お客をファン化させるとこんなミラクルが起こる

お客さんに長い間ひいきにしてもらうためには、色恋営業ではいけません。

色恋営業を続けていても、お客さんは数ヶ月間通った後に「もうこの子は口説いても無駄だな」と感じてお店に来なくなってしまうからです。

もしくは、お客さんが本気で口説いてきたときにあなたが断ることによって、来なくなるお客さんもいることでしょう。

もしあなたがお客さんと長く付き合っていきたいならば、お客さんにファンになってもらうのが一番です。

ファンになったお客さんは、あなたを口説こうとは考えずとも長く通ってくれます。

色恋は抜きにしてあなたを応援してくれるようになるのです。

本稿では、お客さんをファンにする方法を見ていきましょう。

ファンがいたらこんなミラクルが起こる

ある売れっ子キャバ嬢Hのケースを紹介していきましょう。

彼女の誕生日が近いある日、Aさんというお客さんがお店に来ました。

Aさんはいつも1~2セットしかいないお客さんなのですが、誕生日には4セットいることを約束して帰りました。

誕生日、そのお店は自動延長システムのお店であったため、Aさんは受付で4セットと伝えてお店に入りました。

お祝いのシャンパンを頼んで席に着いたところで、着物を着たHが席に着きました。

この時、たくさんの指名客がすでに来店していたため、一つの席には長くいることができません。

シャンパンで乾杯すると、彼女はすぐにAさんの席から別の席へと移動しました。

彼女が席についていた時間は5分くらいのものでした。

1時間くらいがたったころ、つけ回しがAさんのところに来ました。

そして、慌てた様子で言いました。

A様、申し訳ございません。

先ほどHが酔いつぶれてしまいました。

現在介抱しているのですが・・・フロアに戻ってくるのが難しい状況です。

お客様は4セットのご予定とお伺いしていますが、いかがいたしましょうか。

このセットで終了とさせていただきましょうか。

そのとき、まだ2セット目の途中だったのですが、Aさんは

良いよ。

4セットいるから。

ヘルプの子とシャンパンを飲むよ。

と言いました。

Hは誕生日で緊張していたこと、多くのお客さんがお祝いに来て乾杯が続いたことから酔いつぶれてしまったのですが、Aさんはそのことを察したのです。

予定通り4セットが終わって、会計になりました。

Aさんが伝票を見ると、自分で思っていたよりも6000円安くなっていました。

そのお店では、セットごとに2000円がかかるシステムであるため、本来ならば8000円の指名料がかかっているはずなのですが、お店の計らいで3セット分がフリーとして計算され、1セット分の指名料しか計算されていなかったのです。

ヘルプのキャバ嬢たちは「ラッキーでしたね」と言いましたが、Aさんはボーイを呼んで言いました。

これ、彼女には1セット分しかポイントつかないの?

はい。さようでございます。

4セット指名扱いにしておいてよ。

しかし、実際にはHはフロアにはいなかったわけですし・・・お客様から指名料を頂くわけにはいきません。

お店の方針としましても、2セット目以降はすべてのお客さまをフリー扱いとさせていただいたんです。

お店としてはそれが当然の対応だよ。

でも、僕が4セットいたのは、彼女に4ポイントをプレゼントするためだったんだよ。

誕生日プレゼントでね。

1ポイントしかつかないんじゃ、4セットいた意味がないんだよ。

4セット分の指名料を払わせてもらうよ。

彼女には4ポイントつけてあげて。

承知いたしました。

では、お言葉に甘えてそうさせて頂きます。

本日は申し訳ございませんでした。

結局、Aさんは4セット分の指名料を支払いました。

Aさんは帰り際に店長にも、このように言いました。

店長、常連として言わせてもらうよ。

Hが倒れてから指名料をカットしたのは、お店としては正しいと思うよ。

でも、指名料を払うかどうかは客が決めることじゃないかな。

彼女が酔いつぶれていなかったとしても、あれだけ人気のある子の誕生日なんだから、ほとんど席に着かないことなんてわかってたんだし。

僕は今日4セットいたけど、彼女に4ポイントつけてあげるためにやったことなんだ。

それなのに、接客しなかったんだから指名料は取らないなんて言われたら、それなら3セット分のお金も返せってなるよ。

今日来ていたHのお客さんたちは、ほとんど同じ気持ちだと思う。

だから、いきなり指名料をカットした伝票を渡すんじゃなくて、客ごとに『指名料をカットすることもできますが、どうしますか』と聞くべきだと思うね。

彼女のお客さんなら、ほとんどの人が指名料を支払うはずだよ。

店長もこれには恐れ入って、ただただ

おっしゃる通りでございます。以後気を付けます。

と言っていました。

 

キャバ嬢にとって、誕生日は一年で一番ポイントを稼げる日です。

接客途中で酔いつぶれてしまうのはプロとして批判されても仕方のないミスですが、それは誰から言われずとも、キャバ嬢自身が一番分かっていることです。

私もキャバクラの一ファンとしてAさんの気持ちがわかる気がします。

お気に入りのキャバ嬢を応援するために誕生日を祝いに来たその席が、キャバ嬢にとって後々まで悔いが残るような席にはしたくなかったのでしょう。

せめて、ポイントはたくさん稼がせてあげようと思ったのです。

Aさんの言葉から、そのことがよくわかります。

ちなみに、Aさんが帰った後、まだ残っていた指名客に店長が謝りつつ、指名料をどうするかと尋ねたところ、ほとんどのお客さんが指名料を払ったとのことです。

キャバ嬢のファンというのは、かくも熱心に応援してくれるものなのです。

ファンのついたキャバ嬢には、このようなミラクルが起こることがあります。

 

 

キャバ嬢の成長を楽しむお客さんがいる

お客さんがキャバ嬢のファンになった時、お客さんは何の見返りも求めずにキャバ嬢のために何かしてくれるようになります。

このことは、キャバ嬢のファンに限らず、何らかのファンには共通して言えることでしょう。

アイドルのファンは、アイドルのグッズを集め、ライブに足を運んで応援します。

AKBになると、自分が応援するメンバーの順位を押し上げるために、たくさんのCDを買います。

それと同じようなもので、キャバ嬢のファンになったお客さんは、そのキャバ嬢が少しでも店内で順位を上げられるように、または既に上位のキャバ嬢ならば上位を維持できるように、ナンバーワンを目指しているキャバ嬢ならばナンバーワンになれるように、若いキャバ嬢が人間的に大きく成長するように応援していきます。

応援する気持ちからお店に通い、指名をし、ポイントを稼げるように図ってあげるのです。

男性がキャバクラに通う目的は、大きく四つに分けられます。

それは、

  1. キャバ嬢を口説いてエッチがしたい
  2. キャバクラで癒されたい
  3. 楽しく飲んでストレス発散したい
  4. キャバ嬢の成長を見たい

というものです。

四つ目の「キャバ嬢の成長を見たい」というタイプのお客さんこそが、ファンになってくれるお客さんです。

このタイプのお客さんをファンに育てることができるかどうかが、売れっ子キャバ嬢になれるかどうかの分かれ目と言ってもいいでしょう。

このタイプのお客さんがキャバ嬢を指名する時には、自分がファンになる価値があるかどうかを考えていることが多いものですから、そのようなお客さんから指名してもらえるととても心強く感じられることでしょう。

人気上位のキャバ嬢たちは、必ずこのタイプのお客さんを何人もモノにしています。

このタイプのお客さんをファンにできるキャバ嬢こそが、一流のキャバ嬢なのです。

 

 

頑張っている姿を見せる

では、お客さんにファンになってもらうためには、どうすればよいのでしょうか。

これを考えるときに知っておくべきことは、お客さんはキャバ嬢の人間性にほれ込むことによってファンになるという事です。

これはアイドルのファンとの大きな違いと言えるでしょう。

アイドルのファンになる時は、そのアイドルの可愛いルックス、歌や踊りのうまさなどからファンになることが多いものですが、キャバ嬢の場合には異性として惚れるだけではなく、人間的に惚れるのです。

異性として惚れているうちは、ファンとは言えません。

何故ならば、異性として惚れたお客さんは、キャバ嬢に対して必ず見返りを求めてくるからです。

分かりやすいのは、「俺が君にこれだけ惚れてたくさんお金も使ったんだから、君も俺に惚れてくれ」というものです。

あるいは「エッチしてくれ」という見返りを求めることもあります。

お客さんも男ですから、その部分は多少なりとも持っているものです。

しかし、人間的に惚れてくれたならば、お客さんが見返りを求めることはなくなります。

キャバ嬢から何かしてほしいと考えることはなくなり、ただ尽くしたい、喜ばせたい、何かしてあげたいと考えるようになるのです。

人間的に惚れる要素は3つあります。

それは、その人の

  1. 考え方
  2. 生き方

です。

これに感動したお客さんは、ファンになってくれます。

このように書くと、ファンを持つキャバ嬢は人間的に非常に立派でなければならないと感じてしまうかもしれませんが、そうではありません。

なにも、考え方が思想的に非常に立派であるとか、すばらしい姿勢で生きているとか言う事ではないのです。

実際、キャバ嬢のほとんどは20代前半であり、人生経験も乏しいことがほとんどです。

そんなキャバ嬢たちが、立派な考え方やすばらしい生き方をしているはずはありません。

では、お客さんはキャバ嬢のどこを見て感銘を受けているのかと言えば、それは頑張っている姿です。

立派な考え方を持っていなくても、すばらしい生き方をしていなくても、壮大な夢を抱いていなくても、お客さんたちはそんな女の子が何かに向かって一生懸命に頑張っている姿に感銘を受け、応援したくなるのです。

これは、アイドルよりもスポーツ選手を応援するときにより近いものでしょうか。

圧倒的に不利とされた無名ボクサーが殴られても殴られても踏みとどまり、殴り返している姿を見ると、初めはそのボクサーに無関心だった人たちも、「がんばれ!」「倒れるな!」「あと30秒でゴングだから踏ん張れ!」「いけ!いけ!」と応援するようになります。

応援したからと言って、応援する観客には何の見返りもありません。

それでも、手に汗握りながら一生懸命に応援するのです。

20歳前半の何も持たない女の子たちが、キャバクラという世界で一生懸命に頑張っている姿を見ると、お客さんは感銘を受けてファンになるのです。

不器用な接客でも、そこに頑張っている姿があれば、ファンはつきます。

頑張っている姿を見てファンになったお客さんは、「君を応援してあげるよ」「ナンバーワンの夢に協力してあげるよ」と言い、見返りを求めずに指名や同伴や延長をし、応援してくれるようになります。

 

 

お客さんに感銘を与える方法

では、お客さんが思わず応援したくなる考え方、生き方、夢にはどんなものがあるのでしょうか。

実際に売れっ子キャバ嬢たちがファンを獲得した例を見てみましょう。

将来の夢のため

私、キャバで頑張ってお金貯めて、ネイルサロンをやるのが夢なんだ。

でも、人間的にダメな部分が多くて、今のままだと失敗すると思うから、キャバでしっかり勉強して、成長したいなって思ってるの。

まずはこのお店でナンバー入りするのが目標だよ。

頑張れば絶対にやれるんだ。

それができたら、次はナンバースリーを目指して、最後はもちろんナンバーワンを目指すよ。

それをやり遂げたら、ネイルサロンやっても大丈夫だと思うんだ。

ひとつずつ目標をクリアしていけば、夢に近づいていけるよね。

ナンバーワンを目指したい

あたしは子供の頃、家庭が複雑でね。

今、弟を私が養ってるの。

弟が高校を卒業するまで後2年だから、それまでは頑張らなきゃ。

弟が学校を卒業したら、今度は自分の夢を追いかけるつもり。

でも、あと2年やるなら、普通に働くなんてもったいない。

キャバは楽しいし。

辛いことも多いけど、やりがいも感じてるんだ。

だから、やる限りはナンバーワンになりたいな。

ナンバーワンになってから、次の夢を目指していくよ。

自分の夢を追える時になったら、まずは学校に通って資格を取って、美容師になるんだ!

このお店を東京一にする!

私、皆のおかげで今ナンバーワンになったけど、ゆくゆくはホステスになろうと思ってるんだ。

将来的には自分のお店を出したい。

でも、このお店ではまだまだやり残したことがあるからね。

ナンバーワンになったら終わりじゃないの。

とりあえず、私を育ててくれたこのお店に恩返しがしたい。

このお店を東京一のキャバクラにするんだ!

そのために私がやれることをやっていくよ。

このお店が東京一になった時、私がナンバーワンじゃなきゃ意味ないよね。

だから、このお店が東京一になるまで、ナンバーワンの座を守り通すんだ。

このような話を聞くと、男性としては思わず応援したくなるものです。

具体的な考え方、生き方、夢を持っているキャバ嬢は多くありませんから、多くの男性は、キャバ嬢と話していてもどこか物足りなさを感じているものです。

ファンになる価値はないと思うからです。

そこに、このような夢を持っている子が現れれば興味を抱き、「この子を応援しよう!」「この子を見守ってあげよう!」と思うのです。

ここで挙げた例は、実際に私が聞いた話の中でも良いと感じた話を紹介しました。

ですから、あなたがお客さんに頑張っている姿を見せようと思ったときは、このような立派な夢や、涙を誘うような話をすることはありません。

もっと小さな夢でもいいと思います。

例えば、

今まで何やっても駄目だった自分を変えたい。とりあえず、1年間は続けたい。

というようなものでもいいでしょう。

ファンは必ず現れる

お客さんが「この子を応援したい」と思ったときは、自分が支払うお金がキャバ嬢の稼ぎになるといったことは考えません。

そうではなく、自分がお金を支払うことによって、キャバ嬢が夢に近づくと考えるのです。

お客さんを自分のファンにするためには、このように頑張る姿を見てもらい、理解してもらう必要があります。

そのためには、とにかくお客さんと語り合うことが大切になります。

接客の時はもちろんですが、同伴やアフターでゆっくりと話す機会を設け、自分の考え方、生き方、夢を語りましょう。

そして、そこで口だけになってしまわないように、一生懸命に頑張っているすがたを見せましょう。

お客さんが「この子は本気だな」と思えば、ファンになってくれることでしょう。

有言実行していけば、ファンは必ず現れるのです。

 

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