチクを話したいのかどうかを見定めるよい基準があります。
それは、「ちなみに・・・」と言い出すときです。
「ちなみに外国ではね、○○なんだよ」などという時です。
この時にはおそらくウンチク話をしようとしている合図なので、「ウンチクが来るぞ・・・聞き役に徹しよう!」と身構えることができます。
ウンチクについてもう一つ大切なことがあります。
それは、ウンチクには十八番があるという事です。
その人の最も得意とするウンチク話であり、お酒も入っていることですから、何度も同じ話をするかもしれません。
しかし、そこで「あ、その話、前も聞きました」というのは絶対にNGです。
かといって、最初に聞いたことと同じリアクションをする必要もありません。
とにかく感心することを心がけて下さい。