お客さんと接する際、感情表現が豊かで分かりやすいお客さんならば接しやすいでしょうが、そのようなお客さんばかりではありません。
何を考えているかわからないお客さんもいますし、言葉の裏には異なる感情が潜んでいることもあります。
態度面に感情が現れる
お客さんの気持ちがわからないことで接しにくいと感じてしまうキャバ嬢は多いものです。
そこで、お客さんの気持ちを汲み取るための一つのテクニックがあります。
人は隠そうとしても、態度面に本当の気持ちが表れてしまうことがあるものです。
そこで、お客さんの態度面を観察して真意を知ることができます。
そんなことが本当にできるのかと思うかも知れませんが、実際に可能ですし、観察力の鋭い人は実践しています。
少し話はずれますが、1997年元旦のとんねるずの『食わず嫌い王決定戦』でイチローと広末涼子が対決した時の話が参考になるでしょう。
女優の広末涼子は自分の嫌いな物を悟られないように演技をしたのですが、イチローは一発で当ててしまいました。
イチローといえば日本を代表するスーパースターで、私も彼の大ファンです。
彼の打ち立てた偉大な功績は観察力によるところが多いでしょう。
投手が投げる瞬間の手首の動きや顔色もバッティングの参考になっているそうです。
そんな彼は広末涼子の演技をすぐに見破ってしまいます。
広末涼子の嫌いな食べ物は塩辛だったのですが、広末涼子はそれを食べるときに臆病になり、舌をひっこめたまま口に入れました。
食べる時の口の中が見えるのはほんの一瞬ですが、イチローはそれを見つけ、「これが嫌いに違いない」と判断したのです。
イチローほどの優れた観察力があれば、隠れた感情を汲み取って丸裸にすることができるのかもしれません。
このように、相手の態度面を観察することで感情を汲み取ることができるわけですが、ここでおすすめしたいのは、お客さんの目の動きを観察することによって感情を汲み取るというテクニックです。
昔から「目は口程に物を言う」と言いますが、このことわざのとおり目の動きには感情が現れます。
ここで解説する目の動きがいつでも解説する通りの感情の表れであるとは限りませんが、参考になるのは間違いありません。
目の動きで感情を汲み取る
まず、簡単に目の動きとその時に考えていることをお教えします。
- 右上を見る→過去のヴィジュアル的なイメージをしている
- 右横を見る→過去に記憶された音をイメージしている
- 右下を見る→内的会話(自分との会話)をしている
- 左下を見る→身体的に感じた感覚をイメージしている
- 左横を見る→未来の音をイメージしている
- 左上を見る→未来のヴィジュアル的なイメージをしている
では、これらを詳しく見て行きましょう。
まず、特に何もない時は瞳は真ん中にあります。
特定の思考を巡らしていない時です。
この状態から、あなたから見て右上に瞳が動けば、相手は過去のヴィジュアル的なイメージを想起しています。
反対に、左上に動いたときは未来のビジュアル的なイメージを想起しています。
例えば、出張から帰ってきたという会話の中で「どこに行ったんですか?」と聞いた時、お客さんが右上を見て答えればお客さんは本当にその時の事を思い出して答えようとしていることが分かります。
このように、目の動きによって相手が嘘をついているかどうかが分かります。
お客さんだけではなく、彼氏の浮気チェックにも使えるテクニックですね。
目があなたから見て右横に動いた場合は、過去に記憶された音のイメージを想起しています。
左横に動けば未来の音のイメージです。
音というのは音楽や騒音や人の声など色々なものが考えられます。
実際の会話では、過去もしくは未来の会話などをイメージしていることが多いものです。
目があなたから見て右下に動けば、自分の心と対話しています。
例えば、お客さんに「次の○曜日に同伴をしてくれませんか?」と言ったときに右下を見ていれば、お客さんは「どうしようかな」と自分と相談していると考えられます。
あなたから見て左下に動いたときは、身体的に感じた感覚を意識している時です。
例えばお客さんが何かを触りながら左下をふっと見たならば、触っているものに特になんらかの感覚を抱いていると言えます。
このような目の動きを観察する技術は、アイ・アクセシング・キューと呼ばれるものです。
これを実践する方法をお教えしましょう。
まず、お客さんが来店した時には何気ない会話から始まることでしょう。
例えば、「今日は寒かったでしょう?お店の温度はどうですか?」とたずねます。
あなたが「寒い」という言葉を使った瞬間か、もしくは「温度はどうですか?」と言った瞬間のお客さんの目の動きを見てみましょう。
この質問でお客さんの目が左下に動けば、自分の肌で感じている感覚にアクセスしていることが分かります。
そのお客さんにはこのテクニックが使えるのだと想定できるのです。
これに続いていくつかの質問をしていき、目の動きを観察していきます。
そこで想定通りの目の動きをするお客さんならば、アイ・アクセシング・キューが利用できることが分かるので、その後の会話でも感情を汲み取る参考にするとよいでしょう。
例外的な目の動き
上記で解説した以外にも、例外的なアイ・アクセシング・キューがあります。
話す前に目がかならず右下に動く
右下への動きは自分との対話ですから、このお客さんは話す前に今までの会話を反復してから、受け答えや次の会話をしていることが分かります。
この時くちびるがうごくようであれば間違いありません。
そのようなタイプのお客さんは、そうでないお客さんに比べて話し始めるまでに時間がかかることがあるため、待ってあげるようにすればうまく会話できるようになります。
常に目が下に動く
初対面の場合にみられやすい動きです。
緊張している時に見られる動きであり、お客さんの緊張を汲み取ることができます。
緊張がほどけてくると下への動きはなくなってくるため、緊張の度合いの判断に利用することができます。
まばたきが多い
まばたきが多い人は、頭の中で色々なことを考えているか、もしくは緊張しているときに出る反応です。
どのパターンにも当てはまらない
上記のどのパターンにも当てはまらない人もいます。
そのような人は、同時に2つ以上の感覚情報にアクセスしているため、目に現れないのです。
目の動きから感情を判断することはできないものの、言葉に独特の表現が出てくる場合があるのでそちらに注目してみてください。
お客さんを観察していると、人それぞれ違う情報アクセスパターンが見えてくることでしょう。
お客さんの全体的な観察をするなかで目の動きも観察し、お客さんのパターンにあった会話をしていくことが大切です。
このテクニックは、例えばこんな風に使うことができます。
右上や左上によく目が動くお客さんは、ヴィジュアル的なイメージをよく想起する人であり、視覚情報を基にした情報アクセスパターンが多いと考えられます。
そのようなお客さんは、往々にして自分のファッションなどでも色や模様や形などの視覚情報を重視していることが多いため、
「ストライプのスーツにストライプのシャツっておしゃれですね」
「ネクタイの色がすごくおしゃれですね」
などと話を振ってみると、盛り上がる可能性が高いです。
ちなみに、このようなときにはさらにその他大勢と差をつけることができるテクニックを持っておいた方がいいので、それも紹介しておきましょう。
お客さんの目の動きから視覚重視であることが分かった場合には、ファッションにもこだわりを持っていることが多いです。
言葉には出さなかったとしても、誰かから評価されたいと思っているものです。
そのことを知っているキャバ嬢は多いものですから、目立つポイントに話を振っても、ほかの多くのキャバ嬢と変わらないネタ振りになってしまうことでしょう。
そこで役立つのが、ほかのキャバ嬢はなかなか目を付けない部分に着目するということです。
例えばネクタイの縫製であったり、スーツのボタンなどの細かい点です。
そこを指摘すればお客さんはあなたのことが気になることは間違いありません。