オンナを売りにすることにハマるキャバ嬢たち

キャバクラで働くキャバ嬢は、普通の女の子が高時給の職場を求めて入ってくることがほとんどであるため、基本的に素人です。

そして、ホステスクラブなどのように敷居が高くもないため、お客さんにも色々な人がおり、その多くは素人のようなものです。

遊び慣れていないお客さんが多く、真剣に恋心を抱くことも多いものです。

キャバクラで働く女性はキャバ嬢を演じているのであって、そのような演出された世界ではお客さんも本気にはしないと思えば間違いで、やはり生身の人間同士の付き合いであるため、真剣になってしまうお客さんもいるのです。

キャバ嬢のスタンス

同じ水商売でも、キャバ嬢とホステスはかなり違う存在です。

ホステスは接客のプロ集団ですが、キャバ嬢は素人性が強く、そこが売りにもなっています。

普通っぽい女の子が1対1で接客してくれるシステムであるからこそ、クラブとは違う客層を獲得することができます。

多くのキャバ嬢はアルバイト感覚で働いており、そこも夜の世界に人生を賭けるホステスとは大きく違うところです。

ホステスならばお店が女の子を守る仕組みがありますが、キャバ嬢たちは一見お店から守られているように見えても、実は様々なリスクにさらされています。

キャバ嬢たちに課せられた使命とは、できるだけ多くの指名を獲得してお店の売り上げに貢献することです。

その使命を果たすために、お客さんが気に入るように自分を演出し、お客さんが素人性を求めているならば素の自分を演出していきます。

お客さんも、頭では「キャバクラは演出によって俺たちを楽しませるところだ」と分かっていますから、キャバ嬢たちに騙されないようにしなければと慎重になります。

しかし、そのような中でもキャバ嬢とデートがしたい、付き合いたい、エッチがしたいなどの「あわよくば」という欲望を持っているため、警戒しながらもキャバ嬢たちの懐に入り込もうとします。

キャバ嬢たちはそれをかわしていく必要がありますが、お客さんをあからさまに拒否してかわしたのでは、お客さんは面白くなく、指名は獲得できず、売り上げに貢献することもできません。

かわさなければならないものの、楽しそうに見えることが大前提となります。

絶妙な駆け引きといえますが、そのような駆け引きの中にも一つの法則があります。

キャバクラで大切なのは、お客さんに「私はキャバ嬢です」と伝えながら「私はキャバ嬢ではありません」と伝えることです。

矛盾したメッセージではありますが、このどちらかに偏ってしまうと不都合が生じます。

もし「私はキャバ嬢です」というメッセージが強すぎると、「この子はキャバ嬢であって、接客の楽しそうな態度もすべて演技だ。所詮はお金目当てだ。騙されてたまるか。指名なんてしないぞ」となってしまいます。

逆に、「私はキャバ嬢ではありません」というメッセージが強すぎると、「この子は普通の女の子だな。(普通の女の子と接するのにキャバクラに行く必要はないから)お店には行かず店外デートに誘おう」となってしまうのです。

これは矛盾したメッセージであり、そんなことが成り立つのかと疑問に感じる人もいると思います。

そんな人のために詳しく言うならば、このようなメッセージを送るべきということです。

つまり、

私はキャバ嬢ですが、お客さんを騙すような悪いキャバ嬢ではありません。

本当は普通の女の子です。

しかし、やっぱりキャバ嬢でもあります。

だから、あくまでも本気の恋愛感情は抱かないようにしてください。

そして、お店でお金を使ってね。

というメッセージです。

売れっ子キャバ嬢たちは、お客さんにこのメッセージを送る技術が優れています。

売れっ子キャバ嬢たちは、友達営業によってお客さんと信頼関係を築いたり、お客さんに恋心を抱かせずファンにしてしまうことができるのです。

 

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メッセージを伝えられないキャバ嬢が多い

しかし、全てのキャバ嬢がそのようにうまくいくわけではありません。

むしろ、多くのキャバ嬢は普通の女の子らしさをアピールするあまり、色恋営業になってしまいます。

誰しも、色恋営業が面倒なものであると知っていますから、意図的に色恋営業をするわけではありませんが、自然とそうなってしまうのです。

結果的に、キャバ嬢の接客態度から勘違いをしてしまい、恋心を抱いてしまったお客さんがしつこくデートに誘って来たり、交際を迫って来たりします。

そして、それが叶わないと分かると「騙したのか!」と怒ったり、「所詮、君も水商売の女だったんだな。水商売の女なんて・・・」と侮辱を受けることになります。

ひどいケースになると、愛憎入り混じってストーカー化してしまうこともあります。

このほか、「所詮は水商売の女なのか」と思われたことによって、「水商売の女なんだからいいだろ」とセクハラを受けてしまうこともあります。

このような悪いお客さんが多くついてしまうと、キャバ嬢は精神的にひどく疲れていくことになります。

そんな中で、プライドをもって気丈に働き続けるキャバ嬢もいます。

中には、自己啓発本や、当サイトの記事のようなものを読んで、自分の意識の方向付けを行って頑張り続けるキャバ嬢もいます。

ベテランキャバ嬢たちは、キャバ嬢として長く働くうちにそのような悪いお客さんともたくさん出会っていくうちに、そんな中でも働き続ける必要性から、自己啓発によって精神を保っているキャバ嬢が非常に多いです。

しかし、自己啓発を取り入れるかどうかに関わらず、やはりこの「キャバ嬢だけどキャバ嬢じゃない」という矛盾したメッセージが、キャバ嬢たちを疲れさせているのは事実です。

 

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オンナを売る現実

あるキャバクラの新人キャバ嬢にインタビューした時、こんなことを言っているキャバ嬢がいました。

あたし、雑誌とかドラマみて、キャバ嬢に憧れて入ったんですよ。

でも、なんか拍子抜けしましたね。

だって、入店したばっかりの私なんて素人みたいなもんじゃないですか。

私、プロのキャバ嬢になりたいのに、その素人っぽさがウケるんですよ。

なんか、ミもフタもないって感じで。

だって、お客さんたちはキャバ嬢の私たちに会いに来ると思ってたんです。

でも、接客してみると、お客さんは私がキャバ嬢かどうかっていうより、若い素人の女の子っていうだけで喜ぶんです。

スキルを磨いて一人前のキャバ嬢にならなきゃって思ってたのに。

なんか、ホステスと勘違いしてたのかもしれないです。

『女帝』のイメージだったんですよ。

『女帝』とは、ホステスクラブをはじめとした夜の世界を舞台にした倉科遼の漫画であり、加藤ローサ主演でドラマ化もされた人気作品です。

彼女はこの作品を見て、加藤ローサ演じるホステスに憧れを抱いたものの、クラブとキャバクラの違いも知らずにキャバクラに飛び込んだところ、拍子抜けしたというわけです。

おそらく、夜の世界の女性としての品質というより、若さやスタイルがよければ高値がつくというシステムに寂しさを感じたのでしょう。

キャバ嬢へのインタビューでは同様の意見が複数見られ、

性別が女ならいいんじゃない?ってくらい。

おじさんたちは喜びますよ。

若いだけでよろこんでる。

という意見もありました。

このことはお店の男性スタッフも認識していることです。

知人のキャバクラ店店長と話している時、彼に「キャバクラに来る客って素人みたいなとこありますよね。女の子たちが寂しいっていってるのも分かる気がしますよ」と言ってみたところ、

「まぁ、夢を売ってるみたいなとこありますからね。この商売は」と言っていたのを覚えています。

これは、キャバ嬢の「オンナ」をお金で買うシステムであり、それを目の当たりにした時、キャバクラに抱いていた憧れが打ち破られてしまう女の子も多いことでしょう。

年齢やスタイルがどうか、ルックスはどうかといったことを基準に格付けされ、その土俵の上でやっていくほかないのがキャバ嬢という存在であるのは事実なのです。

しかし、キャバ嬢に夢を抱いた女性がその夢を破られた結果、現実に順応していくことがほとんどです。

女らしさや若さがお金に変わるという現実を受け入れ、その現実をどう考えるかは別として、女らしさや若さを売っていくことになるのです。

水商売に対して「女性を搾取している」とさわぎたてるフェミニストは多いですが、キャバクラにそのような一面があるのは事実です。

しかし、搾取といえば言い過ぎでしょう。

キャバ嬢たちはそういう一面に寂しさも感じながら、同時に魅力を感じているのです。

自分のオンナを売りにすることにハマり、水商売の世界にどっぷりつかってしまう女性も少なくないのです。

 

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若さを売るという事

あるキャバ嬢をインタビューによって、私はオンナを売りにすることに依存しているキャバ嬢がいることを知りました。

キャバ嬢って、自分が女ってだけでお金を稼げるでしょ?それってどんな感覚なの?

そうですねぇ。あたしは働き始めた最初の頃、不思議な感覚でしたよ。

女っていうだけでこんなにお金もらえるのか、みたいな。

それまで普通のアルバイトしてて、お客さんから可愛いねっていわれることはあっても、それはお金にならないですから。

でも、なんか変な感じもありました。

それまでは女ってトクしないな、男の人っていいな、自分の腕一本で何でもできて、みたいな考えだったんですよ。

でも、キャバクラも腕一本でいける世界じゃないですか。

女であることをすごく評価されるし。

ああ、オンナを売るっていいなって思いましたね。

ちょこちょこ努力してると、指名取れるし。

優越感とかもあります。

それってすごく気持ちいいんです。

そんなとき、オンナを売るって楽しい!って思うようになったんです。

すごく楽しい。

罪悪感もありますよ。

自分もキャバ嬢になっちゃったなー、みたいな。

お客さんを騙したり、セクハラされたり、水商売の女あつかいされたりすると、すごく感じますね。

オンナを売りにするのは楽しいんですけど、嫌なことがあると落ち込みも激しいですね。

でも、今考えてみると、キャバクラじゃなくても若さとか可愛さがトクなことってあったなって思います。

普通のアルバイトしてても、上司のおじさんからちやほやされてきたと思うし、ごはんもおごってもらえたし。

困った事あったら誰かが助けてくれるし、あんまり気づかなかっただけでトクなことって色々あったんだと思います。

キャバ嬢になったことでオンナを売りにすることの魅力を知り、ハマってしまう女性がキャバクラには大勢います。

キャバ嬢の「オンナ」をお金で買うシステムに辟易する時代があっても、次第にそれにハマっていき、逃れられなくなってしまうのです。

彼女のように、キャバ嬢になれるような女性はそもそものクオリティが高めであることがほとんどで、キャバ嬢になる以前から色々な場面でトクをしてきたことが多いものです。

しかし、それを実感するほどではなく、キャバクラに入ってみたことで、オンナがお金になり、実感するようになっていくのです。

自分のオンナをお客さんに受け入れてもらい、商品としての実感がわき、お金を稼ぐことができ・・・となっていくと、病みつきになる喜びを感じるようになります。

若さゆえに感じられる快感ともいえるもので、キャバ嬢の多くが若さを非常に重要視しています。

キャバ盛り髪

このインタビューのキャバ嬢は22歳です。

高校を卒業してからアルバイトなどし、後にキャバ嬢になりました。

お客さんから「若いね」と言われることを嬉しく思える年頃ではありますが、キャバクラは18差異や19歳の新人が次々と入ってくる世界でもあります。

22歳の彼女も、若いと言われ、それが売りになることを嬉しくも思っていましたが、10代のキャバ嬢が入ってくるのを見ると「もう年だなぁ」と思うこともしばしばでした。

22歳では、キャバ嬢全体から見ると、老けてもいないがそれほど若くもないという年齢層に当たります。

20代後半にもなると、キャバクラでは若くない自分はもうだめだと考え、いつしかキャバ嬢を引退してスナックに流れていく女性もたくさんいます。

もちろん、年齢的に厳しくなったと思ったキャバ嬢が、夜の世界そのものから引退して昼の仕事を求めることもあります。

私がよく知るキャバ嬢は、久しぶりにお店に行くと辞めており、連絡を取ると結婚したとのことでした。

お昼の仕事を始めたところ、すぐに男性社員と恋仲になり、結婚したのです。

男性の扱いに長けているキャバ嬢が、昼の世界で男性を手玉に取るなど朝飯前のことだったのです。

キャバ嬢をお嫁さんにすることに抵抗を感じる男性もいるため、彼女のように一旦お昼の仕事でワンクッションおいてから結婚するというキャバ嬢は少なくありません。

 

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