キャバ嬢の仕事は何かと考えたとき、やはり「お客さんの話聞くこと」が大きな仕事の一つであると考えてよいでしょう。
お客さんを満足させたり、癒したりするにあたっても、話を聞くことによって成し遂げられることは多いものです。
話を聞くのがキャバ嬢の仕事
キャバ嬢が話を聞くときには、単にお客さんの声を音として受け取るのではなく、色々な情報を汲み取りながら聞いていく必要があります。
例えばお客さんの考え方、行動パターン、好きなものと嫌いなもの、感じ方、大切に思っていることなどのあらゆる面から情報を集めていくのです。
ただ漫然と聞いていたのではこれらの情報は集めることはできません。
お客さんを理解しようという姿勢で聞いていく必要があるのです。
このように、お客さんの話を集中して聞くことは、キャバ嬢にとって非常に重要な仕事です。
しかし、人間の集中力というものは案外頼りにならないもので、集中して聞くためのテクニックを利用しながら集中していかなければなかなかうまくいきません。
また、キャバ嬢として何百人というお客さんと出会っていくうちに、どうしても好きになれない人とも出会うものです。
そして、好きになれない人の話は積極的に聞く気になれず、集中力を保つことが難しい場合もあるでしょう。
それでも、キャバ嬢である以上はそのようなお客さんも含めて一人でも多くのお客さんから好かれなければ仕事にならないため、個人的な感情は抑えなければなりません。
この、感情を抑えるということは難しいものです。
無理に押さえつけようとすると自分に嘘をついていることになり、自分が自分をだますことに苦痛を感じない人はいないでしょう。
そのため、好きに慣れないお客さんにうまく接客していくためには、自分の気持ちを脇に置いておくためにテクニックを使っていく必要があります。
それは、お客さんの言葉を三種類に分析して、お客さんの感性を探るというものです。
その三種類とは、
- ヴィジュアル重視型
- サウンド重視型
- フィーリング重視型
です。
お客さんの感性を知る
この三つの感性のうち、お客さんはどれに重きを置いているかを知ることによって、同じことを話していても表現が異なることに気づくでしょう。
例えば、こんな風に。
・ヴィジュアル重視型
これはヴィジュアルに重きをおく感性で、「見る」などのキーワードを含みます。
例:「この前尾瀬に行ったんだけど、人間の影響を最小限にとどめているから、大自然のそのままの姿を見ることができたよ」
・サウンド重視型
これはサウンドに重きをおく感性で、「聞く」などのキーワードを含みます。
例:「この前尾瀬に行ったんだけど、人間の影響を最小限にとどめているから、大自然の声が聞こえてくるようだったよ」
・フィーリング重視型
これはフィーリングに重きをおく感性で、「感じる」などのキーワードを含みます。
例:「この前尾瀬に行ったんだけど、人間の影響を最小限にとどめているから、大自然の雄大さをとても感じられたよ」
すべて尾瀬について話しているのですが、表現は異なります。
意識して聞かなければわからないものですが、お客さんの感性が無意識のうちに言葉に現れてくるものなのです。
ちなみに、「僕は~と思うなぁ」「僕は~と感じたよ」などとよくいますから、私はフィーリング重視型であると言えます。
お客さんの話を聞く際には、言葉の端々に現れる表現を拾っていくことによって、お客さんの感性を知ることができます。
そのことによって話を集中して聞きやすくなるばかりではなく、お客さんの感性を的確に把握することによって「あなたのことを理解しています」とうメッセ-ジを送ることもできます。
分析後の対応
お客さんの言葉を分析して感性を知ることができれば、返事を工夫することができます。
ヴィジュアル重視型のお客さんへの返事では、
「お話を聞いているだけでも、尾瀬の自然が目に浮かびます」
サウンド重視型のお客さんへの返事では、
「お話を聞いているだけでも、尾瀬の自然の声が聞こえてくるようですね」
フィーリング重視型のお客さんへの返事では、
「お話を聞いているだけでも、尾瀬の自然の雄大さが感じられるようです」
などと答えることができます。
これらの返事は全てお客さんの感性に沿うように工夫された返事ですから、お客さんは無意識に「この子とは感性が合うな」と思うようになってきます。
お客さんの感性が分かれば、返事以外にネタ振りの場面などでも活かすことができます。
つまり、
・ヴィジュアル重視型→視覚情報をもとにネタ振りをする。
例:「おしゃれな色のネクタイですね」
・サウンド重視型→聴覚情報をもとにネタ振りをする。
例:「おしゃれな靴ですね。歩くときにコツコツ鳴る靴が好きなんです」
・フィーリング重視型→感覚情報をもとにネタ振りをする。
例:「とっても雰囲気のいいスーツですね」
というようにネタを振るポイントを変えていくのです。
お客さんは無意識的に重視している感性をもとに身なりを整えているのですから、これは効果抜群です。
そもそも、人間が意識できる部分というのはごく小さく、ほとんどが無意識のうちに行動に現れているといいますから、その無意識に働きかけることでお客さんの喜びがあふれだしてくることになるのです。
私は先述の通りヴィジュアル重視型です。
ヴィジュアル情報やサウンド情報ではなく、自分がなんとなく気に入るものを身に着けています。
言葉にはできないものの、気に入ったのだからしょうがないという考え方です。
そのような私がキャバクラに行ったときは、「ストライプのスーツにストライプのシャツっておしゃれですよね」などとヴィジュアル的なところにネタ振りをされても、そもそもその組み合わせがおしゃれであるという感覚がないため、よくわかりません。
それよりも、単純に「すごく似合っていますね。雰囲気がいいですよ」とか「○○さんのファッションって個性的ですよね。自分の好きな物を自由に着てる感じで、すごく似合っていますよ」などと言われた方がとても嬉しく感じます。
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自分でも柄とか色にこだわりはないんだけどさ、なんとなく気に入ったのを着ているんだよ。なんとなく気に入ったものを好き勝手に着るっていうのがこだわりともいえるね。
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そういうことを感じられることって、ファッション以外にあるんですか?
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うん。ガーデニングが趣味なんだけど、なんとなく気に入ったものを育てるから色合いとか植物の系統とかに全然統一感ないんだよね(笑)でもそれが好きだからさ。
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気に入るものに一定の傾向がないと、周りも予測不能で見ていてすごくわくわくします。
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そう?この前なんか花を買いに行ったのに梅の苗木を買っちゃってさ・・・
などと会話が盛り上がっていくのです。
お客さんの感性を知ることができれば、話はどんどん広がっていくことでしょう。
ちなみにこの会話の時、完成の話でセット時間いっぱいまで話が止まりませんでした。
それは、私がそのキャバ嬢が自分の感性に理解を示し、時に「感性が似ているな」となんとなく思わせてくれたからにほかなりません。
皆さんも、お客さんの感性を分析することができるようになれば強い武器になりますよ。
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